表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
まんぷく戦隊 デブレンジャー  作者: ものうちしのぎ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/30

第十九話 暗躍、敵の工作員!

【登場人物とアイコンの対応】

 挿絵(By みてみん) レッド・ミート

 挿絵(By みてみん) ブルー・フィッシュ

 挿絵(By みてみん) イエロー・レモン

 挿絵(By みてみん) グリーン・ベジタボー

 挿絵(By みてみん) ピンク・スイーツ

 挿絵(By みてみん) 嵐山長官

 挿絵(By みてみん) ブラック・ノワール

 デブレンジャーの秘密基地から電車で小一時間。

 船橋駅にほど近いレンタルスペース――


 オープンキッチン付きのリビングルームでは、デブレンジャーによるイエロー・レモンの歓迎会が行われていた。


 テーブルの上には、大皿に盛られた料理がずらりと並んでいる。

 あっという間に平らげられてしまうため、キッチンでは出張シェフが大汗をかきながら料理を作り続けていた。


挿絵(By みてみん)「このスペアリブ、骨ごといけるな……シェフ、あと百本ほど追加してもらえますか?」


挿絵(By みてみん)「こっちも、サンマの塩焼きを追加だ」


挿絵(By みてみん)「ケーキあと百個おねがいしま~す♥」


「カラアゲ、おまちどサマでぇス」

 大皿に盛られた揚げ物が、シェフの手でテーブルに置かれる。


挿絵(By みてみん)「あ、レモンかけちゃう?」


 皿に添えてあった、くし切りのレモンに手を伸ばすイエロー。


挿絵(By みてみん)「待て!!」


 ブルーが、イエローの手をガシッと押さえる。


挿絵(By みてみん)「え、なに?」


 戸惑い顔のイエロー。


挿絵(By みてみん)「……いくら主賓とは言え、こと食に関して勝手な行動は許さんぞ!」


挿絵(By みてみん)「えぇ……そんなに怒られるようなこと?」


挿絵(By みてみん)「ブルー、いつまでイエローの手を掴んでいるんですか。セクハラで訴えられますよ?」


挿絵(By みてみん)「おっと、すまなかった……つい、熱くなっちまって」


 ブルーが、気まずそうにイエローから手を離す。


挿絵(By みてみん)「いいよ別に。みんなは揚げ物にレモンかけないんだ?」


挿絵(By みてみん)「かけるよ、盛大に」


挿絵(By みてみん)「同じく」


挿絵(By みてみん)「アタシは食べないから、どっちでも」


挿絵(By みてみん)「僕はベジタリアンなので、レモンだけいただきます」


挿絵(By みてみん)「……あなたたちのことが、良くわからなくなってきた」


挿絵(By みてみん)「皆それぞれ、食事にはこだわりがあるんだ。デブレンジャーにスカウトされるくらいなんだから、君も同じだろう?」


挿絵(By みてみん)「こだわりかぁ……そういうのは別にないかな」


挿絵(By みてみん)「だが、食べることは好きなんだろう?」


挿絵(By みてみん)「ん~っ、食事はエネルギーの補給っていうほうがしっくりくるかな……あ、でもこうやってみんなで食卓を囲むのは楽しいし、好きだよ」


挿絵(By みてみん)「食べるのが好きじゃないなんて、変わってるなぁ……胃腸は丈夫なんだよね?」


挿絵(By みてみん)「少々傷んでようが何を食べても大丈夫だし、素早く消化して体脂肪として貯蔵できるよ」


挿絵(By みてみん)「……もしかして、仕事として食べてる?」


挿絵(By みてみん)「そう、仕事ね。その言い方、私にぴったり!」


挿絵(By みてみん)「やっぱり、変わってる……」


「サラダ、おまちどサマでぇス」


 シェフが巨大なサラダボウルを運んできた。

 レタスとトマトのサラダが、たっぷりと入っている。


挿絵(By みてみん)「グリーン、お前の餌が来たぞ」


挿絵(By みてみん)「失礼なこと言わないでください。あぁ、これはおいしそうだ――」


 グリーンがレタスを口に運んだ瞬間、


挿絵(By みてみん)「うぷっ……こ、これは!」


 手にしたフォークを、テーブルに放り投げる。


挿絵(By みてみん)「どうしたんだ、グリーン。食べないのか?」


挿絵(By みてみん)「シェフ、ちょっと来てください!」


「ナニカ?」


挿絵(By みてみん)「これは野菜ではありませんね?」


「おめがタカイ! これは、ギャクショージンです」


挿絵(By みてみん)「ショージン……精進……〈逆精進料理〉か!」


「ハイ、やさいにみえマスが、スベテにくでできてまス」


挿絵(By みてみん)「へぇ、面白いな……どれ――おっ、うまいぞこれ」


挿絵(By みてみん)「うぅ……気分が悪くなってきた」


挿絵(By みてみん)「食べないならオレがもらうぞ、グリーン」


挿絵(By みてみん)「どうぞ……僕はちょっと外の空気を吸ってきます」


 フラフラと部屋から出てゆくグリーン。

 後ろ姿を見送るシェフの口元に、薄い笑みが浮かんでいた。



 それからしばらくして、会もお開きに近づいた頃――


 ビビッ、ビビッ……


 各人のファット・ウォッチに、ブラックの姿が映し出された。


挿絵(By みてみん)「諸君、巨大化した敵が現れた。至急、現場へ向かってくれ」


 一同「了解(ラジャー)!」


 ◇


 地方の採石場では、ロボ形態のファトルキング・オメガと、巨大化した敵の侵略宇宙人――〈フォックス・ファイヤ〉とが、死闘を繰り広げていた。


挿絵(By みてみん)「へぇ……中はこうなってるんだ……」


 物珍しげに、キョロキョロと操縦室を見回すイエロー。


挿絵(By みてみん)「――思ったよりも、レバーやボタンが少ないんだね」


挿絵(By みてみん)「基本的には、音声操作だからな」


挿絵(By みてみん)「ふぅん……」



【ナレーター】

 説明しよう!

 ファトルキング・オメガは、もともと旧ソ連が開発した月面開発用のロボなのだ!


 ロボの操作は思考波で行い、その言語はロシア語のみ。


 改造されたロボ――すなわちファトルキング・オメガは、日本語による音声コントロールを操作の軸とし、補助的にレバーやボタン類が搭載されている。


 音声による操作指令は、F.A.T-LINKを介して軌道上の電子頭脳に送られた後、ロシア語の思考波としてロボ側にフィードバックされている。


 ……少々長かったようだ。


 要するに、ロボを動かすためには、日本語で命令するか、あるいはロシア語で考える必要があるのだ!



挿絵(By みてみん)「実演してやろう――〈おしぼりランチャー〉発射!」



【ナレーター】

 説明しよう!

 〈おしぼりランチャー〉とは、ファトルキング・オメガの指先から発射される超高温のおしぼりで、敵を火傷させることによって戦意の喪失を狙う武器なのだ!



挿絵(By みてみん)「おしぼりの温度は95度もあって、普通の飲食店ならクレームものの温度なんだ。しかも、ラベンダーの香りまでついてるときた!」


挿絵(By みてみん)「……すごいけど、発射されてないみたい」


挿絵(By みてみん)「マジかよ……もう一度ためしてみるか――〈おしぼりランチャー〉発射! 発射! 発射だって言ってんだろ、このポンコツが!」


挿絵(By みてみん)「どうもメカの調子が悪いようだな」


 操作卓(コンソール)の画面はノイズ混じりだし、コントロール・レバーも三回に一回しか操作を受け付けない。


挿絵(By みてみん)「どうなってやがる……おい、グリーン!」


挿絵(By みてみん)「いま調べてます……あっ!」


挿絵(By みてみん)「どうしたの?」


挿絵(By みてみん)「F.A.T-LINKの接続が、極端に弱くなっています」


挿絵(By みてみん)「それでロボの動きが……グリーン、なんとか直せないか?」


挿絵(By みてみん)「やっていますが、どうやらプロトコルの暗号が解かれつつあるみたいで……マズイ……このままでは、ファトルキング・オメガは操作不能になってしまいます!」


挿絵(By みてみん)「なんとかしろ、グリーン!」


挿絵(By みてみん)「手動で回避しようと頑張っています……今思うと、パーティーに来ていたシェフが敵の工作員だったんだじゃないでしょうか……くそっ……ダメだ、追いつかれる!」


 ばちん!


 操縦室の照明が消え、一呼吸おいて非常灯に切り替わった。


挿絵(By みてみん)「ダメだ、全く動かなくなってしまった」


挿絵(By みてみん)「どうする、外へ出て戦うか?」


挿絵(By みてみん)「あんなでっかい敵、ロボじゃないと勝てないよ!」


挿絵(By みてみん)「暗号が完全に破られました……軌道上とのやりとりが出来ません!」


 動くことができないファトルキング・オメガ。

 そこへ、容赦なく降り注ぐ〈フォックス・ファイヤ〉の攻撃、攻撃、攻撃!


 ファトルキング・オメガの装甲が、あちこちはじけ飛ぶ。

 剥き出しになったメカから火花が飛び、流れ出る潤滑脂は、まるで血を流しているかのよう――。


挿絵(By みてみん)「くそっ……なんとかしないと――」


挿絵(By みてみん)「ここに、昔の――つまり思考波用のインターフェースはある?」


 一同の目が、イエローに集まる。


挿絵(By みてみん)「あ、あります……たしか、この段ボールに――あった!」


 グリーンの手には、埃を被った古めかしいヘッドセット。

 スイッチを入れると、〈ВКЛ〉と書かれた下の豆球に、オレンジ色の光がぼうっと点った。


挿絵(By みてみん)「よかった、まだ生きてる」


 グリーンが、ヘッドセットをイエローに手渡す。


挿絵(By みてみん)「どうしようってんだ、イエロー」


挿絵(By みてみん)「まかせて!」


 ヘッドセットを被るイエロー。


挿絵(By みてみん)「ударить кулаком!」


 ――何も起きない。


挿絵(By みてみん)「あっ、そうか……頭で考えないと――」


 イエローが目を閉じた数秒後、ファトルキング・オメガが動いた!


挿絵(By みてみん)「おい、動いてるぞ!」


挿絵(By みてみん)「いいぞ! 〈おしぼりランチャー〉で、敵がアワ食ってやがる! だが、なぜ――」


挿絵(By みてみん)「そうか、イエローはロシア語で考えているんだ!」


 ブルーが、ひゅぅっと口笛を吹く。


挿絵(By みてみん)「やっちゃえ、イエロー!」


挿絵(By みてみん)「一気に決めちゃおう、どんな武器を使う?」


挿絵(By みてみん)「イエロー、〈バターソード・黄金斬(こがねぎ)り〉だ!」


挿絵(By みてみん)「Так точно! 」


 ファトルキング・オメガの手に現れた光輝く巨大な剣が振り下ろされると、〈フォックス・ファイヤ〉は大爆発とともに消え去った。



【ナレーター】

 思わぬ弱点が判明した、ファトルキング・オメガ。

 しかし、イエローの機転によってなんとかピンチは免れた。


 たたかえ、デブレンジャー!

 負けるな、デブレンジャー!


 パーティールームは、意外と安く借りられるぞ!



 〈つづく〉

【次回予告】


 よぉ、実質的にはリーダーのブルー・フィッシュだ。


 いやぁ、今回はヤバかった。

 なにしろロボが動かなくなっちまったんだからな!


 それてぇのも、グリーンの草野郎がヘマしたせいだ。

 まったく、これだから魚を食わねぇ奴はダメなんだ。


 根本的に頭が悪いんだな。

 DHAが足りてねぇんだよ。


 だいたい、ハナから俺はあの料理人があやしいと踏んでたんだ。

 ……ま、ヤツが敵の工作員だと見抜けなかったのは俺も同じなんだがな。


 それに比べて新入りの凄さよ、なぁ!

 だってそうじゃねぇか。


 俺たちみんながあたふたしてる中、ひとり冷静に動いてよ!

 なかなか真似できることじゃねぇよ、あれは。


 俺はもう、いっぺんに好きになっちまったぜ!

 ……いやその、好きになったてのはそういう意味じゃなくてさ……仲間としてだよ、仲間として。


 おっと、時間だ。

 次回の予告は、と――


 えぇと……グリーンをせっついて、ロボの弱点をなんとかする。

 そんな感じだ、たぶん。


 じゃぁ来週もまた、観てくれよな!


 チェンジ、ファトルゥ――オンッ!!


 あばよ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ