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まんぷく戦隊 デブレンジャー  作者: ものうちしのぎ


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第二十五話 さらば、デブレンジャーよ永遠なれ!

【登場人物とアイコンの対応】

 挿絵(By みてみん) レッド・ミート

 挿絵(By みてみん) ブルー・フィッシュ

 挿絵(By みてみん) イエロー・レモン

 挿絵(By みてみん) グリーン・ベジタボー

 挿絵(By みてみん) ピンク・スイーツ

 挿絵(By みてみん) 嵐山長官

 挿絵(By みてみん) ブラック・ノワール

 ベトリアン女王が操る巨大ロボ(ニュー・ファトルキングのロボ形態(モード))が、新宿の高層ビル街で暴れている。



【ナレーター】

 説明しよう!

 最終回なので、心置きなく街のミニチュアセットを壊しまくれるのだ!



 逃げ惑う人々。

 道の段差につまづいて、転んでしまう子供。

 その頭上に、巨大ロボの足が踏み下ろされようとしていた――



挿絵(By みてみん)「ファトル・パンチ!」


 ファトルキング・オメガの巨大なこぶしが、敵ロボの頭部に命中!

 敵が体勢を崩した隙に、子供は難を逃れた。


「おのれ……どこまでも私の邪魔をする気か、デブレンジャー!」

 ロボのスピーカーから、ベトリアン女王の声が大音量で流れる。


挿絵(By みてみん)「貴様らの野望は、我々が打ち砕く――喰らえ、ファトル・キック!」


 遠目にはスローモーに見える、巨大ロボの蹴り。

 しかしそれは、スケールが大きいための錯覚だ。



【ナレーター】

 説明しよう!

 例えば、キックのスピードを時速百キロメートルとした場合、ロボの足が百メートル進むには三秒以上かかる計算になるのだ!



 新宿の高層ビル街に、巨大質量がぶつかり合う轟音と衝撃がまき散らされる!


 ドツキ合いの応酬!


 ――だが、次第にデブレンジャー側の空振りが増えてゆく。


挿絵(By みてみん)「おい、押されてるぞ……どうにかなんねぇのか、この反応の悪さ!」


挿絵(By みてみん)「私が思考波で操縦する!」


挿絵(By みてみん)「そうか、例のロシア語だな! 頼むぞイエロー!」


挿絵(By みてみん)「任せて!」


 思考波による直接コントロールに切り替わると、ファトルキング・オメガの攻撃スピードが上がった。

 再び、敵を追い詰めてゆくデブレンジャー。


挿絵(By みてみん)「やった、今度はこちらが優勢です!」


挿絵(By みてみん)「よし、とどめだイエロー!」


挿絵(By みてみん)「待て!」


挿絵(By みてみん)「なんだよ、敵が弱ってる今がチャンスだろうが!」


挿絵(By みてみん)「敵にとどめを差せば、大爆発が起きる可能性がある」


挿絵(By みてみん)「そんなの、やってみなくちゃわからねぇだろ!」


挿絵(By みてみん)「……これまでのデータから鑑みるに、大爆発の可能性はほぼ百パーセントです」


挿絵(By みてみん)「このチャンスは逃せねぇ! やるんだ、イエロー!」


挿絵(By みてみん)「ダメだ! いつもの採石場まで敵を連れて行く」


挿絵(By みてみん)「だが、いま()らねぇと――」


挿絵(By みてみん)「ブルー、レッドの言うとおりだよ。ここで敵が爆発すれば、大勢の人が犠牲になる」


挿絵(By みてみん)「クソ……どうなっても知らねぇからな!」


挿絵(By みてみん)「イエロー、敵のロボを採石場まで引っ張っていくんだ」


挿絵(By みてみん)「Так точно! 」


 ◇


 戦いの舞台がいつもの採石場に移ると、形勢は再び逆転した。


 敵をムリヤリ移動させたことで、デブレンジャーの操る〈ファトルキング・カカオ〉の燃料――すなわち、大量に買い付けてあったチョコレートが尽きかけているのだ!


挿絵(By みてみん)「だから言ったじゃねぇか、あのとき倒しておけばよかったって!」


挿絵(By みてみん)「敵が大爆発していれば、大勢の人の命が失われていたんだぞ!」


挿絵(By みてみん)「このまま俺たちが負けたら、新宿どころか地球が乗っ取られちまうんだよ!」


挿絵(By みてみん)「だったら、勝てばいい」


挿絵(By みてみん)「どうやって? ロボの燃料だって残り少ないんだ! おまけに俺たちの体脂肪だって、もうすぐ燃え尽きちまう!」


挿絵(By みてみん)「カリー・イエローの残してくれたカレーがあったはずだ」


挿絵(By みてみん)「供養だと言って、この前みんなで食べちゃいましたけど?」


挿絵(By みてみん)「いちごカレー、わりと美味しかったよね」


挿絵(By みてみん)「へぇ……そんなに美味しいなら、私も食べてみたかったな」


挿絵(By みてみん)「イエローは、食に興味がないんじゃなかったの?」


挿絵(By みてみん)「そのはずなんだけど……脳の配線が変わったせいかも」


挿絵(By みてみん)「よかったじゃないですか。エネルギー補給だって、楽しくできたほうがいいに決まってます」


挿絵(By みてみん)「フッ……この非常事態に、ノンキなもんだぜ」


挿絵(By みてみん)「いつだって心に余裕がある――それが我々のいいところだな」


挿絵(By みてみん)「かもな……だが、ロボもスーツもエネルギー切れだ」


 シュゥゥゥン……


 操縦席の明かりが非常灯に切り替わる。


挿絵(By みてみん)「こうなったら、最後の手段を使うしかあるまい」


挿絵(By みてみん)「……仕方ねぇな」


挿絵(By みてみん)「できれば、もうちょっと長生きしたかったですねぇ」


挿絵(By みてみん)「しょーがないよ、最後なんだからハデにいこう!」


挿絵(By みてみん)「みんなが何を言っているのか、私にもわかると思う」


 そう言って、イエローは胸のエンブレムにそっと手を当てた。


挿絵(By みてみん)「……なんだか、サフランの香りがしない?」


挿絵(By みてみん)「そういえば……」


挿絵(By みてみん)「するな」


挿絵(By みてみん)「しますね」


挿絵(By みてみん)「ホントだ……」


挿絵(By みてみん)「あいつは今も、オレたちと一緒に戦ってくれてるのかもしれないな」


挿絵(By みてみん)「ああ……最後まで律儀な野郎だぜ」


挿絵(By みてみん)「みんな、覚悟を決めろ!」


 一同「おう!」


 全員がいっせいに、胸のエンブレムに手を伸ばす。


 地方の採石場が、まばゆい光に包まれた――



 ◇



【ナレーター】

 デブレンジャーの活躍によって、ベトリアン女王の野望は打ち砕かれた。

 だが、地球を狙う悪の芽は潰えていなかった――



「うわははは! 地球人よ、我ら〈銀河飢餓連盟カロリクター〉の前に跪くのだ!」


「待て!」


「なんだと……貴様ら何者だ」


挿絵(By みてみん)「レッド・ミート!」

 ビシィッ!


挿絵(By みてみん)「ブルー・フィッシュ!」

 シュバッ!


挿絵(By みてみん)「イエロー・レモン!」

 キュピーン!


挿絵(By みてみん)「グリーン・ベジタボー!」

 ザシュッ!


挿絵(By みてみん)「ピンク・スイーツ!」

 きら~ん!


挿絵(By みてみん)「五人揃って――」


 一同「デブレンジャー!!」



 〈つづく〉

【次回予告】


 やぁ、みんな。

 レッド・ミートだ


 意外に長続きしてしまったこの物語も、ひとまずの区切りとなった。


 思えば、いろいろなことがあった——


 はじめの頃はメンバー同士の関係がギクシャクしがちで、リーダーのオレがいなかったら、チームは空中分解してしまっていただろう。


 スポンサーを怒らせてしまったことも、今となってはいい思い出だ。

 ブルーが全面的に悪かったわけだが、とらやの羊羹を持って謝罪行脚をしたのはリーダーであるオレだった。


 イエローについては残念な気持ちで一杯だ。これは、他のメンバーも同じだと思う。

 ブラックは未だ謎だらけの存在だ。どうやらオレと無関係ではないらしいが、車の趣味は良いセンスをしている。


 タイアップで箱根温泉にも行ったな。

 あの時に使った〈押しくらアタック〉は、危険過ぎるので封印してしまった。


 敵の正体が判明してからは、怒濤の展開だった。

 新イエローの加入と裏切り、そして火星での戦い——


 火星はいま、平和を取り戻している。

 中華料理屋のオヤジも健在で、たまに戦いの後なんかに皆で飯を食べに行ったりしている。

 どうしても代金を受け取ってくれないのが心苦しい。


 あぁ……つい、長々と話してしまった。


 次回はついに最終回。

 楽しみに待っていてくれ!


 チェィンジ・ファトル――オォン!!

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