〈番外編〉とある研究員の記録(5)
遅くなったZOE
私があの子の所に着いた時には既に彼女はこの場から去った後の様であった。
真っ白な室内にポツンと座り込むあの子が私を不思議そうに見詰めている。
彼女に見初められてしまったこの子が、これからどのような状況に陥って仕舞うかと考えると、この子が心配で心配で仕方が無いと言うかのように私の胸が締め付けられる。
私「どうしてこの様な事になってしまったのでしょうね…」
どうやら言葉が分かっていない様で、その白くて美しい瞳をただ私に向けているだけのこの子があまりにも不憫で、その様な気持ちを持つ事しか出来ない私をとても哀れに感じた私はただただ「ごめんなさい」と言う言葉を呟きながらこの子を強く抱き締めるのであった。
どの位抱き締めて居たのだろうか…
ある程度時間が経った事である程度気持ちが落ち着いた私はこの子から優しく離れると「 こんな事しか出来ない私をどうか許して…」と最後にこの子への懺悔をした後、何事も無かったかのようにその場を後にした。
そこからは流れる様に事が進んだ。
私は彼女に楯突き、彼女を裏切った裏切り者として幽閉される事となった。
当然為す術も無く私は大人しく幽閉される事になった。
幽閉されるにあたって問答無用で拘束衣を着せられ、枷も両手両足に付けられしまった。
幽閉された部屋には質素な金属製のテーブルに一人分しか無い金属製の椅子、シンプルなシングルベットに加えポツンと組み込まれた液晶パネルと監視カメラが私を出迎えてくれた。
周りには液晶パネル用のリモコンが無いことを考えると、私に何か見せる為の液晶パネルだという事が分かる。
あの女の考える事だ、私がした事を後悔させるような物を見せてくるに違いない。
嫌な事に何をしていても液晶が見える用になっている事からどうしても私に見せたい物なのだろう。
幸いにもある程度激しい運動をしない限り枷は邪魔にならない。
キチンと鎖を繋ぐ場所がある様でご丁寧にキッチリ繋がれてしまった。
食事は質素であるがちゃんとある様で餓死させる気は無い用だ。
私をここまで連れてきた人が「要はそこで足せ」とある一角を指差す。
ソコには申し訳程度に敷居がされた簡易用トイレがポツンとあるだけである。
有難い事にトイレは特に匂わないようだ。
私を連れてきた人達は伝えるべき事は伝えたと満足した様に部屋から出ていってしまう。
それからしばらく経つと液晶が着きソコには大量のバケモノに囲まれたあの子が映し出されたのであった。
そろそろ番外編がメインに近ずいて来ました。