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剣狼の願い  作者: クタクタニ
第3章 願い玉
37/83

3-11 先の見えないトンネル

ブックマークありがとうございます。めちゃくちゃ嬉しくて小躍りをしております。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー剣狼

ゆっくり進めと小童に言われたが

魔術で明かりを灯したとはいえ

数メーター先が暗闇に閉ざされたトンネルはそもそも急ぐことを許さずゆっくりと馬車は進むしかない


姫が考え伏せているため、沈黙が続いていたが、耐えられなくなったのかフーセが口を開く


「すげー洞窟だけど出口までどれくらいかなぁ?」


「北の森までと行っていたのでこの速度だとしたらちょうど2時間くらいではないでしょうか?」


「ならこいつに任せてて大丈夫そうだな」


フーセが馬のお尻を撫でる


「お前も賢いやつだな、シルバーとならいい子が生まれそうだ。」


「ほう!それは聞き捨てなりませんね。」


イルナと呼ばれる小娘が身を乗り出す


「シルバーはイルナさんの馬なんだったっけ?あいつは賢いね、足もいい、乗り手を気遣えて速いって奴は中々いないよ。」


「いいですよ!もっと褒めていいですよ。」


堅物で扱いにくそうと思っておったが自分の馬を褒められたのが嬉しかったのか子供のようにはしゃいでおる、見た目も子供なんじゃが…案外ちょろいかもしれんの…


「イルナさんが躾けてたのか?」


「いえ、あの子は私と出会った時にはもうとても賢い子でした。」


「躾けた人に会ってみたいな〜あんな子を育てれるようになりたいものだ。」


「ふふふあの子はフーセ君の故郷のタアキ村から来た子ですよ。実はもう会ってるんじゃないですかね?」


「!?ホント?だとしたらセリス兄さんのとこにいた子かな、タアキ村で馬を育ててんのセリス兄のとこだけだから。」


「そうかもしれませんね」


そんな話をしていると姫さんが大きく伸びをする


「さて時間も出来たしエディルとネルのことを聞かせてもらってもいい剣狼さん?」


状況の整理がついたのか黙っていた姫が口を開く


「うむ。儂はエディル。ネルの息子じゃ。」


「エディルのペットのチャチャ丸じゃないの?」


「そもそも儂の今の体は、エディル、チャチャ丸、ディヴァイスターの一部を融合の核の力で合成させた姿じゃ。」


「融合の核って言うのは?」


「わかりにくいか…ソフィ自身の核じゃな。」


「ソフィの核は速度の核だろ???」


「順に話そう。1000年より前世界はばらばらじゃった、

いくつもの国が存在し戦争が続いていた、それを1つにまとめたのがデンゼル王国でありネルじゃな。」


「本で読んだ通りだ。」


「そう、世界を1つにまとめる、言葉にしてみれば一言じゃが当たり前じゃが簡単にできることではない、というよりも不可能じゃ。お姫さんなら言っている事はわかるな?」


「ええ、理想ではありますがはっきり言って不可能でしょうね。2つの国を統合するだけでも問題が山のように出てきます、お金の問題、宗教、生活習慣、プライド…これを合わせるのはとても難しい。」


「どっちかが合わせたらそんなに難しい事じゃないんじゃないの?」


「そうねーフーセ君、村で仲悪い子居なかった?」


「ん?まぁ仲悪いと言うか苦手な奴は居たけど…」


「今からその子と一生共に暮らせ!と言われたらできる?その子が楽なように生活習慣を合わせられる?」


「それは、無理だな、こっちに合わせてもらわなきゃ…」


「つまりはそう言う事、お互いがお互いに合わせていけるんならそれなりにはうまくいくかもしれないけれど、どんな綺麗事を言ったって苦手とか嫌いとかそう言うものが出てくる、フーセ君ならシルちゃんとなら合わせられるかもね」


「えーその場合一方的な恐怖による支配だろ?」


「ほう?フーセ?今から支配してやろうか?」


小娘がパキパキ拳を鳴らす


「まぁそれじゃよ、ネルがおこなったのも恐怖による支配で世界をまとめた。多くの宝玉…核の力でな。」


「あれ?核ってディヴァイスターに付いてたのを分けたんじゃないの?」


小僧に、ヘッドロックをしながら小娘が聞いてくる


「核の力を合わせて作ったのがディヴァイスターじゃ。ネルは儂やソフィや自分の配下達を核に変えディヴァイスターを作った。」


「え!核って元は人なの?」


「そうじゃ人の根本にある願いを形にした物それが核じゃな、儂は心が弱かった。父に逆らえず強く硬い意志を持ちたいという願いがあったんじゃろうなそれで堅牢の核となったんじゃないかな?」


「ウゲェ!核が人間!?それじゃ俺共食いじゃねえかよ!」


「消化はされてないから共食いと言うよりお腹にしまったと考えましょう…そうしましょう…」


姫さんがお腹をさする


「儂とソフィーと従者達がディヴァイスターにされて立ち上がったのがソフィーの兄のコルムだ。宝玉なされた妹と友だった儂を救うために研究を重ねて宝玉のシステムを解明した、研究職について居たコルムはディヴァイスターを調整すると偽って剣を預かった。そこで儂らを人の姿に戻そうとしたがうまく出来ず、チャチャ丸とディヴァイスターの一部と儂を融合させて体と意識を持たせたそれが今の儂、そして同じ様に白フクロウとディヴァイスターの一部融合の核であったソフィの依り代として速度の核を融合したのが小烏丸じゃ。」


「兄さんは兄さんじゃなかったのね?」


「意識は持たせることに成功したが記憶も、体も違うものにしてしまったコルムは兄と名乗ることができなかった様じゃ、単純にその時新たにディヴァイスターを分けて生まれたから儂が兄お前が妹としたみたいじゃな。」


「この姿は?私の昔の姿ではないの?」


ソフィーが人の姿となる


「昔の姿ではあるよ、しかしそれは従者であった速度の核の者の姿じゃ。言ったろ依り代にしたと、2つの記憶がぶつかり合ったせいなのか記憶もなくしておった。」


「そうなのね…」


フクロウの姿に戻り黙りこくる


「ネルからディヴァイスターを預かってばらばらどころか違うものにしてしまったコルムはネルをなんとかしねばならなかった、アシュラとなった我らを使ったところで研究職員であるコルムは剣技は全くダメで、核の力を使いなんとか善戦はしたが倒す事は出来なかった、そこでコルムは研究から作り上げた真核を使い、ネルを宝玉に変えた。しかし、ネルは操りの核となりその姿になっても猛威を振るった、そこでディヴァイスターの残りを使い核の力を抑える様にしてそれに操りの核を封印したそれが飛燕、その時魔力を使い果たし儂は記憶を無くした。という事じゃな。」


「へーそういう事だったんだ〜んで?俺たちはどうしたらいいんだ?ネルを倒せば良いのか?」


「ネルって言ってもセリスさんだよ、お腹から操りの核を出してまた飛燕に封印するってことでしょ?」


「まぁそうじゃな、セリスを拘束するにしろ殺すにしろ身動き取れなくして変化の核の力か、腹をかっさばいて取り出して飛燕に封印する。しかし相手はネル。動きを止めるにしろ戦力が足りんの、人を操る力もあるからのぉ。」


「まずは対抗する力ね。さしあたって100年前ネルを止めた力。残りの七星剣を集めようと思うのだけどどうかしら?」


「まぁそれを扱えるものも探さねばなるまい。」


「あれ?七星剣剣狼がへし折ったって言わなかったっけ?」


「あれは…言葉のあやじゃ。」


「あやってなんだよ?そんな事言うから飛燕だって隠してたのに。」


「それで秘密にしとったんか!秘密にしとるから小烏がお主を操っておると思っておったのに!そもそも小烏までなぜ秘密にしておる!飛燕に核がなかった時点で封印が解かれていたのは気づいただろ!?」


「そもそもにーさ…エディ…もういい!ギンギン丸が核を集めてこの子達に飲ませて変なことしてるからややこしい事になったんじゃない!てっきりこの子達を操って何かしようとしてるのかと思ったのよ!」


「ギンギン丸言うな小烏、こやつらに飲ませたのは単純に魔力を集めようとしただけじゃ、平和になった世界に核の力は不要と思ったからの全て集めて封印しようと思ってあったのじゃ、4つ集めた時点で儂の魔力が尽きてしまった急ぐわけでもないから魔力の少ないこやつらの腹で補充しとったというだけじゃ!」


「その話はおかしいでしょ?だったらなんで私とあった時全ての核がそろってたのにそうしなかったんですかー?おかしいです!忘れたんですか?このもうろくオオカミ!」


「その時点で核はこいつらの腹の中じゃ!その場でこいつらの腹をかっさばいて取り出せというのか!?この殺戮フクロウ!」


「まぁまぁ落ち着いて2人とも」


小娘が割って入る


「七星剣は折れてないし、どこにあるかも分かるのね?」


「7本のうち二本はここにある、残り4本は儂が分かる一本は小烏が知っとるだろ?」


「えっ?ええ。」


「ちなみに喜べ姫よ、一本はこれから向かうシーバード山にある。」


「それは僥倖ね。まずは七星剣を集めながら力になってくれそうな人達を探しましょう。」


「あとはカイ君を信じるしかないわね。」


「カイを信じる?出口で待ってるんだろ?」


「裏切ってカイ君だけじゃなくて王国兵士に囲まれる線もあるわ」


「それは無いよ。」


「どうしてそう言い切れるの?フーセ君?」


「うーん〜なんとなく?感?」


「感?じゃないでしょ!」


小娘がアイアンクローをする


「いたい、いたい!単純にあいつは損得で動くっていってたろ?そういうやつだからだよ」


確かにの、どうなるか分からん物はとりあえず保留、どっちに転がってもいいように構えそうではあるな。



トンネルの終わりが見えてくる。希望の光に見えているのか皆じっとそちらを見る


だが、皆は気づいているだろうか?出口は見えようとも、そこまでたどり着けるかはまた別の話なのだと…

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