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「うん……」
カイの家では戦士として活躍する他に重要な御役目がある。
それが“神守”だ。
名前の通り、神を守る者。神と人との間を取り持つ者。
神様の住まいである神殿の手入れをしたり、祈祷等で人の願いを聞き届けたり神の怒りを鎮めたりする。
元は何百年も前にとある人々が神の世話役を自然と自らやり始めた事が由来とされる。
男が短命なこの血筋では、次の子が生まれて間もなく父親が命を落とす事も珍しくない。
女手一つで育てられる場合も多く、その為先祖達の中には自身の父親の顔すら知らずに亡くなっていった者も多かった。
またある代では後継ぎの男子に中々恵まれず、邪神の脅威と合わせて悩まされ、大変苦しい時代を生き抜いたと聞く。
その点で言えばカイの父が治める今の時代はかなり恵まれていると言える。
「そういえばお嫁さんとは上手くいっているのか」
父がにやけながら下世話な話をする。
「っ、ま、まあまあ……っ」
虚を突かれて言葉が尻すぼみになる。 カイには昨年結婚した二つ年下の妻が居る。今年の春には待望の男児が一人生まれた。
少しばかり婚姻が遅くなったものの、無事後継ぎの子も生まれカイはほっとしていた。
妻には感謝してもし切れない。




