19
後ろから声を掛けられた。
振り向けば離れたところに六、七才位の子供達が立っている。
ふと、自身の足元を見ると球があった。どうやら球蹴りをしていてここまで転がってきてしまったらしい。
球を拾い上げる。
「ほら、気をつけて遊ぶんだぞ」
「兄ちゃん、ありがとう!」
男の子が一人駆け寄ってきて、両手を広げ笑顔で受け取ろうとした時だった。
「――コウガっ!一体何やってるのっ!?」
近くの家の中から出てきた女性が、こちらを見るなり血相を変えて飛んで来た。
そのまま男の子の腕をぐい、と引っ張り、カイから引き離される。
届かなかった球がぽとりと地面に落ちる。
「“神守の人とは関わっちゃ駄目”だってお母さん言ったでしょっ!!もしもの事が有ったらどうするの……っ」
「……っ」
カイは息を飲む。
騒ぎを聞きつけた近くの村人達が何だ何だと集まってきた。
「ああ、あれほら、今度の新しい神守の……」
「嫌だねぇ……こっちまで祟られるんじゃないか」
ひそひそと、心無い中傷をされる。
先程の母親は男の子を抱き締めてこちらを睨んでいた。
「あ、あの……」
「帰ろうか、タチノ」
タチノの言葉を遮ってカイはぽつりと言った。
母親と男の子の方に向かって一度頭を下げ、タチノの肩を抱いてその場を後にする。




