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ギルドマスターからの呼び出し

 昨日は、各々に魔道具店や武具店に行ったりした後、昼には合流して一緒に昼ご飯を食べた。その時に、リオにお金を返そうとしたら人前でそんな大金を出すなって叱られちゃったんだけど。

 まあ、そんなこんなで昨日はゆっくり過ごして、今日は朝から冒険者ギルドに来ていた。


「あ! リオ……さんと、ハルさん!」


 ギルドに来るなり、ローラが駆け寄ってくる。


「ギルマスがお呼びです!」


 ギルドマスター──冒険者ギルドを取り仕切っている人物で通称ギルマスとも呼ばれている──が私たちに話があるらしい。

 私たちは、ローラの案内でギルドマスターの部屋へと向かう。


「ギルドマスター、リオとハルをお連れしました」

「ああ、下がっていいぞ」


 部屋に入ると立派な机を挟んだ向こう側に、目つきが鋭く眉間に深いシワが刻まれた壮年の男性が座っていた。

 そして挨拶もそこそこにギルドマスターがきつい口調で私たちに質問してくる。


「お前ら、第六層の階層主を倒したってのは本当か?」

「ああ」

「他のパーティーと協力もしてないのか?」

「はい」


 私がコクリとうなずくと、ギルドマスターが大きくため息を吐く。


「はぁ……。上に何と報告すれば良いか……」

「え? なにか不味かったですか?」

「お前らなあ、もう少し自覚を持て」


 え、自覚とか言われても分かんないし。せっかく頑張ったのにこんなこと言われるなんて心外だよ。

 なんて思って私がむくれていると、ギルドマスターが「くそ。あいつらといい、こいつらといいどうして……」とブツブツ独りごちる。

 ギルドマスターが再度ため息を吐いた後、説教をする時の先生と同じ顔になり、ゆっくりと口を開く。


「あのな……攻略ってのは本来Aランク〝ダイヤ級〟以上のパーティーがやるようなものなんだ。ましてや階層主討伐は、情報も少なく不確定要素が多い上に、特殊環境下での戦闘だ。せめてBランク〝サファイア級〟のパーティーが集まってレイドを組んで挑むなら別だが、登録したばかりの新人冒険者が挑むなんて前代未聞だ。普通なら死んでいるところだぞ。生きて帰って来られただけでも異常だってのに……。ったく、昨日くそ弱い女が登録したって話をシューレルから聞いていたんだが、それが昨日の今日で階層主を倒すとか、冗談にしか聞こえんだろ?」


 長い。ここまでは完全な愚痴である。

 ギルドマスターがそこで三回目のため息を吐いてから、更に言葉を続ける。


「冒険者ギルドの立場ってものをちっとは考えろ」


「いいか?」と前置きして始まったギルドマスターの長過ぎるお説教を要約するとこうだ。


 冒険者ギルドの本来の役割は、魔物全般の問題解決らしい。

 それには当然、街の周辺の魔物の発生調査や駆除も含まれるが、この街の冒険者は外には目を向けずにダンジョン探索ばかりをしている。おかげで、ダンジョン都市ルテア周辺の魔物は数が多く農作物や家屋が荒らされたり人的被害も起きている。

 国王はその問題に対して、自らの親衛隊であるグリフォン隊も動員して対処しているとのこと。一方で、横暴な貴族連中からはダンジョンでの金銭的価値の高いアイテム収集の方を優先しろと圧力をかけられている。

 要するにギルドマスターは、国王からはダンジョンは程々にして都市周辺の魔物を退治しろと言われ、貴族からは金になるダンジョンを優先しろと言われ、板挟みに合っており気苦労が耐えない様子。

 ちなみに、噂の攻略パーティーは貴族のお抱え冒険者らしい。


「今回の件についてはギルドからの直接指名依頼扱いにしておいてやる。あと、それの報酬としてお前らのランクもダイヤ級にしてやる。だが、目立って波風立つのも面白くない。攻略をするなとは言わんが、普通の依頼を受けて節度を守って進めろ」


 むむむ!

 Aランク〝ダイヤ級〟になれたってのに全然嬉しくないよ!


 それに大変なのは分かるけど、節度とか言われても困るし!

 私が全然納得していないって顔をしていたのをギルドマスターは見逃さなかったようで鋭い眼力で睨んできた。


「何だその目は? 文句でもあるのか?」


 威圧するようにそう言ってくるけど、こっちには女神様のミッションだってあるんだよ。

 とりあえず面倒くさいから、従う方向で言っておこうっと。


「分かりました。気をつけます」


 攻略をするなとは言われてないし、次の階層主を倒しちゃっても黙ってれば別に良いよね。


「よし。話は以上だ。行っていいぞ」


 ギルドマスターの部屋を出て廊下を歩いた先にある部屋へと向かう。諸々の手続きがあるとかでローラが待っているらしい。ギルドマスターの礼を欠いた態度に終止不機嫌だったアイカをこっそりなだめつつ歩いていると、リオが口を開く。


「お前、さっき嘘ついたな」

「えー、なんのことー?」

「まあいい。どの道、妖精様のために攻略は必要なんだろ?」

「うん、まあね!」


 さっすがリオ分かってるじゃん!

 なんて私が思っていると、あっさり機嫌を直したアイカが私たちを急かす。


 〈さあ、さっさと手続きを終わらせて、またダンジョンへと向かいましょう!〉


 お説教も虚しく、ギルドマスターの気苦労はこれから先も続くのであった。

次回『パーティー登録』


**************************


読んでくださってありがとうございます!


ご報告です!

昨日締め切りだったコンテストに向けてコツコツと頑張って来たのですが

無事に投稿することができました!!!

ここまで頑張ってこられたのも、読者の皆様に力を頂けたおかげです!


今後も応援していただけたら嬉しいです!

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