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まんぷく戦隊 デブレンジャー  作者: ものうちしのぎ


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第二十三話 苦悩、裏切りのイエロー!

【登場人物とアイコンの対応】

 挿絵(By みてみん) レッド・ミート

 挿絵(By みてみん) ブルー・フィッシュ

 挿絵(By みてみん) イエロー・レモン

 挿絵(By みてみん) グリーン・ベジタボー

 挿絵(By みてみん) ピンク・スイーツ

 挿絵(By みてみん) 嵐山長官

 挿絵(By みてみん) ブラック・ノワール

 火星のマリネリス峡谷にある、〈ベトリアン派〉の本拠地――


 岩肌が剥き出しになった地下の広大な広間の中央で、レッド、ブルー、ピンク、グリーンの四人のデブレンジャーが(はりつけ)にされていた。


 周囲を取り巻く、〈ベトリアン派〉の面々。


「――ついに捕らえたぞ、デブレンジャー!」


 最前列の中央に陣取ったベトリアン女王は、喜びを隠せない様子。


「これで、私の地球侵略は成功したも同然」


「おめでとうございます、陛下」

「それにしても、陛下の作戦はお見事でしたな」

「左様……まさか新造戦艦そのものが、我らの仕掛けた罠だとは……ククク」

「その罠に、まんまと嵌まり込む地球人の愚かさよ」


「愚か者は貴様らだ!」

 ベトリアン女王が、調子の良いことを言い立てる部下を一喝する。


「貴様らが無能だから、私が自ら作戦を指揮したのではないか!」


「ははっ……まことにもって申し訳なく……」

 居並ぶ部下たちは、平身低頭。


「……まぁよい。この勝利を父上に報告した後、デブレンジャーの処刑を行うとしよう。ファスティング大佐、父上はまだ参られぬのか」


「はっ……ただいまこちらに向かっているとのこと。陛下には、今しばらくのご辛抱を」


「そうか。父上もさぞお喜びになられることだろう。なにしろ、目の上のこぶであったデブレンジャーを捕らえることができたのだからな」


「まことに、おめでとうございます――」



挿絵(By みてみん)「……みんな、無事か?」


挿絵(By みてみん)「どうにかな」


挿絵(By みてみん)「この会話、あいつらに聞こえてないよね?」


挿絵(By みてみん)「スーツコムの近距離通信なので、傍受はされていないはずです」


挿絵(By みてみん)「奴らの話によると、どうやらイエローの裏切りは確からしいな」


挿絵(By みてみん)「サイテー!」


挿絵(By みてみん)「だけど、どうやって入隊試験をパスしたんでしょうか」


挿絵(By みてみん)「……なにか理由(わけ)があるはずだ」


挿絵(By みてみん)「だとしても、オレたちを欺していいことにはならないぞ」


挿絵(By みてみん)「……クソッ! 何だってあいつ、裏切りなんて……せっかく仲間になれたっていうのによ」


挿絵(By みてみん)「ブルー、状況から考えると、彼女ははじめからスパイとして送り込まれてきたんですよ……電子頭脳の〈オムニ・ファトラス〉と一緒に」


挿絵(By みてみん)「うるせぇな! んなことたァわかってるよ! わかってるけどもよぉ……」


挿絵(By みてみん)「イエローの裏切りよりも、ここから逃げ出すことを考えるべきだな」


挿絵(By みてみん)「ああ……だが、この状況をひっくり返すのは難しいぜ」


挿絵(By みてみん)「たとえ逃げられたって、地球へ帰る方法がないし……」


挿絵(By みてみん)「もし逃げられたとしたら、レジスタンスにかくまってもらえるのでは?」


挿絵(By みてみん)「いずれにせよ、脱出が先だ。みんな、ファトルスーツのエネルギーは残っているな?」


挿絵(By みてみん)「スリープモードなので、残量は充分です」


挿絵(By みてみん)「中華屋でしこたま食ったのが、役に立ったな」


挿絵(By みてみん)「グリーン、この戒めを破るには、どのくらいのエネルギーを消費する?」


挿絵(By みてみん)「概算ですが……瞬間的に八割から九割のエネルギーを費やせば、なんとか脱出できると思います」


挿絵(By みてみん)「ほとんど全部じゃん!」


挿絵(By みてみん)「となると、残りのエネルギーでこの場に集まった敵――千人は下らないな――を突破するのは、ちょっと厳しいか」


挿絵(By みてみん)「だからといって、このままじっとしてたら殺されちまうぜ」


挿絵(By みてみん)「女王のお父さんてゆーのがここへ到着するのが、タイムリミットだね」


挿絵(By みてみん)「どうしますか、リーダー」


挿絵(By みてみん)「…………よし、ベトリアン女王を人質に取ろう」


挿絵(By みてみん)「いい作戦だと思うが、マジでやるのか?」


挿絵(By みてみん)「そんな卑怯な作戦、スポンサーさんが許さないよ!」


挿絵(By みてみん)「僕もピンクに同意見です……このところ、気が合いますね」


挿絵(By みてみん)「はぁ?」


挿絵(By みてみん)「な、なぁんてね……ちょっとそう思っただけです」


挿絵(By みてみん)「オレだって、そんなヒーローらしからぬ行動はしたくはない……したくはないが、やるしかない!」


挿絵(By みてみん)「ま、仕方ねぇやな」


挿絵(By みてみん)「スポンサーさんには、とらやの羊羹を持って謝りに行かなくちゃだね」


挿絵(By みてみん)「では僕が女王をおびき寄せますから、みんなはタイミングを見計らって、彼女を人質に取ってください」


挿絵(By みてみん)「頼むぞ、グリーン!」


挿絵(By みてみん)「任せてください」


 突然、グリーンが奇声を発しながら身体をバタバタと動かし始めた。


挿絵(By みてみん)「いやだぁ! 死ぬのはいやだぁ! 助けてください! 命ばかりはどうか! お願いします! 女王様! どうかお慈悲を……僕だけでも助けてください!」


「ええい、往生際が悪いぞ!」


 ファスティング大佐が近づいてきて、


 ビシッ!


 手にした(むち)を容赦なくグリーンに振るう。


 ビシッ、ビシッ!


挿絵(By みてみん)「うっ……うぅ……じょ、女王様……どうか……どうかお慈悲を」


 ビシッ!


挿絵(By みてみん)「女王様! おねがいです……女王様!」


「ふふふ……情けない声だな。これが、我々を苦しめたデブレンジャーの姿かと思うと、良い気分だ」


挿絵(By みてみん)「ど、どうか……助けて……女王様……た、助け――」


 ビシッ! ビシ、ビシッ!


 力尽きたように、がっくりとうなだれるグリーン。


 ベトリアン女王が、冷酷な笑みを浮かべながらグリーンの近くまでやってくる。


「どうした、もっと泣きわめけ! 命乞いを聞かせてみろ!」


挿絵(By みてみん)「今だ!」


 ファトルスーツが、瞬時に体脂肪をエネルギーに変換!

 戒めが破れ、自由になったデブレンジャーたちがベトリアン女王に襲いかかる!


 だが――


挿絵(By みてみん)「なにっ!」


 つかみかかったレッドの手が、ベトリアン女王の身体をすり抜ける。


挿絵(By みてみん)「立体映像!」


挿絵(By みてみん)「なんだと……それじゃぁ――」


挿絵(By みてみん)「作戦がバレてたってこと!?」


「そのとおり――」


 ゆっくりと歩み寄ってくる、黄色いファトルスーツ姿の人影。


挿絵(By みてみん)「……イエロー」



【ナレーター】

 ヒーローにあるまじき卑怯な手を使ってまで、敵の手から脱出しようとしたデブレンジャー。

 しかし、またもや彼らの前に立ちはだかった、かつての仲間。


 ファトルスーツのエネルギーは、残り少ない。


 絶体絶命の大ピンチに、デブレンジャーはどう立ち向かうのか!!


 次回、『急げ、老骨に鞭打って!』


 お楽しみに!



 〈つづく〉

【次回予告】


 やっほ~、ピンクだよ♥


 どうもさいきん、グリーンの態度が気になるんだよね。

 距離感が近いってゆうかさ。


 アタシのこと気になってしょーがないみたい。

 そうゆうの、なんとなく雰囲気でわかっちゃうよね?


 前はそんなことなかったのに、アタシ何か勘違いさせるようなことしたっけ?

 グリーンだって、アタシとレッドが付き合ってるの知ってるくせに。


 まぁ、好きになっちゃったらしょーがないんだけどさ。

 恋ってそーゆーもんだし。

 だけど、アタシって年上しか好きにならないから、グリーンは恋愛対象外なんだよね。


 カラまれるとめんどいから、だれかほかの人でも好きになってくれるといいんだけど……考えてみたら、ウチの組織って男ばっかじゃん。


 イエローが入って、女子メンが増えるって喜んでたのに、敵になっちゃうんだもんなぁ……。


 あ、時間だ!

 とらやの羊羹、買いに行かなくちゃ!


 ちぇ~んじ、ふぁとる~ぅ……お~ん!

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