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「――それではこれより引き継ぎの儀を執り行う」



とうとう、この日がやってきた。


父とカイは儀式に相応しい正装に着替え、神殿の中に居た。

外は暗闇に満ち、神殿内は沢山の揺らめく炎の松明や蝋燭の灯りに包まれている。


儀式は手順に沿ってゆっくりと、厳かに進められていく。

父が短剣を持ってカイの前に差し出す。カイは片膝を着いてそれを受け取り、恭しく頭を下げた。


立ち上がり、最奥の間に続く扉に向かって一歩一歩歩いていく。

静寂の中に靴音が響く。


カイは父に教わった儀式の心得を頭の中で思い返していた。



“いいか、カイ。邪神はかなり危険で厄介な存在だ。少しでも気に食わなければこの村に(わざわい)を齎す。邪神の逆鱗に触れぬよう、くれぐれも慎重にな”



幼い頃から邪神の恐ろしさについて何度も聞かされてきた。

分かっている。失敗は許されない。村人全員の命が掛かっているのだ。

額に汗が滲む。

扉の前まで来ると一度深呼吸をし、意を決して扉を開ける。


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