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あれから何百年という時を経た今。
人々は邪神の脅威に晒されながらも懸命に慎ましく生きてきた。
ここ最近は邪神も鳴りを潜めており、人々は束の間の平穏を享受していた。
庭で一人稽古をしていたカイは、父に呼ばれて手を止めた。
「父さん」
「供物に捧げる肉を捕りに行くぞ」
「もうそんな時間」
分かった、と父に告げて狩りに行く支度をし始める。
カイの家は先祖代々戦士として活躍しており、男が短命になりやすい血筋だった。
カイの父はそんな一族の中では比較的長生きな方で、今年で32になる。
「そろそろカイに“神守”を継いでもらわなきゃな」




