ぷんかしょでいましょとこほうぎこなたは言った
ぽん!
こほうぎこなたが現れた。
「こんにちは」と、こほうぎこなたは言った。
「誰?」と、読者が言った。当然だ。
こほうぎこなたは可愛い女の子だ。そう思ってほしい。
『こほうぎ』が姓で、『こなた』が名である。
髪型とか服装とか顔とかは好きに想像していただきたい。デフォルトだと金髪ネコ耳ストレートで、かなり華奢な体型だ。
読者は「こんにちは」と挨拶を返した。
さらに勇気を出して「友達になってください」と申し出た。
するとこほうぎこなたは言ったのだった。
「ぷんかしょでいましょ」と。
それを3回繰り返した。
読者は意味がわからなかった。当然だ。
彼女は悲しそうにそう言ったのだと想像してほしい。
ちなみに『ぷんかしょ』の状態でいましょう、と彼女は言ったのだ。
当然、読者は聞いた。「ぷんかしょって、何」と。
「アラ、フー、フー、フー」
こほうぎこなたは笑うように、言いはじめた。
「アラ、フー、フー、フー」
結構セクシーな唇の形で言ったと想像してほしい。唇はちゅ〜るのようなピンク色だ。
読者は困った。質問の答えが返って来ず、それどころか可愛い女の子だったはずの彼女が突然セクシーなことを言い出したのだ。困ってしまった。当然だ。
ぷんっ!
こほうぎこなたが消えた。
まるで幻だったように、どこにもいなくなった。しかし文章は続いている。
読者は理解した。正しく理解した。
これが……、ぷんかしょ……、だったのだ。
読者は深くうなずきながら、たまたまそこにあったお店でインスタント宝くじを買った。当選だ。
それがこほうぎこなたの御利益だったのか、それは誰にもわからない。
さてこほうぎこなたは次はどこに現れるだろう。あなたの部屋で、隣にいつの間にか現れているかもしれない。
そして、その読者の理想とするかわいさに、読者がお近づきになろうとすると、言うのだ。ぷんかしょでいましょ。ぷんかしょでいましょ。ぷんかしょでいましょ。ぷんかしょでいましょ、と。
3回繰り返して。