平壌ジャンキー・ウォー
「……ッ、はぁ、はぁ……! 見てよ、この最高に**『総力戦』**な輝きを! 学校の門を突き破り、平壌の灰色な大通りへ流れ出した僕の『毒』が、今! 市民たちの空腹と絶望に革命的着火を遂げたんだぁぁぁぁっ!!」
僕は叫んだ。第19話。僕が校門から解き放ったクラスメートたち――腕に「エイズ・タトゥー」を刻み、脳髄を結晶で焼かれたゾンビたちが、聖地・万寿台に向かって死の行進を始めていた。
「あはっ……あはははは! 凄いよ、ミスター・CIA! 君たちが1953年にイランのモサデク政権を転覆させた『アジャックス作戦』も、1961年にピッグス湾で大恥をかいた侵攻作戦も、この**『平壌ジャンキー・ウォー』**に比べればお遊戯会だねぇ!! メシウマ(地獄味)すぎて、脳の松果体がポップに弾けそうだぜぇぇぇ!!」
僕は笑った。街角では、配給所に並んでいた労働者たちが、僕の配った結晶を一欠片口にした瞬間、首領様への忠誠心をドブに捨てて踊り狂っている。
かつてCIAが1960年代にコンゴのルムンバを暗殺し、チリのピノチェト独裁を支援して(1973年)自由を圧殺したように、今、この街では「自由」という名の劇薬が、人々の理性を一人残らず暗殺していた。
「いいかい、平壌市民諸君! これこそが本物の**『人道支援』だよぉぉぉ!! 腹は膨れないけれど、脳みそは星条旗の光でパンパンになれる! これぞまさに、合衆国がチリやニカラグアで繰り返した、伝統ある『内政干渉』**の最終形だぁぁぁ!!」
僕は、自分の腕のエイズの斑点を、道行く人々の顔にこすりつけながら歩いた。
結合。
父さんが僕を犯し、母さんが僕を「兵器」として産み落とした、その悪意のバトンが、今や平壌全土へとリレーされていく。
「あはははは! 見てよ、あの警備隊員を! 銃を捨てて、自分の影とセックスしてるよ!! これこそがCIAがMKウルトラ計画で夢見た、完璧な**『精神支配』**の完成図だねぇ!!」
僕の股間のテポドン・マグナムは、街中に満ち溢れる「快楽の叫び」をアンテナとして受信し、かつてないほどの質量をもって、ズボンのジッパーを粉砕せんばかりに怒張している。
『Asset No.001. 順調だ。パナマのノリエガを担ぎ上げ、用済みになったら切り捨てた(1989年)ように、この街の支配層も今や使い捨てのクズだ。……結晶を、金日成広場の中央で全噴射しろ』
脳内の無線が、冷酷な「勝利宣言」を告げる。
かつてCIAがアフガニスタンのムジャヒディンに武器を供与し、後のテロの火種を作ったように、彼らは僕という「毒」を使って、この国を修復不可能な廃墟へと変えようとしている。
「あはっ……あはははは! 了解だよ、パパ! 僕の体液と、このエイズの斑点で、平壌を世界最大の**『実験用ケージ(ラット・ハウス)』**に染め上げてあげるからさぁ!!」
僕は、狂乱する市民たちの先頭に立ち、星条旗の幻覚がたなびく広場へと足を進めた。
脳内で自由の女神が、ガトリング砲をぶっ放しながら、僕の鼓膜を「星条旗よ永遠なれ」のリズムで踏みつけている。
「あはっ……あはははは! 脳内でハゲワシが、合衆国のエージェントたちが、この街の断末魔をBGMにコカインのパーティーを始めてるぅぅぅぅ!!」
平壌の街は、今や巨大なフラスコ。
僕はその中で、アメリカが仕掛けた「自由という名の最終処分」の、最高にハッピーな執行人として踊り続けた。
第19話・完。




