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05,  作者: しざーず
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03, 俺は女です

「12時きっかり、5人全員集合したな」

万が言うと、皆は頷いた。

「じゃ、朽の心を開かせましょうねー」

純の誘導で、以前使った事のある会議室へ移動。

「じゃあ朽先輩に質問タイム!」

そう湊が言うので、皆で朽を囲んだ。



「誕生日は?」

純が訊ねると、面倒そうに朽は答える。

「2月14日」

「バレンタインデー!?」

湊が驚きのあまり大きな声をだすものだから、朽にキッと睨まれた。

バレンタインデーが誕生日の人なんてこの世界にいくらでも居るが、この目つきと愛想のなさでバレンタインデーなんて可愛すぎる。


「何型ですか?」

「AB型。ぴったりって言われるけど」

まあまあ理解は出来る答えが返ってきたので、まつりはちょっと笑ってしまった。

「好きな食べ物とか」

「甘いものが好き。だけど、お菓子は好きじゃない」

(なんか可愛いぞ!)


案外、怖い人じゃないのかも。

そう皆が思い出した頃、初めて朽から口を開いた。

「皆のことも知りたい」

『!!』

初めて、朽が他人に興味をもった瞬間だった。

「特に――まつり、君のことが知りたい」

「へ!?俺!?」

素っ頓狂な声でまつりは確認する。

いきなりすぎて心の準備が出来てないというか、男にしかわからない質問されたらどうしよう…。

そんな事を頭の中で巡らせていると、何故だかまつりに質問しよう、という事になった。


「誕生日は?」

「7月の、18日です」

「何型なの?」

「O型だったりします…」

「好きな食べ物は?」

「ミルフィーユとシュークリームは外せませんね」

「えっと…好きなタイプは?」

「面白くて優しくて明るい人!」

にっこりと笑って、全て答え終える。

皆、共通して思うことがあった。

昨日の笑顔や今のタイプなどから、まつりは"女の子みたい"。


「なあまつり、今後のために聞いておくが…」

万が意を決し、遂に訊いてみることにする。

「―――― お前、本当に男なのか?」

まつりは唐突な質問に、頭が真っ白になった。



そして、心の準備が出来たのか、まつりは口を開く。

「隠さず言います、私、初宮まつりは女です」

「やっぱりか…」

ふう、と息を吐く。

「金縞に間違えて入っちゃって。1-Aの皆がかばってくれて…、それで女装癖がある生徒ということにして、制服をもらったんです」

「そうだったんだあ…」

純は寂しそうな仔犬の目をして、まつりを見る。

「やっぱ、駄目ですよね、こんなの。今から先生に言って―――」

会議室を出ようとした時、手を湊に掴まれた。

「え…」

「お前が女だろうが男だろうが、初宮まつりは05,に選ばれたんだよ」

(あ……)

「そうだな。銀縞から何も連絡がないってことは、もう向こうがお前を男だと認めたんだろうし」

苦笑いで、万が納得。

「それに僕、まだまつりと遊びたいな」

純は笑顔でそういった。

「まだ未知的な部分も多いし」

朽は笑っていなかったけど、すごく優しい声音だった。

「じゃ、俺たちでまつりを守るかっ!」

「ありがとう…!」

まつりとしても、まだ05,でいたいし、この4人と過ごしたい。

それがイケメンだからとか、そういう浅はかな理由じゃなくて、先刻気づいたんだけど。

「改めてよろしくお願いします」

ここが、自分にとって居心地のいい場所になりそうで。

一礼をして、少し涙が零れそうになったことは内緒。




数日して、05,お決まりの場となった会議室にて。

「そういえばさあ、もうすぐ親睦旅行だよねぇ、一年」

純がパックジュースを飲みながら、湊とまつりに話しかける。

「そうなんすよ、俺はともかくとして、まつりが可哀想で…」

げんなりとした表情を見せつつ、湊が語る。

「親睦旅行といっても沖縄に3泊4日くらいですし、大丈夫ですよ」

「俺特待生ちゃんだから、久々の沖縄なんだよね」

湊は昨年末、実家が倒産して今年から05,に3年間選ばれる代わりに、無料で学校に通っているらしい。

(あ、だから05,に選ばれてるって分かってたのかあ)

疑問を解決できて、少し嬉しい。


「でもさ、その間僕ら暇だよね」

純がつまらなさそうに呟く。

「――2年とか全く予定ない」

いや、授業はどうしたお兄さん。

「よし、じゃあこうしよう。05,も一年の皆と親睦を深めるため、その旅行に着いて行く」

遂に、こんな意見まで飛び出した。

「先輩助かります!」

ノリノリな4人を、まつりが止められる筈もなく。

「早速理事長に報告だ、純頼んだ」

「あいあいさー!」


「05,も親睦旅行に参上…」

「朽も行く気満々だし、何の問題もないな!まつり!」

……あの、みなさん。

「05,の親睦も兼ねて、Let's go to 沖縄!」


私に拒否権はないのですか。




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