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剣狼の願い  作者: クタクタニ
第1章 始まりの願い
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1-7 森人

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーセリス


オオカミは夜行性…


日中基本的に寝っぱなしのお師匠様、直ぐ寝てしまうんだろうなと思っていたら、意外にも話し相手になってくれた…と言うかずっと話っぱなしだった。


まぁそのおかげでパル様や他の七星の方々の話、魔獣との戦い方をレクチャーしていただいた。あとどうしてもお師匠と呼ばせたいらしい。


しかしながらさずがに夜が明ける頃には眠さが増して何も頭には入ってこなかった…


「だからな、儂は小烏(コガラス)に言ってやったのじゃ!全て儂らが助けていたのでは騎士は育たぬと!」


「お師匠様、夜が明けたので水をくみに行ってまいります、喉も渇いてまいりました」


「お、気がきくの、行ってこい」


まさかこんなお喋り犬だとは思わなかった…何もなかったのは良かった事なのだが、これなら寝てても良かったのでは無いかと言う思いが溢れてくる


水をくんで戻ると馬車の方からいい匂いがしてきた


「おはよう、セリス、見張りご苦労様、お水もありがとうね。」


「おはよう、しかし眠い、朝飯食べたら寝ていいか?もう割と限界だ」


「パンと干し肉なら直ぐ食べれるわ、他はもうちょっとかかるわ」


「悪いそれだけでいいや、限界だ」


パンに干し肉を挟んでかぶりつくと荷台に向かう


広いはずの荷台は小さな弟分が大きく使っていた


「おはようございます、セリスさん。フーセ起きなさいよ!セリスさんの邪魔でしょ!」


「シルちゃんおはよ、こいつはこうやって起こすんだ」


パンに挟まった干し肉の切れ端を口につっこむ


「肉!朝飯!」


「ほれ朝飯作ってるぞ、手伝ってこい」


「肉!」


フーセが荷台から飛び出していく


「ケンローよりあいつの方が獣ね」


「だな、シルちゃん悪いが俺は寝るよ、後は任せた」


「はい、任せられました」


シルちゃんがファルの真似をする。

姉妹だなぁ〜と思いつつ倒れこむように眠りについた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「小僧!小僧、起きろ、魔獣じゃ」


がばっと起き上がる。

馬車はゆっくりと動いている、既に森に入りだいぶ湖のそばまで来たようだった。


「魔獣は?」


「数は5、動きから見るにこちらの様子を伺っておってきておるようじゃの、この先に進めばおそらく囲まれるんじゃ無いじゃろかの、さてどうする小僧?戦うか?逃げるか?」


「やろうぜにいちゃん!そのために来たんだ」


自分の家の小屋にあったという大きめの剣をにぎりしめてフーセが言う

どうしたものか、馬車を進めたまま戦うか、降りてたたかうか…馬車の守りはどうするか…


「判断が遅いの?囲まれたわい」


「寝起きでめちゃくちゃ言わないで下さい、フーセ前頼めるか?ファル、シルちゃんフーセのアシスト頼む、剣狼様私にお力をお貸しください」


「わかったにいちゃん!」


「お師匠様な?」


「お、し、しょ、う、さ、ま!お願いします」


後ろから5匹。待ち伏せされていたのか前から3匹


「行きます、一閃!」


するっと交わされる

「昨日の話忘れたか?動きの早いものに一閃はまず当たらぬ」


「忘れてました!」


「ワッパといい勝負じゃの?」


「すいません、目が覚めて来たのでもう大丈夫ですよ」


「くるぞ!」


狼?いや剣狼様より一回り小さいから野犬の魔獣か?

一匹の魔獣かこちらに向かって走ってくる

自分に向かって飛び上がった瞬間に間合いを自分から詰め

「相手の力を使って切る、まず一匹!」

間髪入れずに今度は2匹がくる

「同時に来られた時は、まず動きを止める、閃刃!」

魔獣たちの足元に閃刃を打ち込む

「土煙で相手が見えなくなった、50点じゃの」


「ならば一刀閃刃!」

土煙に向かい横一文字の剣撃を放つ


「残念。一匹逃したの」


「これで2匹、フーセ!そっちは?」


「ちょっとやばいかも?」


「お師匠、フーセ頼めますか?」

そう言いながら腰に下げたもう1つの剣を取り出す


「よかろう。」


狼の姿になり馬車の前に飛んでいく


「さぁどんどんこい!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーフーセ


「フーセちょっと!何やってんのよ」


「うっさい!調子が出ないだよ!」


「落ち着いて、フーセ、ゴーズメル!」

ファルねぇが火の玉を作り魔獣をけん制する


「技がでねーんだ!くそ!?閃刃!あっくそ!」


「フーセ!そっちは?」


「ちょっとやばいかも?」

なんで急に技が出ないんだ!この剣のせいか?俺には大きすぎたか?まだ木刀の方がマシじゃ無いかこれじゃ


「ウォーーーーーン」


剣狼が大きく吠えてくれたおかげで魔獣たちが距離を取った、


「使い慣れないもんを引っぱり出すからじゃ、仕方ないから儂を使え、後でお説教じゃ!」


「よし!これならいける!」


「儂使って勝てない方が大問題じゃ、ファル嬢小僧の手伝いに行け、小娘は手綱をしっかりもっておれ、馬たちをしっかり押さえておれよ!」


「はい!」


「おっワッパ、よかったの?汚名返上のチャンスじゃ!奥のでかいやつ、あれがこやつらのボスじゃ、あいつを仕留めればこの戦いは終わるぞ」


「おしっ!いくぞ!一閃」


「やっぱりワッパもやるのか…あやつらにそうそう点の攻撃は当たらんぞ」


「でも遠いし…だったら…数打ちゃ当たる!」


「一閃乱舞!!!」


「乱舞になっておらん!威力にムラがありすぎるぞ」


「フーセ、核の使い方聞いたんでしょう!つかいなさいよ!」


「そうだった!腹に力を込めて!一閃乱舞!!!」


「よしでかした!」

ボスの魔獣に剣閃が突き刺さり倒れる…しかし


「なぁ、ケンロー?ボス倒したら戦いは終わりじゃなかったのか?」


「しもうたの?もう一群れおったか」


「まじかよ!」


まだいけるけど…チョット多くね?


次々と襲ってくる


「くそ、さばききれねぇ!ぐぁ!」


左足を、引っかかれる


「喉元くるぞ!」


「くそ!閃刃!」


「フーセ!」

シルが声を上げる


「大丈夫だ!これくらいたいしたことねぇ!」


「ワッパ。それ言いたかっただけじゃろ?」


「ケンローはだまってて!」


実際のところもうやばいと思っているがケンローがいつもの調子のところを見るとまだなんとかなるのだろうという気になってくる。


「ワッパ助けてやろうか?」


「イヤ、いい」


「何か策があるのか?」


飛びかかって来た魔獣を斬り倒しながら考える


「全力の閃刃でそこらの邪魔な木を全部たおす!」



「それはダメだ小僧!」

木の上から声がする


「ズドン」

重い塊が落ちる音が聞こえたと思っていると


「ゔぉぉーーーーーーー!!!!!」


すごい雄叫びが上がる


体にビリビリと衝撃を感じる、先ほどのあげたケンローの叫びが優しく思えてくる。


後日ケンローにその事を言ったところ、

「儂本気出したら魔獣どころかおぬしらまで隣の森まで逃げるじゃろ?」


ほんとかよ?




「おし、いなくなったな?大丈夫か?お前ら?」


「今度は熊の魔獣か!」


「熊…熊か?まぁそうなるよな、ガッハッハ!熊は喋らんぞ?小僧?」


「狼だって喋るぞ!」


「だれだ!?」

セリ兄が剣を大男にむける


「おいおい、にーちゃん恩人にそれはないだろ?それと小僧いくら賢い狼だって、喋らんだろ?」


ケンローが狼の姿になる。


「喋るんじゃよ」


大男が目を丸くする。


「ガッハッハ!おいソフィー、こいつはお前の同胞か?」


大男が木の上に目をやる


「そうね、同胞というか…」


木の上からフクロウが降りてくる


「久しぶりね?チャチャマル兄さん?」



「チャチャマルゥーーーー!!?」









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