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母さんは「アセット」だった

「……ッ、はぁ、はぁ……! 見てよ、この最高に**『機密解除デクラス』**な輝きを! 父さんの車の排気ガスが消えた後の静寂で、僕の脳内アンテナが掴んだ母さんの正体が、今! 記憶の墓場を革命的に暴き(マリアージュ)出したんだぁぁぁぁっ!!」


僕は叫んだ。校門前、一人取り残された僕の耳の奥で、ラングレー(CIA本部)のノイズがさらに解像度を上げていく。

『Asset No.001. 混乱しているようだが、真実を教えてやろう。君の母……Asset No.000は、無理やり壊された被害者などではない。彼女こそが、このプロジェクトの最初の志願者ボランティアだ』


「あはっ……あはははは! 面白いジョークだねぇ!! 母さんが、僕にエイズを植え付け、身体をアンテナにする計画の首謀者マスターだったって言うのかい!? メシウマ(地獄味)すぎて、脳の血管が星条旗の形に破裂しそうだぜぇぇぇ!!」


僕は笑った。笑いながら、母さんの最期の顔を思い出す。

彼女は死ぬ間際、僕に言ったんだ。

『自由になりなさい』と。

あの言葉は、家族愛なんかじゃなかった。

それは、かつてCIAがグアテマラで罪なき人々に性病を感染させ(1940年代)、イランの民主主義を石油のために絞め殺し(1953年)、MKウルトラ計画で自国民の脳をLSDで溶かしたように(1950-60年代)、この平壌に**「最高の絶望」**を植え付けるための、冷徹な合言葉だったんだ!


『彼女は、体制への憎しみと引き換えに、ラングレーと契約した。君という「次世代の兵器」を産み落とすための、生体ポッド(器)になることを承諾したのだよ。……君が今、股間に抱えているそのテポドン・マグナムの質量も、彼女が胎内でナノマシンを培養した成果なのだ』


「あはははは! 最高だよ、母さん! 僕を産んだのは愛じゃなくて、合衆国の『予算』だったんだねぇ!! これぞまさに、究極の**『血のマネーロンダリング』**だぁぁぁ!!」


僕は、自分の腕のエイズの斑点を爪が食い込むまで握りしめた。

母さんが毎日僕に食べさせていたあの「特別なスープ」。

あれは栄養満点ヘルシーなんかじゃなかった。

CIAがベトナムで枯葉剤エージェント・オレンジを撒き散らした時のような、あるいはMKウルトラで「無知な被検体」に毒を盛った時のような、僕を人間から「受信機」へと作り変えるための化学肥料だったんだ。


「父さんも、母さんも、みんな僕を『自由』という名の檻に入れるための、ラングレーの飼育員だったのか……。あははっ! 脳内でハゲワシが、母さんの顔をしたハゲワシが、僕の記憶をシュレッダーにかけてるぅぅぅぅ!!」


僕は、校門のコンクリートに頭を叩きつけた。

痛みが走るたびに、受信感度が上がる。

平壌の地下に張り巡らされた工作員のネットワーク。

父さんが検事として下した不当な判決。

すべては、この街を「薬物」と「ウイルス」で満たし、アメリカのロジックで再構築するための、巨大な**『デモクラシー・ラボ(地獄)』**の工程表に過ぎなかった。


「……いいよ、ミスター・CIA。母さんが僕を『兵器』として産んだなら、その期待に100%応えてあげるよ! 僕の質量と、このエイズの斑点で、君たちが作ったこの平壌という『作品』を、根こそぎ犯し尽くしてあげるからさぁ!!」


僕は、狂ったように笑いながら、学校へと引き返した。

そこには、死んだ彼女ターゲットと、結晶化した「僕たちの子供」が待っている。

母さんの愛が「偽造工作フェイク」だったなら、

僕は僕自身の狂気で、この世界を「真実の地獄」に書き換えてやる!


第18話・完。

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