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弐の巻 『反逆者』


         『灰色の騎士』


 それは、シベリオン王国の数ある英雄譚の中でも最も愛読されている物語の一つ。


 今から四十年程前、王子との結婚を控えた名家の娘が他国の貴族に拉致されると言う事件が起きた。

 王子は、娘を救うべく兵を引き他国の貴族の領土に進軍しようとした。

 だが、国家間の戦争を恐れた王に阻止され、一切の救出活動を禁止されてしまう。絶望した王子が縋る思いで助けを求めたのは、当時放浪しながら用心棒をやっていた一人の男。

 薄汚れた鎧を身に纏ったその男は、その頼みを引き受けた。そして、一人で貴族の元に乗り込むと城の内部に火を放ち、娘を救い出した。


 それから国に戻り娘を王子の元へと送り届けたのだった。

 その時の男が全身灰まみれていた事が由来となり彼は、灰色の騎士と呼ばれ伝説となった。


 

 ここは、レヴァロス大陸中央に位置する、七つの王国で最も長い歴史を持つ国家。


 シベリオン王国。


 この国は現在、狂王ダンガスによる支配に国民は、日々不満を募らせている。


 今年は、魔神大戦から800年の終戦記念。 

 それからこのシベリオン王国が設立されて800年の建国記念の年でもあった。


 それに伴い現国王ダンガス・シベリオンは、国力と己の力を誇示する狙いで世界中の権威ある王族や貴族達を招待し、国に迎え入れた。



----



 一方洞窟の円卓にて前国王の娘レナリスが玉座奪還を宣言して訳一年。


 彼女らは、現王政に不満のある者達を集め、同士とすべく国の内外に使者を送り込み接触を試みている。

 そして、時読みの少女自身も自ら国内の要人の元を訪れていた。


 「それで? その王女殿下が俺に何の様ですか? 」

 「貴方にお力添えを頼みにやって参りました。ローベル公」

 「ほう」


 そこは、とある邸の応接間。

 机越しに向き合う白髪の少女と眼力のある男の姿があった。


 男の名は、ロレイン・ローベル。

 ここシベリオン王国の貿易の半分近くを担っていると言われるローベル商会の代表である。


 男は、疑う様な目で交互に少女とその後ろに控える執事服の老人を見つめていた。


 「信じられませんか? 私がシベリオン家の者だと言うのが」

 「いいや? その純白の髪それは間違い無くシベリオンの血筋のものだ。

 だが前国王レイスの娘と言うのはどうも信じられん。奴の妻は殺され、産まれた子は男で産後すぐに死んだと聞き及んでいる」

 

 「なる程、そちらでしたか」

 「それともなにか? そんな可愛いらしい見た目して実は付いてんのか? 」

 「無礼ですぞ! 」


 突如男の言葉に割り込んだのは少女の後ろに控える様に立っていた執事服の老人だった。

 執事は、男の無礼な態度と言葉に一瞬顔を強張らせた。

 だが少女は、無礼な態度や言葉にも眉一つ動かす事無くすまし顔のまま返答を返す。


 「よいのですレイフォンスほんの戯れですから。私は正真正銘女です。なんならパンツの中を確認なさいますか? 」


 「お嬢様!」

 「レナリス様・・・・」


 少女の乙女あるまじき言動に普段冷静な侍女は、目を丸くしていた。


 「ガハハハ!! 面白い嬢ちゃんだ! そのセリフは後10年先に言って貰いたいねぇ」


 「分かりました。では側で10年後まで見届けて頂く必要が有りますね。それに10年あれば私が王たる器かどうかを見極めるには充分でしょう」


 少女は、にこやかな表情のまま言葉を返す。


 「ハッ、玉座を取るってのは冗談じゃないみたいだな。でもどうする気だ? 俺を使って何をする気だ」


 そう言うと男は、先程までとは打って変わり鋭い眼光で少女を見つめた。

 その言葉で張り詰めた空気が流れその場は静まり返る。

 そして少女は、お茶の入ったカップを持ち上げて一口飲むと言葉を返す。


 「ローベル公は"灰色の騎士"と言う物語をご存知ですか?」


 「ああ当然だ。この国の有名な英雄譚の一つだ。他国の貴族に捕まった王子の婚約者の娘を助け出した伝説の騎士の物語だろ?」


 「ではその騎士が何故たった一人で他国の貴族の城の門を突破する事が出来たのかご存知ですか? 」


 「そりゃあ・・・・伝説と呼ばれるくらいの騎士だ。強かったんだろ一人で城が落とせるくらい」


 「はい、確かに彼は強く勇敢な騎士ですが彼でも1人で城に正面から挑めば勝機は薄いでしょう。

 王が王子である息子を救出に向かわせなかったのは戦争を恐れたからでは有りません」


 「ほう? 何故だ?」


 「王は息子では勝てないと判断したからです。それ程その貴族の城は難攻不落と言われていました」


 「ならどうやって灰色の騎士はその城を落とした? 」


 「花を贈ったのです」


 「花?」


 「はい、知り合いの花屋に頼み木箱いっぱいの花を祝いとしてその貴族に送り付けました。そして、その木箱の中に入り城の門を抜けたのです」

 「ガハハハ!! なる程な! それで城の中から切り崩したって訳か! だが聞いた物語とは随分違っている。どうしてそんな事を知っている? 」


 男の質問に少女は、背後に控えて立つ執事に一瞬目をやり、少し口角を上げて答えた。


 「彼は最近まで花屋を営んでいました」


 「ハッ、その人がそん時の花屋ってオチか。それでその騎士が城にした事をこの国にしようって事か?」


 「ええ、届ける場所は違いますが、私達が騎士で貴方が花屋です」


 「ん? 王城に潜り込んでダンガス王の首を獲るんじゃ無いのか」


 「その方法では王の首は獲れても王にはなれませんから。狂王ダンガス最大の脅威はその凶暴さでも卑劣さでも無く、彼の後ろ盾である聖教派の者達です」


 「ふん、確かに現教皇やその支持者達は裏でヤバい事に手を染めてると言う噂を聞いた事がある」


 その後、様々な対話や交渉の末に男は協力すの条件を出してきた。


 条件は、簡単なゲーム彼に勝つ事。

 ゲームの内容は、コイントスで予め表と裏どちらが出るかを決めてコインを投げる。

 当たればもう一度コインを投げ、先に三回的中させれば勝ちと言うもの。


 そして、少女が先行で始まったそのゲームは、男がコインを投げる事無く決着した。



----



 ゲームに勝利した少女は、無事男の協力をこぎ着け帰路に着いた。


 現在は、馬車で彼女らの拠点へ帰る途中である。


 「お嬢様もしあの時・・・その、下着の中を確認すると言われていたらどうするつもりですか! 」


 「そう言って来ない事は最初から分かっていたわ。それに万が一言って来ても確認させるつもりです。裸を晒して玉座が手に入るのなら喜んでドレスを脱ぎ捨てつもりよ」


 主人の言動に疑問を持ち注意する侍女に対し少女は衣然凛とした態度で答えた。


 「レナリス様、宜しいですか?」


 二人の会話を聞いていた執事が口を開いた。

  

 「ええ、何ですかレイフォンス」


 「その御覚悟、生半可な物で無い事は重々承知です。すべてを賭けているのも理解しているつもりです。

 ですが貴女はいずれ女王になられるお方、そんなお方が簡単に肌を晒すなどあってはなりません。交渉の度に相手の言う事聞いていては舐められてしまいます。良き王は民から好かれるものですが、舐められる様では統治など出来ますまい」


 執事は、かつて支えた王達の事を思い出しながら優しくも厳しい言葉少女に投げかける。


 その言葉に少女は、少し俯きながら言葉返す。


 「そう、ですね・・・・少し軽率でした。ごめんなさい」


 「いえ! 知った事を言ってしまい申し訳有りません。ただ私もクレア様も貴女を心から案じて居ると言う事だけは知っておいて下さい」


 その言葉に少女は、叱られた子犬の様な顔をしながら侍女の方を向く。

 そして、今にもクゥンと鳴き声が聞こえて来そう顔で侍女を見つめていた。

 その様子に侍女は、ハァとため息を吐きならが少女の髪を撫で下ろし言う。


 「でもやりましたね。ローベル商会を見事こちら側に引き入れました。あのロレイン・ローベル相手に一歩も引かぬ様、かっこよかったですよ」

 「クレアぁ・・・」


 「頑張りましたね」


 縋り付く少女の頭を撫でながら侍女は、思い出す。

 この子はまだ8歳の子供なのだった。

 それに未来が見えると言っても、見える未来は断片的で全てでは無いらしい。


 完璧な未来が見えない以上この先どんな危険が迫って来るか分からない。

 ならこの子は、私が守ってあげないと。

 そう彼女は、改めて決意するのであった。



----



 その城は、王都から離れた山奥の小高い崖の上に聳え立っていた。

 城と庭園を囲む様に石垣が積まれており、外敵から城を守る作りになっている。


 レナリス一行は、馬車を停めると城門を潜り城の入り口へ向かう為の石段を登った。

 石段を上がり入り口に近づくとその場を守る様に立っていた兵士が声を掛けてきた。


 「お疲れ様です。レナリス殿下」

 「ええ、貴方もご苦労様」


 「じいじーー!!」


 扉を開き城内に入ろうとすると一人の幼児がこちらに向かって走って来ていた。


 「おお! エマ、いい子にしていたか?」

 「じいじおかえり!!」


 幼児は、レナリスの背後に立つ人物目掛けて飛び付くと胸の高さまでよじ登っていった。


 幼児は、一年前レナリスとクレアが助けた花屋の女の子エマだった。

 執事は、孫を抱き抱え頭を撫でながら言葉を交わす。


 「あのね、今日はね、じいじとお姉ちゃんの絵を描いたんだよ!」

 「ほう、私の絵を! なら後で見せておくれ」

 「うん!」


 そんな仲睦まじい祖父と孫の会話を聞きながら城内に入って行く。

 すると城内にある階段から一人の男が急いで降りて来るのが見えた。

 その男は、少女を見つけると小走りで向かって来る。

 そして、少女らの側に来るとハアハアと息を上げながら声を絞り出しす。


 「お、お待ちしておりました。レナリス殿下、サーレイフォンス」

 「随分と焦った様子ですがどうかしましたか?」

「それが・・・・先日協力を申し出てくれたマウロン公が狂王側に寝返ったとの手紙が届きました」


 その言葉に執事は、少し驚いた様子で言葉を返した。

 

 「何故だ!? あのお方は忠義を軽んじる様な人間では無いはずだ」

 「手紙には娘のサーニア様が人質に取られたと。恐らくこれでレナリス殿下の事も知られてしまうでしょう」


 その言葉は、重々しく男の口から語られた。


 「じいじ、お姉ちゃんどうしたの? 悪い事がおきるの?」


 そんな切迫した状況に一人不安そうに声を上げたのは、3歳のエマ。


 「いいえ、エマ大丈夫ですよ。レイフォンス、エマをお部屋に。円卓に皆を集めてこれからに付いて話し合いましょう」


 「はい殿下」

 「御意に」

 「畏まりました」


 その後、城の円卓に集まったのは5人。

 レナリスとその侍女のクレア、執事のレイフォンスに先程知らせを届けに来た兵士長ナビルとレナリスの育て親アイザック。


 彼らは、重々しい雰囲気の中皆席に着いた。

 

 「恐らくこの場所がバレるのも時間の問題でしょう」


 「なら、お嬢様はすぐにここから逃げるべきです」


 「でもどこへ逃げる気だ? 本当にレナリスの事が知られたなら王は決して逃してはくれんぞ。国境の警備もすぐに増強されるはずだ」


 「レナリス様はどうお考えですか?」


 その話し合いの中で執事は、少女に尋ねた。


 「クレアの言う通りこの城を捨ててひとまず他国に逃げるのが得策でしょう」


 「だが、今の私達に国境の警備を突破するだけの戦力は無いぞ。空船でもあるなら話は別だが」


 「そうですね。普通に国境を越えるのは困難でしょう。今空船は有りませんが、普通の船に乗って海を渡る事なら出来ます」


 「なる程、船ですか! それなら戦力は少数でと何とかなるかも知れません。

 ですが相手側もそう考えて警戒している可能性は充分にあるでしょうな」


 「ええ普通に旅船に乗り込めば検問ですぐにバレて皆殺しにされるでしょね」


 「では・・・・どうするのです」


 「花の入った木箱」


 少女の言葉にハッと顔を上げたのは、執事服の老人と侍女の2人。

 2人は、互いの顔を見合わせ今し方聞いた物語を思い出す。


 「お嬢様それって」

 「はい、活路は既に見えています」


 それから少女は、作戦の詳細を皆に説明し、

打ち合わせを済ませると会議はお開きとなった。



----



 数日後少女達は、作戦の要となる男の元へ向かうべく馬車を走らせていた。

 馬車は、王都を避ける様に迂回し、男との待ち合わせ場所に向かう。


 「本当に良かったんですかね、レイフォンス様を置いてきて」

 「置いて来た訳では有りません。彼には彼の物語が有りますから」

 「そう・・・ですね。エマちゃんを連れて行く訳にも行きませんし。ですが私達2人ではやはり無謀なんじゃ・・・・」


 「クレア、貴女は元A級冒険者。そんな貴女が側に居てくれるなら私は安心です。それに2人では有りません。優秀なき___ 」

 「止まれ!!」


 「ん?」


 少女が何かを言い掛けた所で突然馬車は、停車し言葉は遮られた。

 そして、外からカチョカチャと鎧を着た人が歩く音が聞こえて来る。


 「お嬢様、私の後へ」


 侍女は、即座に腰の剣に手をやり少女の前に出た。

 だが少女は、その行動とは裏腹に徐に立ち上がると侍女に尋ねる。


 「クレア、何があっても私を信じますか?」

 「勿論です。何があっても付いて行きます」


 侍女は、真剣な眼差し少女を見つめ、少女もまた視線を返す。

 

 「そう、では行きましょう」


 そう言うと少女は、馬車の扉を開く。

 そして、馬車の外に出て行った。


 「お嬢様⁉︎」


 少女を追って外に出ると辺りは白銀の鎧の兵士達が馬車を取り囲む様にして集まっていた。

 狼の紋章に白銀の鎧、それはシベリオン王国の騎士達の証。

 

 「殿下中にお戻り下さい」


 そう言い放ち剣を抜くのは馬車の騎手をしていた兵士。


 「私も戦います。お嬢様、私達の後へ」


 そして、侍女もまた剣を抜き兵士と共に少女の前に出て構えた。


 すると騎士達の中から騎馬に乗った中年の男が姿を現した。


 「俺はシベリオン王国、王国騎士のエスタル、貴様ら反逆者の仲間だな。王に歯向かう不届き者共め全員晒し首にしてやる!! 進め!!」


 男の号令で騎士達は、一斉に歩み始め、こちらへ向かって来る。


 「待ちなさい!」


 少女は、こちらへ向かって来る騎士達に声を上げた。

 そして、自分を守ろうとする兵士と侍女よりも更に前に出て騎士達に向かって叫んだ。


 「私はレナリス・シベリオン。前王レイスの娘にして正当なる王位継承者。ダンガスに伝えなさい、お前は王の器では無いと!」


 その言葉に騎士達は、響めき困惑していた。

 

 「何を言い出すかと思えば貴様が前王の娘だと? 王家の名を語る不届き者め!!」


 「お嬢様、この状況で相手を煽るのは得策では有りません。生き残る事だけを考えて下さい」

 「無論こんな所で死ぬつもりは有りません」

 「では何か考えがお有りですか?」


 「奴らを皆殺しにしろ!!!」


 馬上の騎士の言葉で他の騎士達がこちらに向けて歩き始めた。

 鎧が揺れて鳴る重厚感のある音が響き渡る。


 「お嬢様、お戻り下さい! 何とか私が道を開きます」


 侍女は、そう言うと再度剣を構え直し、何かを唱え出した。


 「クレア、貴女が戦う必要は有りません。きっともうすぐ来てくれるでしょうから」


 「来る? 来るって何がですか? もしかして援軍ナビル兵士長が!? 」


 「違います。彼は」


 「誰かこっちに来るぞ!」


 少女が何かを言い掛けた時、突然敵の兵士が叫ぶ。

 その声の後、凄まじい速さで敵の騎士達を蹴散らしながらその男は現れた。


 「ご無事ですか我が女王よ」


 燻んだ色の鎧に騎士の剣、年老いてもなお残る鋭い眼光の騎士。

 少女は、その姿を見ると得意げに腕を組み言い放った。


 「灰色の騎士、レイフォンス・ラーガリウス」


 その老騎士は、王国の騎士達の前に立ちはだかり剣を構える。

 

 「久しいな、エスタルよ」

 「ん? あっ、貴方は!!! 皆止まれ!」


 その年老いた騎士を見て馬上の男は、騎士達を停止させた。

 そして、目を見開き驚いた様子で言葉を返す。


 「レイフォンス騎士団長・・・・いや、元と付けるべきか。何故貴方がこんな所に? 反逆者の味方を?」

 「現王ダンガスが私の家族に何をしたか知っているな? 」

 「ええ、何と無くは聞き及んだいます」

 「なら分かるであろう。私がまた剣を取った理由が」

 「ですが・・・・あれは戦火の最中の出来事です。

戦犠牲は付き物です。それは貴方も・・・」

 「戦などでは無い!! 息子が殺されたのは奴が王になってからだ!! それに息子は戦にも参加して居なかった」


 老騎士は、馬上の騎士との会話で激昂し声を荒げた。


 「それが現国王ダンガス陛下の意向でした。

そして、それが許されるのが王です」


 「・・・・分かっている、だが私の支える王では無い。話は終わりだ来るなら来い」


 その言葉で互いに煮え切れぬまま、戦闘は始まり騎士達は剣を抜き前に出る。

 だが前に出た騎士から首を切り落とされ、その場に血溜まりが出来ていた。

 その様子に恐怖しながらも反逆者の首を取ろうと向かって来る騎士達を老騎士が1人で斬り伏せて行った。


 そして、半分以上の兵を失い、焦った騎士の合図で撤退して行った。



----



 その後、再度馬車を走らせ協力者の男の居る船場へ到着した。

 協力者とは、ローベル商会の会長ロレイン・ローベルの事であった。

 

 「予定より遅かったな。捕まったのかとヒヤヒヤしたぜ」

 「遅れて申し訳有りません。少々トラブルに巻き込まれましたが、彼のおかげで切り抜ける事が出来ました」


 「ハッ、まさかあの時の老人が灰色の騎士本人だったとは驚きだ。あの場でパンツを脱がさなくて正解だったな! ガハハハ!!」


 「コホンッ」


 老騎士の咳払いに男は、ビク付きながらあからさまに態度を改めた。


 「おっと」

 「言われた通り船は用意しておいた花も木箱もな。表向きはローベル商会の商品って事になっている」


 「感謝しますローベル公。私が玉座を手にした暁には貴方に外務大臣の座を約束しましょう」

 「その時は慎んでお受けいたしましょう。それで行き先をまだ聞いて無かったな、我が女王陛下は何処に向かわれるのですかい?」


 少女は、潮風に白い髪を靡かせながら男の質問に答える。


 「ここシベリオンと最も長き交流を持つ国。レトロン王国へ向かいます」


 その後レナリス、クレア、レイフォンスの三人で船に乗り込んだ。


 そして、話した通りシベリオン海軍の検問を花の木箱に入り切り抜け、隣国レトロン王国へ船を向かわせた。

 


 

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