表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣狼の願い  作者: クタクタニ
第4章 七星剣
51/83

4-13 温泉郷

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーリン

森を出てアストレアの屋敷に着くとフージさんが屋敷の外に出て待っていました。


「よかった、本当に良かった。」


そう言ってシルさんを抱きしめていました。しばらくそうして落ち着いたのかフージさんがシルさんの肩を掴んで怒り始めます


「なんであんな森の奥まで行ったんです!奥まで行けば魔獣だっているのがわかりませんか?」


「えっでも試験で、獲物を狩らないといけなかったし。」


「いっぱいいるでしょう?ほらそこら中に」


そういうとフージは木の上を指差す

そう言われてよく見ると木の上に鳥たちがいっぱいとまっている


「あっ…ほんとだ」


「気づかなかったんですか?こんなにいるのに、まぁ寒いのでみんな静かに固まっているから大体の位置を狙えば何かしら取れるでしょ、届かなければ馬とかに乗って放てば届くでしょう。それをなんで森の奥まで…」


森を見て木を見ていなかった、


私はそれを聞いてアルテを取り出し弓を引く


木の上の鳥たちが一斉に飛び立ち一羽だけ私の矢を受けた鳥が落ちて来る


「動くもの、馬と言われてウサギや鹿などしか思いつきませんでした。心配かけてごめんなさい。」

そう言って私が頭を下げると


「ふぅ、これで合格ですね。アルテは貴方達に預けます」


そう言ってフージはシルさんを解放して屋敷へ入って行きました。


シルさんの体のことも考えてもう一泊してから出発することになりました。


シルさんは雪山で一夜を明かしたはずでしたがお腹を空かせていた以外特に目立った外傷は有りませんでした、シルさんも特に問題ないとの事で次の日の朝、温泉地パールへ出発する事になりました。


翌朝、屋敷の皆様が総出でお見送りをしてくれます。


「フージ、お世話になったわ、もし王国から何かきたら抵抗しないで話してちょうだい。相手は人を操る力を持ってる。抵抗して貴方に何かある方が困るからよ。お願いね」


「姫さま、心遣い感謝します。どうぞ道中お気をつけて。マーダン、イルナ。しっかりお守りするのよ。」


「はっ」


「シル、無理しちゃダメよ、貴方は何でも一人で何とかしようとする傾向があるわ、皆さんをもっと頼りなさい」


「はい。ありがとうございます。」


「そしてリン」


私を見てフージは私を抱きしめる


「どうしたらいいかわからなくなった時私は貴方の力になれます。今回の件が終わった後でも構いません。また必ずここに来てね。」


「はい、奥様。必ずまた来ます。」


そしてアストレアの屋敷を後にする


屋敷が見えなくなると姫さまとシルさんが


「はぁー」


と大きくため息をついて肩を下ろす


「無事脱出できたぁー疲れたぁー」


二人だけと思いきや、マーダンさんやイルナさんも体を伸ばしています。あれ?モグラさんも?


御者台にいるカイ様に話しかける


「カイ様は大丈夫だったんですか?」


「私ですか?いえ、むしろこちらの地域の情報を色々聞けたので良かったですよ、やはり領主とパイプが持てるのは本当にありがたい。」


「カイ様は流石ですね。」


「皆さんは苦労したみたいですね、姫さまも勿論ですがマーダン隊長とイルナさんは姫さまの顔を潰さないようにと影でこってり絞られていましたからね。」


「そうだったんですか」


「皆さん温泉地には半日もあれば着きます、手綱は私が握っているのでゆっくりしてください。」


それを聞いてか、後ろの荷台を見るとみんなゴロゴロとだらしなくなっている。フージさんが見たら一日中お説教になるだろう。皆さんお疲れ様です。


~~~~~~~~~~


「変なにおいがします。」


「硫黄の匂いですね、温泉地が近い証拠です。」


私とカイ様のそんな会話を聞いて姫様が身を乗り出します。


「やっとこれた、はやく温泉につかりたいわ。カイ君のとこでこっちに支店はないのかしら?」


「残念ながらまだこちらには手が伸びていません、ですが親方の知り合いはいますのでそちらのほうに行ってみようかと思いますがいかがですか?」


「そうね任せるわ」


こうして私は初めて温泉というものに巡り合います。


ーーーーーーーーーーーーーーーーールル


「はぁ~幸せ~」


広い露天風呂で体を伸ばす。お湯が染み渡る


「あつ、熱いです!」


「体が冷えてるから体に少しずつかけてから入るのがいいですよ。」


イルナがリンちゃんに桶を渡す


「まっ!イルナあなた着やせするのね!脱いだらすごいのね!」


人型になったソフィーがイルナに食いついている


確かに普段鍛えているせいかひっこむとこは引っ込んで出るところは出ている

私も少し動かないとまずいかな?


「ほらはしゃいでたら怪我するよソフィー」


シルちゃんが私の隣に来る


「シルちゃんほんとに体大丈夫?」


「うん、なんともないよ。」


「あの崖から落ちたのによく無事でしたね。」


ようやくお風呂につかることができたリンちゃんが近づいてくる


「わたしすぐ気を失っちゃったみたいで、目を覚ましたらリンちゃんがいたの、逆にそれがよかったのかな」


「え?カマクラ作って入ってたんじゃないんですか?」


「うんん、たまたまできてたんじゃない?ホントラッキーだったってことね」


リンちゃんがだまる。


「あれ?それお風呂にまでつけてきたの?」


「あぁ、これ?なんとなくね。」


フーセ君の核がシルちゃんの胸元で赤くなっている


「案外今回フーセ君が助けてくれたのかもね?」


「こいつが?こんな玉になって?」


「ちょっとかしてくれる?」


そういってシルちゃんから核を受け取る

真っ赤な玉をのぞき込むが向こう側はもちろん中も見えない


「前見たとき青かったきがするけど?」


「なんかころころ色が変わるの、こんなになっても落ち着きがないのよね」


「まさか…姿がこんなになってるけど意思はあるとか?」


「だとしたら、ぶっ飛ばしますね。叩き割ってやりますよ。」


そうシルちゃんが言うと玉が青く変わる


「!?」


私とシルちゃんが顔を見合わせる


「まさか?たまたまよね」


色が黄色くなる


シルちゃんの胸に押し当ててみる

みるみる赤くなる


「こんの!エロフーセーーーー!!!!!!!!!!!」


私の手から核を奪い取ると男湯に向かって投げ込む


全力でお星さまにしてしまうと思ったがそれは思いとどまったようだ


「なんかとんできたぞ?」


剣狼の声がする。


「それ預かっといて。あとで叩き割るから」


「フーセの核か?なんじゃこれ冷たいぞ風呂が冷えてしまう」


怒っているようだったがシルちゃんが少しうれしそうにも見える


ともあれ私の裸も見たんだとしたら元に戻ったらどうしてくれようか。


〜〜〜〜〜〜〜


部屋の中央のテーブルに核を置きみんながそれを囲む

フーセ君は青くなっている。


「さてとフーセ。あんた意思があるのね?聞き取れるし…み、見えるのね。」


玉は青いままだ


「何とか言いなさいよ!!」


「まぁまぁシルちゃん落ち着いて。」


「フーセ君、自分で色を変えられる?さっきみたいに赤くなれる?」


玉が色んな色に変わり黄色くなる


「ふむ、色のコントロールは出来ないか。でもこちらの言ってる事は分かるという事で意思は有ると。」

キッ!とシルちゃんが玉を睨む


するとまた玉が青くなる


「はいこれで視覚情報もある。と…」


「叩き割る!」


拳を握りしめてシルちゃんが身を乗り出す。

「まぁまぁ、お風呂まで持ち込んだのはシルちゃんなんだから不可抗力よ、ね?」


「でも!」


「どのみち核はどんな力を入れてもびくともせんわい。叩くだけ無駄じゃ」


「会話の核でお話しできないでしょうか?」


「なるほど!やって見ましょう。」


リンちゃんがアルテを取り出し会話の核に魔力を込める

「パスをつなぎます。…あれ?うまく行かなぁ」


「逆にフーセ君に核をくっつけてみたら?」

会話の核を横に置く、フーセ君の核が激しく色が変わる、恐らく魔力を込めているつもりなのだろう、しかし何も起きない。


ダメみたいね。


「儂や小烏(コガラス)は生物と融合されておるがこやつは核単体じゃ、恐らくその辺の差なのかの?」


「賢智の核を使ってみます。」


フーセ君は核になった状態でも自分の意思を持っている→○

フーセ君を元の人の体に戻す事は可能である→○

それは今すぐ出来る→✖️

そのためには何かが必要→○


「何かが何なのかってとこね。」


「1つとは限りませんしね。」


フーセを元に戻す為には複数の物が必要となる→○


「何か必要な物のヒントが必要ね」

複数の中に私達がすでに持っているものがある→○


「となると…」


それは核のどれかである→✖️


「核じゃないの?じゃあ他の物?変わったものといえば」


それは七星剣である→✖️


「じゃあなによ!?ムキー!」


フーセ君の核を振り回す

目を回しているように色が変化する


「姫よ。書いてみてくれ」


剣狼が口を開く。


「必要な物はディヴァイスターである。」



よろしければブックマークお願いします。読んでくれる人がいるとテンションが急上昇し、頭が回る気がしております。なにとぞ、是非、ポチッとお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ