第三話 周り
「トウヤ!後ろ!!」
「っ!?」
いつの間にか、背後に侵入者が迫ってきていた。気づいた時には、顔と拳が目と鼻の先だ。
……物理的に。
そんなことを考えている場合じゃない。……終わった。今度こそ終わった。シュンは銃を構えていないので、僕が殴られるのとシュンが発砲するのとじゃ、僕が殴られるのが先だろう。もし、シュンが発砲する方が先だったとしても、とっさに弾を当てるのは難しい。
僕は諦め、目を瞑る。
ゴンッ
……殴られない?
もしかして、シュンは早撃ちの天才だったのかもしれない。そんな考えは、ゴンッという鈍い音で否定された。
僕は、恐る恐る目を開ける。
視界に映ったのは、侵入者。ではなくーー
「黒井先生!」
腕に鉄の板のようなものをつけた、担任の黒井先生だった。その足元には倒れた侵入者がいる。
「油断するな!」
僕はその言葉にハッとした。
慌てて刀を構える。
先生の武器は、……盾、か?
盾は武器とみなされるのか?でも、きっと先生は盾を侵入者にぶつけ、攻撃したのだろう。
使い方次第では武器になりえるのか。
自問自答で納得してみる。
突然、倒れていた侵入者が動き出す。倒れている間にトドメを刺しておくべきだった。
僕はとっさに刀で斬りつける。
もう一発、もう一発と繰り返し。
固い。
やっぱり、身体がコンクリートでできているのか。
僕がなかなか侵入者を倒しきれないからか、黒井先生も盾を侵入者にぶつけ応戦。
そのおかげか、なんとかその侵入者を倒すことができた。侵入者が塵になる。
そうだ。これを聞いとかないと。
「先生は知ってるんですか?この侵入者とか、武器のこと。校長先生から何か聞いてたりしないんですか?」
「すまない、知らないんだ。だから、教師一同も戸惑っている。」
先生たちも知らない!?
じゃあこれは、校長先生が一人で準備したものなのか?
相変わらず、何も分からない。
黒井先生が口を開く。
「落ち着いて聞いてくれ。……周りを見ろ。」
「周り?」
僕は周りを見渡す。
え?
そこには信じ難い光景があった。
「人が、消えてる……。」
まだ5分経ったか経たないかぐらいなのに。
黒井先生が深刻な顔で告げる。
「生徒の数が、今や4分の1に減っている。」




