4-6 イルナの日誌より
本日2回目の投稿になります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーイルナ
活動日誌
11月12日天気不明
本日もトンネル内での訓練を実施
王都から北の森までおよそ10キロ強の往復。
素振り1000
瞑想1時間
カイ君と剣狼殿やソフィー殿を使った模擬戦闘訓練。
まだ動きが硬くはあるがカイ君はなかなか見込みがある、次の日には新しい事を実践してくるので私もその姿勢を持たねばならないと思う。
隊長の幽閉場所が王宮地下の牢屋である事は判明した。
後は私とカイ君が剣の能力を使いこなすだけである。
まずはソフィー殿のダガー
使えない事は無いが慣れているわけでは無いのでどうしてもサブウェポンとなる。
身軽になり素早く動けるが私は二刀流ではないので、使うとすれば能力だけになるだろう。
そして剣狼殿のロングソード、直刀と曲刀を使い分けられるという事だがあいにくどちらでないといけないというような技もないので使い慣れた直刀になってもらう
グリップを柔らかくしてくれるので手に馴染みやすく長く使っていた様な感覚に襲われる、多少ならば長さも変えられるとの事で私の剣の長さになってもらう。
「私の技を試してもよろしいでしょうか?」
「よし、見せてみろ。儂がその力を引き延ばしてやる。」
「では。ゴーズ。」
私は剣術として王国剣術を極めているわけではない、この魔術と剣術を合わせた言わば魔法剣で今の地位を…
「キャン!」
剣狼殿が狼の姿になりのたうちまわる。
「あつ、あつ、あつ、熱いじゃろバカタレ!火傷した!」
「えっダメでしたか?ゴーズメルも切り裂いていたと思うのですが…」
「瞬間なら我慢もするが自身を焼かれたのでは敵わんわい」
姫様が笑い転げている。
剣狼殿にはすまない事をしてしまった。
という事でヴァルハラを持つことになる。
ヴァルハラ単体には能力はなく刀身の長い曲刀である。
「七星剣は核の力に耐えられる作りになっているの、魔力が伝わりやすい、なんちゃらって金属で出来ているって昔聞いたわ。」
っとソフィ殿が言うと目を輝かせてカイ殿が食いつく
「もしやイビル鉱石ですか?」
「あぁ!そんな名前だった気がするわ。」
「まさか!イビル鉱石を加工出来る職人がいるなんて…これは捜しださねばなりませんね。」
魔力が伝わりやすいのであれば
「ゴーズ」
ズゴォーン!
いつもの感覚で魔力を流すと炎の剣は天井に突き刺さってしまいました。
「これは凄い」
「凄いじゃない!危ないでしょ!」
姫様に怒られてしまいました。
ヴァルハラの話は続きます
ヴァルハラは元は変化核がついていたとのでした。
過去の使い手バナン様はこの剣を直刀にするだけでなく、鞭に変化させたりと臨機応変に変化させて戦っていたとの事でした。
せっかくなので私も変化の核をヴァルハラに取り付けて試してみます。
「ふん!ヌウ!グググ」
魔力を込めてみますが出来たのは曲刀を直刀にするぐらいでした。
「変化の核はイメージが大事だよ。頑張ってイルナさん」
シルさんからそんなアドバイスをいただきましたが出来ません。
「イルナは堅物だからなぁ〜剣は剣!っていうイメージを捨てれないんでしょ、まぁ魔法剣であれだけの威力出るならオッケーじゃない?」
姫様にダメ出しを受けましたがとりあえず出力の制御をできる様に慣れば良しと言うことになりました。
隊長。待っていてください、もうすぐです。
〜〜〜〜〜〜〜
11月15日天気不明
本日は隊長の救出決行日です。
どうやって突入するのかと思っていましたが
カイ君が覚悟した顔で1人の男を連れてきました。
ひょろっとした優男で身長は高そうなのですがとても猫背で小柄にも感じる人物でした。
「えーここまできたら仕方ありません、私のとっておきを紹介します。モグラ君です。」
「モグラです。」
屈伸をするモグラ君。猫背過ぎてわかりにくかったのですがきっとお辞儀をしたのでしょう。
「はじめましてモグラさん、ルル・ムスシタナ・ホルンよ」
そう言うと姫様は握手を求める
「めめめめっそうもない、私が姫様の手を汚すなんて、恐れ多い。」
姫様はそう言うモグラさんの顔を両手で挟むとグッと顔を持ち上げて目を覗き込む。
「うん。わかったわ。よろしくね。モグラ」
「よっよろしくお願いします。」
パッと手を離すとモグラはまたうつむいてしまう。いやあれが普段通りか?
姫様が握手をしないモグラに怒ったのかとも思いましたが機嫌が悪いわけではなさそうです。気まぐれでしょうか?
「えー、本当はあまり私の秘密兵器的な人なので紹介したくなかったのですが、このトンネルを作ったのがモグラ君です。彼には城の地下牢までトンネルを掘ってもらいました。後少し掘るとマーダン隊長のところにたどり着きます。」
「それは、隠しておきたかったでしょうね。」
「失敗するわけにはいきませんからね、背に腹は変えられません。」
「まぁいいわ、彼のおかげで戦闘しなくても上手いことマーダン君をさらって来れそうだもの。この件は保留にしてあげるわカイ君。」
「それはありがとうございます。」
ハハハっと乾いた声で笑い合う2人
「それでは作戦の確認をします。
モグラ君に彫ってもらった穴を使って直通で牢獄に入ります。突入はトンネルもそんなに大きくないのでモグラ君、私、イルナさんで行います。
マーダンさんをそのまま連れてかれるなら良し、操られている場合は戦闘になります。私とイルナさん両名で気を失わせるのがベストですが最悪縛ってでも連れ帰りましょう、ただし、マーダン隊長がマーリン隊長のようになっていたり、私たちのどちらかが深い傷を負った場合、もしくは見張りに見つかり救援を呼ばれた場合撤退する。これは守ってくださいよ、イルナさん」
「わかった、約束しよう」
迷惑をかけるつもりはない、カイ殿はしっかりと逃がそう。
「マーダン隊長をが動かない場合私とイルナさんで運ぶことになるのですが緊急の場合、剣狼様お力添えを。」
「うむ。」
「時間稼ぎできるかもしれないので変化の核で作ったマーダン隊長人形を代わりに置いてきます。」
あれはもし置いてくることになったらシルさんに頼んでもう一体作ってもらおう。
「脱出の際はモグラ君にトンネルを埋めてもらい後続を断ちます。以上です。なにか、問題点、質問ありますか?」
「私にできることはありますか?」
アンちゃんが手をあげる。
「はい、そうですね、もしもの時のために逃げる準備が必要です、直ぐに王都を立てる様準備をお願いします。」
「わかりました。」
アンちゃんはずっと元気が無い。両親の死、フーセ君の事を自分のせいだと責任を感じている様だ、なんとか励ましてあげたいが、上手く言葉が出てこない。
「王女方から何かありますか?」
「うーんそうね、気楽にいきましょう。あまり重く考え過ぎないで、そうね、何かあったら私がなんとかするから。何かあったら私のせいぐらいのつもりでやってみて。」
さすが姫様。頼れる方になられました。
「あっ、そーうだ。ソフィーモグラ君についてあげてくれる。ソフィーがついてくれたら穴を掘るのも埋めるのも早くなるでしょ、安全の事も考えてお願い出来ないかしら。」
「そうね、もちろん構わないわよ。」
「モグラ君。ソフィーは指定した範囲を重くしたり軽くしたりできる他にもダガーに変身できるの。いざという時はそれで戦うと良いわ、いざという時ね。」
「はっ…わかりました。」
ボーっとしていたのでしょうか、「はっ」だけに力が入りました。緩んでいますね、こんな男にソフィー殿を預けるなど…いいえ、姫様の考えあって事、気が緩んでいたのは私の方かもしれません。
「じゃぁ行ってみましょう。」
隊長。今お助けに上がります、どうかご無事で…
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