第九層 その2 ~レベルアップ~
《涼風遥香がレベルアップしました》
──レベルアップきたー!
私の脳内で奏でられるファンファーレと共に、世界の声が響く。
《レベルアップにより、能力『魔を従える者』がLv2になりました。能力『肉体強化』がLv2になりました》
「おおおっ!!!」
「どうした!?」
〈やはりきましたか〉
オークを倒した直後に、突然大声を上げた私にリオがビクリと振り返る。
一方のアイカは何かを察したように頷いている。
《続けて、従属する個体名アイカがレベルアップしました。スキル『解析』がLv2になりました》
〈マスター、私もきました!〉
私のレベルアップに伴い、アイカもレベルが上がった様子。
「お前ら急にどうしたんだ!?」
私に続いて、歓喜の声を上げたアイカに対し、リオはより一層困惑する。
しかし、そんなリオを無視して世界の声は続く。
《能力『魔を従える者』のレベルアップに伴い、従属枠が一つ増えました》
従属枠の増加。
前回はアイカが従属し、その後にレベルが上った。後からアイカに聞いた所によると、私に従属するか聞かれたらしい。
そもそもアイカ以外に私に従ってくれる存在がいるとは思えないが、枠が余っている分には特に困ることもないだろう。
とりあえずアイカにその事を相談しようと口を開きかけるが──。
「アイカ、従属枠が──」
──世界の声は終わっていなかった。
《従属可能な個体を検索中です──》
──け、検索!?
《──個体名ポルクス・ファム・シェリオが涼風遥香に自動従属します》
もちろん、その世界の声はリオの耳にも届いていた。
「「え!?」」
リオと私が同時に声を上げる。
〈二人ともどうしたのですか?〉
鳩が豆鉄砲を食らったような顔で硬直している私とリオにアイカが説明を求めるが、それを置き去りにするように世界の声は続いていく。
《従属に伴う恩恵により、個体名ポルクス・ファム・シェリオがレベルアップしました》
「──!?」
誰かが疑問を口にするよりも早く、世界の声は告げるべき言葉を紡いでいく。
《レベルアップに伴い、能力『悪意感知』がLv2になりました。新たに能力『瞬足Lv1』を獲得しました》
抑揚のない世界の声は、そこまで言ってようやく止まった。
一気に流れ込んできた多すぎる情報に脳内で処理が追いついていない遥香が、若干混乱した様子でアイカの方へと顔を向ける。
「はわわ、どうしよう……リオのフルネーム初めて知っちゃった!」
目がグルグルマークになってしまっている遥香に、『そこじゃないだろ』とツッコミを入れる者はこの場には居なかった。
普段であればツッコミを入れるであろうリオはというと、驚きのあまり意識が遠い所に行ってしまっていた。
一方のアイカは、少し不満そうな表情で疑問を口にしている。
〈自動従属って何でしょう……? いえ、それよりオークをもっと倒していけば、もしかしたら……〉
それが聞こえたのか、遠い所からようやく意識が戻ってきたリオが掠れた声を絞り出す。
「……はあ? 従属? ……レベルアップだと?」
リオは可愛そうになるくらいに困惑した様子で、うわ言のように従属、レベルアップ、ギフトといった単語を繰り返しつぶやいている。
伝えた世界の声さんもびっくりなほど、混乱している妖精の剣の三人だったが──
──何はともあれ、新たな力を手に入れたのであった。
次回『第九層 その3 ~新たな力~』
**************************
読んでくださってありがとうございます!
ネット小説大賞(旧:なろうコン)様より感想いただきました!
初心を思い出せるコメントでした!
今後もコメディ成分多めで頑張って書いていこうと思います!
そして評価者数30人いきましたー!
さらに……総合評価500pt超えましたー!!!
感無量です!!!!!
ここまで読んでくださった全ての皆様に感謝申し上げます!
今後も頑張って、楽しく執筆を続けていきますので
お付き合いいただけたら幸いです!




