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剣狼の願い  作者: クタクタニ
第4章 七星剣
39/83

4-1 リンの日記より その1

キャラが気にいると打ち込みが進みます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーリン

今年も冬が近づいてきました。


いつもは冬支度ができたか確認しに来るカイ様がいつもよりも早く姫様を連れてお越しになりました。


こんなにも近くで姫と会えるなんて、ましてやお話しできるなんて。姫様はとても綺麗で可愛くて、髪がサラサラでニコッと笑った笑顔は私の理想そのものでした。


それだけでも一生にあるかないかという奇跡のような時間だったのにもっと素敵なことが起こりました


大きなワンコが人の言葉を話したのです。


どうやらおじいちゃんワンコのようなのですが、私の出したミルクをとても美味しそうに飲んでいました。抱きつきたい。もっとお話ししたいと思ったので姫様のお付きの方に聞いてみました。


「あの?ワンコさんとお話ししてみてもよろしいですか?」


お付きの方は困った様子で


「申し訳ないのですが…」


とても残念でしたが、カイ様のお客様を困らせてしまったのは大変申し訳ない事をしてしまったと思いました


その時なんと!もっとステキな事が起こったのです!


お付きの人に謝ってトボトボと廊下を歩いていると姫様の隣にいたもう1人のお付きの人の肩に留まっていた白フクロウさんが私の頭の上に降り立ったのです。


それだけでもステキな気持ちになりました。

こんな綺麗な真っ白な羽を持つフクロウは初めて見ました。私は嬉しくなってフクロウさんに話しかけました。


「はじめましてフクロウさん。お名前はなんていうのかな?」


「はじめましてリン。私はソフィーよ。」


な、な、な、なんていう事でしょう!ワンチャンだけでなくフクロウさんまでお話ししました!


それから私はフクロウのソフィーとお話ししていましたが、カイ様から呼ばれてしまいは素敵な時間は突然終わりを迎えてしまいました。


カイ様からは明日皆様が山の中腹の山小屋まで行かれるのでその準備と案内を頼まれました。


山小屋、あの辺りは景色が良いのですが獣だけでなく魔獣も出るので心配です。


荷物の準備をしていると姫様のお付きのの方がソフィーといっしょにやってきました。お付きの方だと思っていたのはシルさんと言うそうです私より2つ年上のお姉さんで、どうやら私の勘違いでお付きの方ではないようです。お姫様の親戚の方ですが王族では無いとのことでした。


シルさんとソフィーは私のお手伝いをしてくれました、沢山お話が出来て楽しく準備が出来ました。


そこで私がワンチャンだと思っていたのがオオカミさんだと聞かされました、間違えたら怒るから気をつけてと。アワヮ危ない所でした是非抱きつきたいので嫌われないようにしなければ!


シルさんからもっとお話したいから今日はいっしょに寝ようとお呼ばれしました、私のパジャマも貸して欲しいと言われましたがどう考えても小さい私のパジャマではシルさんは着ることができないと思うのですが…


「大丈夫大丈夫、たぶんちょうど良いから。」


どういう事でしょう?


近い年の人と寝るのは初めてなのでドキドキでワクワクでした。


部屋に行くとシルさんはもうパジャマを着ていました。

それなのに

「パジャマ持って来てくれた?ありがとう」


と私からパジャマを受け取りました。

どういう事なんでしょう。


「ソフィ、着てみて」


????ソフィーにパジャマ???今度は大き過ぎます。言ってくださればソフィに合うパジャマを超特急で作ったのに!猫ちゃん!いやペンギンさんも捨てがたい。


そんな事を考えていると、なんという事でしょう!ソフィがソフィちゃんになりました。私よりちょっと小さい女の子です!


ビックリしているとソフィちゃんがニコニコして私のパジャマを着てクルリと回りました


可愛い。


私は思わず抱きついてしまいました。


今日はホントに素敵な一日でした。



〜〜〜〜〜〜〜


いけません!完全に寝坊しました!


私はまだ眠っているソフィちゃんとシルさんを起こさないように自分の部屋に戻り身支度をして今日頑張ってもらうお馬のレッド君とピーちゃんの所に行きました朝ごはんをいっぱい食べてもらわねば!


馬小屋に行くと既に誰かがレッド君のブラッシングをしていました、大変です!寝坊がバレています。


慌てて中に入ると、シルさんの幼馴染のフーセさんでした。


私の代わりにお世話をやってくれて居ました

フーセさんはブラッシングをしながら聞いてきます


「こいつはなんていうんだ?名前。」


「レッド君です。」


「そっか、レッド君か、綺麗な目してるな、優しい子だ。んっここが良いのか?」


朝日を浴びてレッド君に話しかけるフーセさんは…とても優しい顔をしていました、レッド君の気持ちを読み取ってくれるなんてこんな人が…っていけません、お客様にやってもらってしまいました。


「ゴゴゴごめんなさい!ありがとうございます。」


「いや良いんだ家でもやってたから日課みたいなもんだし、これやってからまだ一回寝ると最高なんだよ。」


まさかの二度寝宣言です。


「それよりそっちは…」


「ピーちゃんです。」


「ピーちゃんか、ピーちゃんの蹄鉄調整しないと怪我するな、道具がどこにあるかわかんなくて。」


「それならそっちの小屋に…今持って着ます。」


蹄鉄の調整までできるなんて!なんて素敵な人でしょう。


「調整するからピーちゃんのブラッシングお願いね」


よく見るとレッド君の蹄のお掃除まで終わっています。これなら朝食の準備も間に合いそうです。


「よし、出来た。どうだピーちゃん、痛く無いか?そうかそうか良かったな。」


「えっと…ごめんな、勝手にやっちゃって、あっあっちにいる俺らが乗って着た子とカイが乗って着た子ももう終わってるから、俺流でやってるし念のため確認してな」


そうでした!今日はサラダちゃんとクロ君もいたのでした!


「ありがとうございます!寝坊しちゃって、本当に助かりました。」


「じゃあ後お願いね、俺寝るから」


そう言うとフーセさんは行ってしまいました。カッコいい…


〜〜〜〜〜〜


朝食の準備も間に合いました、勿論私1人で作ったわけでは有りませんが、カイ様だけでなく姫様もフーセさんも居るので気合いが入ります。朝のお礼にベーコンを多めに入れておきました。


流石に一緒に食べる訳にはいかないと後ろに控えていたのですが、シルさんが一緒に食べようと誘ってもらい大人数での朝食になりました。


「えーと、昨日はみんなで山に行くって話だったけれど山にはこの時期魔獣も結構出るようなのね、わたしやシルちゃんが行っても逆に足を引っ張ってしまうと思うの。フーセ君剣狼にお願い出来ないかな?」


「え゛っ俺とケンローだけ?ソフィは?」


「わたしはシルちゃんと一緒にいるわ!」


「行きたくないだけだろ」


姫様が目をそらしました。


「まぁちょうど良いか、剣狼と行ってくるか」


フーセさんと狼さん2人で山に?これはもしかして…


「わっ私が案内します。」


立ち上がってしまいました


「でもよ、あぶねーぜ?」


そうフーセさんに言われましたが


「山育ちなので道には詳しいです、迷った方が大変ですから。」


「そーね、フーセとケンローじゃあ魔獣はともかく迷子の方が心配ね。監督役は必要かも。」


「じゃぁお前こいよ!」


「ざんねーん、私この山の道がわかりませーん。」


「大丈夫です。山小屋までは何度も行ってますから任せてください。」


「…じゃあお願いするよ」


そう言ってフーセさんはこちらを見て笑いかけてくれました。頑張ります。


〜〜〜〜〜〜


準備が整って私はピーちゃん、フーセさんはレッド君にまたがります。


「順調に行けば夕方には戻れると思います…山の入り口の牧場でこの子達を預かってもらってそこからは歩きになります。」


狼さんも行くと言っていたのに居ません。残念ながら抱きつくチャンスを逃しました。残念。


「フーセ、リンちゃんに傷1つ、つけるんじゃないよ、リンちゃんこいつの事よろしくね。」


「足手まといにならないように頑張ります。」


ピーちゃんを走らせます。今日は天気も良いので気持ちいいです。


フーセさんを見ると楽しそうにしています。レッド君とうまくやっているようです。なんだか嬉しくなりました。


うーんでもピーちゃんに乗ってもらった方がよかったかな?そしたら白馬の…いけません、これは危険です。


牧場でピーちゃんとレッド君を預けていよいよ山登りです。


「では行きましょうフーセさん。」


「ああ!ケンローは歩かねーのか?」


フーセさんがそう言うとフーセさんが腰にさしていた剣がオオカミさんになりました。

私はまたまた驚きます。


「そうじゃな、たまには動くか。」


「あっそうだ、ケンローあんを乗せてやってくれよ、そしたらすぐいけるだろ?」


のる?オオカミさんにのる?大変です!それならオオカミさんに抱きつくことが出来ます。


「ん?そうじゃな、嬢ちゃんなら軽そうだから乗せてもそんな変わらんじゃろう。嬢ちゃん喜べ、儂の背に乗るのはお主で3人目じゃ。」


「今度俺も乗せてよ!」


「おまえは走れ!」


オオカミさんは私が乗りやすいように伏せてくれました。

チクチクした毛の奥にふわふわの毛が隠れています。私は嬉しくなってギュッと抱きしめました。


私の目的は全て果たされました。


幸せでした。


昨日から幸せ続きだったんです。


ただ、私の冒険はこれからでした。


また居間のテーブルをお立ち台にして喜びの舞を踊りたいのでブックマークなどいただけると嬉しいです。

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