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カイに言われた事でバクは自身が神となった経緯を思い出していた。


バクは元々本来の意味での神ではない、人々が勝手に仕立て上げた紛いものの神であった。


今から何百年も前にあちこち浮浪していたバクは、行った先々で各地に禍を齎していた。


人々に疫病を流行らせたり、作物を次々と枯らして飢えさせたり、争い事を招き治安を悪化させたりしていた。


バクにとって自分より弱く愚かな人間共の苦しむ姿を見る事はこの上ない快感であった。

悲鳴、恐怖、憎悪。

人々が互いに殺し合い、血で汚れ、命を散らす。

そうした事を繰り返せばその地は滅びた。


そして訪れたとある村での事。

目に見えないバクの仕業に脅威を感じた人々は彼を神として祀り、依り代として宝玉を掲げ、住まいを与え、供物を捧げて鎮まるよう懇願してきたのだ。


あの愚かな人間共が自分に屈し、地に這い蹲りながら必死に命乞いをしている――。


その事に気を良くしたバクは、人々が無力で抗えず誰も止められないのを良い事に次々と悪事を働いた。

その度に人々が勝手に崇め、赦しを乞うてきた。全て無駄な足掻きであったが。

人々の信仰によってバクは神として徐々に力をつけていった。


最初は澄んだ透明であった宝玉も、バクの禍々しい強烈な気によってどす黒い赤に変化していった。


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