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それからと云うもの、この村の暮らしは一変した。
先ずこの恐ろしく残虐な、邪神の世話役――つまり“生け贄”を、何処の家の者に押し付けるかという流れになった。
各々が拒否の意を示したり互いに押し付け合う中、ある一人の男が名乗りを挙げた。
この男の家は先祖代々戦士の家系であったが男が短命な血筋であり、二十歳まで届かない事も珍しくなかった。
そんな男からしてみれば普段危険との隣り合わせは慣れているし、元々そんな血筋なら諦めもつく。それに精々、ただでさえ短い命が更に少し早まる事も有るというだけでそこに大差は無いと感じていた。
男の親族からは反対も出たが、いずれは誰かがやらなくてはならない事。
他に止める者は居なかった。
その後神殿を建ててそこに宝玉を安置し手厚く祀った。
人々は常に邪神の脅威に怯え暴挙に振り回され、時には死者が出る事もあった。
その事有るごとに代々男の家の子孫達が鎮めてきたのである。




