4-4 消滅と消失と
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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーフーセ
リンちゃんの叫び声が響く
自分の全身の毛が逆立つ感覚
「こいつら!ぶっ殺す」
「まてフーセ感情で戦うな!そもそもこやつら操られているだけじゃぞ!」
そうか…でも…
「落ち着け、小烏達の姿が見えん、また繰り返すのか!」
そう言われて深呼吸をする。
「すまねえ、落ち着いた。」
吹っ飛ばした相手の頭に手を触れ魔力を打ち込む
「後5人。」
5人の兵士がこちらに向かって手を開く
「ゴーズメル」
後ろにも他の家がある、火事が広がっちまう
「ケンロー、このまま受ける、硬化して。」
「硬化しようが燃えるものは燃えるぞ?」
「まじで?」
5つの火の玉が一斉に飛んでくる
くそ、じゃあ
「我山城切!」
目の前に壁を作る、直ぐに壁の横から飛び出して1人を蹴り飛ばす。
「家は守ったが道は壊れたの?」
「後で砕いて戻すよ」
「うむ、落ち着いているようじゃな一気に行くぞ」
残りの4人も吹っ飛ばし頭に魔力を込める
「まずはこれでよし。」
「あーら?なかなか見えないと思ったら、ようやく主役の登場かしら」
筋肉むきむきの兵士が道の奥からやってくる。
(ごめん捕まっちゃった)
ルルねぇから念話くる
ごっつい男の後ろにルルねぇ、シル、カイ、イルナさんが兵士達に拘束されていた。
(ソフィーは?)
(上にいるわ)
チラッと見ると屋根の上にソフィーが居る。
「皆んなを離せ」
「だめよー、私は全員捕まえてこいって言われてるんだから〜あぁそうだ、貴方は殺してしまってもしょうがないって言ってたわね王妃様が。」
「王妃?」
「ファル様よー」
(もうちょっと色々聞いてみて)
「俺らを捕まえに来たのか?」
「いいえ、たまたまよ〜王都の反乱を束ねそうな人物としてファイブアイズのカイ君の名前が挙がったのよぉ〜彼を捕まえに来たら、あらあら?私ラッキーみたいな?」
「じゃあお前らだけか?」
「どうかしら街の外にもっといっぱい居るかもよぉ〜」
(あと聞くことある?、街の外から来たけど別働隊はいなかったよ)
(上出来よ)
「皆んなを離せ」
「ちょっとぉもうちょっとなんかあるでしょ?離せって、私じゃあ何のために捕まえたのよぉ〜離すのは貴方の方。剣を離しなさい」
後ろの兵士たちが皆んなの喉元に剣を近づける
剣のままの剣狼を地面に下ろす
(ソフィーにつなげれる?)
(良いわよ)
(ソフィーあいつら全員を重くして動かないように出来る?)
(出来るけれど、捕まってるみんなも動けなくなるわよ?)
(あいつの頭に魔力をブチ込めればいい。やってくれ)
(シルちゃんとカイくんにも伝えて重くなるって。いい?3…2…1!)
「ぐっ!なに!?」
むきむきの兵士が膝まづく
一気に駆け寄り頭に手を置き魔力を込める
「ソフィ、残りもやる、範囲せばめて!」
残りの兵士達にも頭に魔力を送り、皆んなの縄を解く
兵士達は気絶している。
「とりあえずこれで良いはずだ。目を冷ますのには時間がかかると思うけど念のため縛っとく?」
屋根の上からソフィーが降りて来て俺の頭に留まる
「ごめんね皆んな、大丈夫だった?こいつのせいだからね」
「いてて、もうちょっとスマートに助けられないのフーセ?」
「んなこと言われてもよぉ〜」
「ヌォォーーー」
後ろでマッチョの兵士が立ち上がる
「マーリン!」
「あらあらやられちゃったわね、人質まで取られちゃって困ったわ〜」
「洗脳が解けて…無い」
「あぁ貴方、洗脳を解いて回ってたの?じゃあ他の奴らはもう駄目ね。しょうがない。私1人でやるかぁ〜」
「もう一回強めに入れて見るか。」
「あぁ無駄よ?私は特別だから!ファル様直々に改造してくださったの。あの人はほんと天才よ!ってあの子うるさいわね?」
マーリンがリンちゃんに目をやる
「これが私のぉ〜マーズメル!!!」
巨大な火球がリンちゃんに飛んで行く
「くそっ!間にあわねぇ」
火柱が上がる
「リンちゃーん!」
火は消える気配がない
「そんな!」
シルがヘタリ込む。
「見て!ファル様が私のぉ名前を入れてくれたマーズメル!凄いでしょ?」
「フーセくん。マーリンは三番隊隊長、手加減できる相手じゃないわ、これ以上被害が拡大する前に…」
「わかってる。ソフィー」
ソフィがダガーになる、背中につけたヴァルハラを持ち、マーリンに切りかかる
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーールル
フーセくんがマーリンと戦っている。
流石三番隊隊長といったところか、フーセくんが攻めあぐねている
その横で家に着いた火がまた大きくなる
「カイ君こっちはいいわ、火事の方お願い。」
「分かりました。」
カイ君を送り出し、座り込んだシルちゃん見る
「ヒッ、ヒッ、ヒッ」
過呼吸を起こしているようだ
「シルちゃん!落ち着いて」
シルちゃんは目を見開いて燃え盛る炎を見ている
どうしたらいい?
過呼吸と言うものは知っていても目の当たりにするのは初めてでどうしたら良いかわからない
「シルさん!落ち着くんです!」
イルナも慌ててシルちゃんに寄り添うが対処法はわからない様だ
(フーセ君!)
「待ってろ、すぐ終わらせる。閃刃無双!!!」
ヴァルハラとソフィ両方からの閃刃の乱舞これは避けようが無い。
マーリンの鎧が剥がされて行く
「あらあら、私のぉ美しく変わった身体があらわになっちゃったじゃ無い。」
「おま!それは…」
むきむきの筋肉だった身体は、どす黒く変色し…腐っていた。
「どう?美しいでしょう!ファル様が与えてくださったこの身体!痛みは無く力は望んだだけでるノォー」
なんてこと!
「いっ…」
「シルちゃん?」
「ヒッヒッヒッヒッヒッヒッ…」
シルちゃんが光りだす
「イィヤァーーーーーーーー」
閃光が走る、大きく伸びたその閃光はシーバード山に向かって伸びていき…
その日わが国で1番美しく高い山が文字どうり消失した。
「なんだ!なんなのよその力わー!」
シルちゃんに襲いかかったマーリンに再び光が走る
「シルー!その力を使ったらだめダァー!」
フーセ君がシルちゃんを抱きしめる
閃光はマーリンの右手を消失させた
「何なの?この力…くっ」
マーリンが逃げて行くが、それどころでは無い
「…くそ…仕方ねえもうやるしかねぇ…ルルねぇ!」
「はっはい」
きっ!っとこちらを見てフーセ君が続ける
「こっち来て。」
側まで行くと急に私のお腹を触り…会話の核を取り出す。
そしてシルちゃんから変化の核を取り出す。
「ルルねぇ、これからシルからシルの核を取り出して俺と入れ替える。」
「さっきの力は?」
「消える力、シルは消える力を持った核になろうとしてる、今から俺を変化の核を使ってそいつと入れ替える、もう時間がねぇ。わりんだけどあと頼むよ」
「頼むってあなた…」
シルちゃんの胸から透明の核が浮き上がる
少しづつ透明だった玉に色がついて行く
それを見て私は覚悟を決める
「フーセ君。シルちゃんに何か伝えることある?」
「そうだなぁ、俺に感謝しろ!って言っといて。」
「それでいいの?」
「あぁそれでいい。こいつは優しいから、引きずると思うけど…笑ってる方が良い、俺が馬鹿してやらかしたぐらいに言っといてくれ、任せるよ」
そう言うとシルちゃんから透明の核が外れる
そしてフーセ君が玉に吸い込まれていく
フーセ君は最後まで笑っていたように見えた。
その場に私の会話の核、変化の核と、何色とも言えない色んな色が混ざり合った核が転がる。
私はそれを拾う
ソフィーが私の方に止まり
「大丈夫?」
私に聞いてくる。そうか、泣いていたのか。
「小僧はやったのか。」
剣狼がリンちゃんを加えて歩いてくる
「リンちゃん!無事だったのね!」
「気を失っておるがの、儂がとっさに加えて避けたんじゃ」
「剣狼は知ってたの?」
「昨晩言っておった、シルを助けるためには代わりに核に変化するしかないとな。」
「そう…そうか…フーセ君。カッコつけすぎだよ…」
私は涙を拭く
「いい直ぐにでもここを離れましょう、これ以上ここに迷惑はかけられない」
圧倒的な戦力不足となる、最大の戦力であったフーセ君がいなくなった今、襲われたらどうしようもない。
気を失う、リンちゃんとシルちゃん。まずはこの2人を何とかしなくてはいけないだろう。
山積みになった問題で先は見えない。
とにかく今は進むしか無い
進む事しか出来ない。
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