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第二話 卑劣、ファットミミックの罠!

【登場人物とアイコンの対応】

 挿絵(By みてみん) レッド・ミート

 挿絵(By みてみん) ブルー・フィッシュ

 挿絵(By みてみん) カリー・イエロー

 挿絵(By みてみん) グリーン・ベジタボー

 挿絵(By みてみん) ピンク・スイーツ

 休日の歩行者天国――


「いらっしゃいマセ~、いらっしゃいマセ~、おいしいスイーツはいかがでスイ~ツかぁ!」

 キッチンカーから聞こえてくる、陽気な声。


「ねぇレッド、スイーツだって! 行ってみようよ!」

 甘い物に目がない(いちご)が、秒で反応する。



【ナレーター】

 説明しよう!

 ピンク・スイーツの本名は、甘衣(あまい) (いちご)なのだ!



挿絵(By みてみん)「ちょっと待て……何か変だ!」


 スイーツを食べた客たちが、どんどんやせ細ってゆく!


挿絵(By みてみん)「さては貴様……ファットミミックだな!」



【ナレーター】

 説明しよう!

 デブレンジャーは、敵の名前を言い当てるのが得意なのだ!



「あ~ま、あまあま(笑い声)……よくぞ見破った、デブレンジャー!」


 謎の効果音。

 正体を現す、ファットミミック。


挿絵(By みてみん)「ピンク、変身だ!」


挿絵(By みてみん)「……苺って呼んでくれなきゃヤダ」


挿絵(By みてみん)「そんなこと言ってる場合か!」


挿絵(By みてみん)「だってぇ……レッド、いっかいもアタシのこと名前で呼んでくれないんだもん」


挿絵(By みてみん)「そうだっけ? だけど、ピンクだってオレのことを名前で呼ばないじゃないか」


挿絵(By みてみん)「レッドの名前、知らないし!」


挿絵(By みてみん)「えっ……あれ? 言わなかったっけ?」


挿絵(By みてみん)「いっこも」


挿絵(By みてみん)「そうかぁ……言ってなかったか……まぁ、名前なんかどうだっていいじゃないか! オレはオレ、ピンクはピンク、それでいいだろ?」


挿絵(By みてみん)「よくない!」


挿絵(By みてみん)「あ~……今はほら、地球のピンチだからさ、名前の件はまた今度ってことで――」


挿絵(By みてみん)「ごまかす気!?」


挿絵(By みてみん)「そ、そうじゃないって……つまりさ、なんていうか――」


「いいかげんにしろ! 痴話喧嘩は戦闘が終わってからやれ!」

 しびれを切らしたファットミミック。


挿絵(By みてみん)「ほら、敵もああ言ってることだしさ、今は戦いに集中しよう、な?」


挿絵(By みてみん)「……もうっ! 終わったら、ぜったい名前おしえてもらうからね!」

 手近なビルに向かって駆け出す苺。


挿絵(By みてみん)「おい、貴様! 善良な人々の貴重な体脂肪を奪うとは――ゆるさんッ!」

 ビシィッ!


「ようやく戦う気になったか、デブレンジャー! 女を逃がし、ひとりで戦うつもりとは……敵ながらアッパレな奴――ではゆくぞ!」


「待て待て待て待て! ちょっと待て!」

 ビシィッ!


「なんだよ……戦うんじゃないのか? もっとも、そっちがその気でなくとも、こっちは戦う気満々だからな――ゆくぞ!」


「だから待てと言ってるだろ、このデブ!」


「なにっ!? デブのくせに、他人をデブ呼ばわりとは……なんと卑劣な!」


「いいから、変身するまで待てって言ってるんだよ!」


「変身……あぁ、変身か。それなら早く言ってくれよ。俺さまだって鬼じゃないんだからさ。まぁ、変身したところで俺さまが勝つのに変わりはないが……あ~ま、あまあま(笑い声)」


「よぉし……チェィンジ・ファトル――オォン!!」

 街中で出すには、ちょっと恥ずかしいような大声で叫ぶレッド・ミート。

 同時にかっこいいポーズをキメる。


「うわぁ……見ている俺さまの方が恥ずかしくなる……鳥肌立っちゃったよ」


 ――三分後


「……おい、まだか!」

 しびれを切らすファットミミック。


「もうちょっと……あと少しだから……」



【ナレーター】

 説明しよう!

 デブレンジャーは、わずか三分(※平均値です)で変身を完了するのだ!



「なぁ……いくら何でも遅くないか? ふつうさ、こういうのって0.05秒とか1ミリ秒とかで終わるだろ?」



【ナレーター】

 タイトなスーツに脂肪をねじ込むから、仕方が無いのだ!



 レッド・ミートの変身完了!

 ちなみに、ピンクはまだ変身を終えていない。


挿絵(By みてみん)「待たせたな、ファットミミック!」

 ビシィッ!


「ホントだよ……勘弁してくれよ、こちとら時給で働いてんだよ」


挿絵(By みてみん)「だったら、いいじゃないか。戦いが長引くほど、給料が増える」


「え……あぁ、ホントだ。おまえ、頭いいな」


挿絵(By みてみん)「肉を食うと頭が良くなるんだ」


「へぇ、知らなかったなぁ。俺さまはスイーツ専門だからな」


挿絵(By みてみん)「ほぅ……ところで、貴様の店のスイーツはどれも旨そうだな? いやなに、ピンクがスイーツ好きだから、あちこち付き合わされるのよ。スイーツバイキングとかさ。はじめはイヤだったんだけど、食べ続けるうちに、だんだんスイーツの味がわかるようになってきてなぁ……舌が肥えてきたっていうの?」


「よかったじゃないか! スイーツ好きに悪い奴はいない。そもそもウチの商品は――」

 気分良く話し出すファットミミック。


 空に雲がわき起こり、巨大戦艦が登場!


挿絵(By みてみん)「チェ~ンジ・ファトルキングぅ~、オメガっ!」


 巨大戦艦がロボに変身。

 うなりを上げて振り下ろされる、巨大なロボの手。


挿絵(By みてみん)「オメガぁ~、ぱ~んち!」


 ファットミミックは、クレープのごとくペラペラに押しつぶされた。


 ロボのこぶしのすぐそばで、腰を抜かすミート・レッド。


挿絵(By みてみん)「っぶねぇ……おい、ピンク! ギリギリだったぞ!」


挿絵(By みてみん)「てへっ♥」



【ナレーター】

 デブレンジャーの活躍によって、今日も地球は救われた!

 だが、宇宙人の侵略は止まらない!


 たたかえ、デブレンジャー!

 負けるな、デブレンジャー!


 世界の平和は、デブが守る!



 〈つづく〉

【次回予告】


 よぉ、サブリーダーのブルー・フィッシュだ。

 今日はまったく活躍ができなくて、腐ってるぜ。

 サバの生き腐れのようにな。


 それは、ここにいるグリーンとイエローも同じ思い――あれ? おい、二人共どこへ……あっ、そんな所に!

 おぉい、二人ともぉ……そんなに遠くにいたら、予告にすら出れないぞぉ……おぉい!


 チッ、やはり俺は一匹狼――いや、一匹鮫が似合う男さ。


 では次回……あ~、とにかく強い敵が現れて、俺たちが戦って勝つ、そういう展開になると思う。


 じゃぁ次回もまた、観てくれよな!


 チェンジ、ファトルゥ――オンッ!!


 あばよ!

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