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剣狼の願い  作者: クタクタニ
第3章 願い玉
30/83

3-4 幼馴染の評価

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーシル

「ファル姉に相談しにいこうと思う」


フーセ突然そんな事を言い出した


「まって、ファルちゃん様子がおかしかったって言ったじゃない!」


ソフィーはおねーちゃんがおかしいと豪語する


「って言ってもさーシルを完全に元に戻す方法、理の核の力だけじゃわかんなんだよ。ファル姉ならどうすればいいか分かると思うんだ。」


「様子がおかしかったってルルちゃんを殺したいって言っただけなんでしょ?まぁおねーちゃんからすれば昔から事あるごとにルルちゃんに邪魔されたりもの取られたりしてたからイライラしてそんな事口走ったんじゃない?大方、謁見の時にルルちゃんにセリスさん取られそうになったんじゃないかな。」


私から見たらルルちゃんはとても良いお姉さんなのだがお姉ちゃんにとってルルちゃんは天敵だった、まぁ昔のこと考えれば…それくらい思ってしまうかもしれない…


「ルルちゃんって姫さまだろ?会ったことあんのか?」


おっと、フーセには言ってなかった…説明するのめんどくさいな


「村に来る前はおねーちゃんと私は王都に住んでたの、ちっちゃい頃は一緒に遊んでたの。」


「ふーん」


やっぱりあんま考えてないなこいつ


「そう…そうね、考え過ぎかもね」


ソフィーは心配症だな


「でもお姉ちゃんに、会いに行くにも、馬車どころか馬もないんでしょ?正直まだ身体だるいから動きたくないんですけど?」



「あぁ、王都には俺1人で行って来るよ。シルは休んでろよ、ソフィーもシルについていてくれ」


「ちょっとフーセ、あなた騎士団に追われてるのよ?私も無しじゃ直ぐに捕まっちゃうわよ?」


「あぁ、それなら…これを使う」


エディルの漆黒のマントを羽織る


「闇に紛れてこんばんわーって?流石にそれはないでしょ」


「いいや、流石エディルのマント!スペシャルだぜ」


「ああ、そういえばエディルがお風呂覗くために開発したんだったわねそれ…」


「そうなの?えっお風呂覗くために?魔王何してんの?」


「シル見てろ、すげーから」


マントの前面を閉めるフーセ。


「きえた!」


ばさっとマントを翻すとフーセが現れる


「すげーだろこれ、これならバレずにねーちゃんのとこまで行ける」


「移動はどうするの?歩いてくの?」


「いや、それもこのマントで行ける。なんとこのマント!」


フーセが空中に浮かぶ


「飛べるんだ!」


「そういえばそうだったわね、超えなければ行けない壁があるとかなんとか」


ため息混じりにソフィーがそう言う


「超便利グッツじゃない!」


「ファルちゃんに会いに行くってのはマントが使えることがわかったからと…理の核で調べたのよね?って事は欠点もわかってるわよね?」


「えっ?欠点?」


フーセが首をかしげる


「なんでよ、理の核の力で調べたんじゃないの?」


「えっこれを調べたら、

マントを閉じて首元にある玉に魔力を込めると外界から視認されなくなる。マントを広げると解除される。

マントを開いて一度魔力を込めると空が飛べる。飛行たぶん1時間くらい。飛行の高さは魔力を込めた量による。進む方向はマントの広げ方による。

って感じだな。

まぁ欠点ってか1時間しか飛べねぇのかってのは思ったけどもう一回飛べば良いんだろ?」


「その通りよ。」

ソフィーが頷く


「欠点?何かある?」

私も分からない


「はい、じゃぁフーセ降りて。もう飛ばなくて良いから。」


マントを完全に締めストンと降りる。


「高さは最初に魔力を込めた量。と言う事は一度飛ぶと飛びながら高度を変えられない。まずこれも欠点の一つなんだけど…降りる時マントを締めたわよね。もしこれをかなり高い位置でやったら…?」


「落ちる…」

フーセがそう呟く。


「さらに1時間立つともちろん」


「落ちる…」

私もそう呟く。


「そっ着地は考えてないの、このマント、塀を超えることしか考えなかったのね。あと、姿を消す方は、マントを着ている人を見えなくするだけ。音や匂い、残った足跡は消えない。更にマント外についたものは視認される。つまり雨が降ってる日とかに透明になると水が宙に浮いているように見えるってことね。」


「まじか!飛ぶのは降りれる高さで飛べってことだな、あと汚したらダメと?まぁなんとかなるだろ」


理の核は使い方は分かるけど注意点までは分からないのか…


「そういえばフーセ、私、だんだん核になろうとしてるってことだったけど、どれくらい大丈夫なの?」


「えっ?あー、なんもしなきゃ3ヶ月ぐらいじゃないかな、いっぱい食って魔力とって、いっぱい寝てればもうちょい持つかな。」


「え?3ヶ月しかないの!?」


「何もしなきゃな、まぁ最悪また俺が核に力を送ってやればもっと持つから大丈夫だよ。」


「なんだ、じゃぁ変身とかはあまりしないほうがいいよね?」


「いや別に変化の核は使って大丈夫だよ、魔力不足はシルの核の方だから」


「???どう言うこと?私の魔力が足りないんでしょ?」


「えっと…変化の核にはいっぱい魔力あるから使って大丈夫だけどシルの核を使ったらダメって言うかうーん、うまく説明できねぇ、とりあえず変身してもいいし動き回れたら動いていいけど魔術とかは使うなって事だ、んでいっぱい食っていっぱい寝ろ、あとは俺がなんとかすっから」


「もともと火おこしぐらいしか魔術なんてそんなに使わないわよ。」


「じゃいつも通りでいいよ。」


「まぁわかった、お姉ちゃんにちゃんと聞いてきて、あとこれからどうするかもね。」


「あいよ」


変化の核は使って大丈夫なら…

シーツやガジュさんの残した服をむりくりきてたけど…


いつもの服を着た格好に変身する


「あっそうだ、フーセ、私の着替えバックも持ってきて。」


「着てるじゃん?」


さすがにフーセの前で今の私は裸だと言うのはないな…


「いいから持って来て」


「わ、わかった」


「気をつけてねフーセ。私いないんだから無理しないようにね」


「わかった、シルの事頼むよソフィー。」



こうしてフーセは王都に向けて出発した。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「さてと。ソフィー。何か隠してない?」


「?隠す?」


ソフィーが首をかしげる


「わかった、聴きかたをかえる、フーセ変じゃない?」


「変????いつも通りじゃない???なんか変だった?」


「うーんなんて言うかソワソワ?は違うか、焦ってる感じでもないし…うまく言えないな…」


「シルちゃんにわからないなら私にもわからないわよ」


「そっかーそうだよねぇ〜」


何か引っかかる。

ただ何に引っかかっているのかわからない。


モヤモヤする感じだ


「フーセの説明がわかりにくくて、変な感じなんじゃない?私なりに要約すると。

シルちゃんの中には、今、変化の核とシルちゃんが吸収されそうになっている核がある。

吸収されそうになっている核は魔力不足が起きていてるからシルちゃんごと吸収しようとしてる。だからフーセが魔力を補填してそのスピードを抑えた。

一方、変化の核には魔力が十分あるからそっちを使う分には問題ない。って事じゃない?」


「変化の核の魔力をそっちに回せないのかな?」


「私もシルちゃんの魔力充填やったんだけど、すごくコントロールが難しいの、たぶんそれでじゃないかな?」


「あっソフィーもやってくれたんだ!じゃぁソフィーも私の命の恩人だね!」


「私にできたのはちょっとだけよほとんどフーセが…」


「うんん。ソフィーありがとう。」


「はい。どういたしまして。シルちゃんフーセにも言ってあげてね。」


「いやよ、あいつのせいでこうなったんだから、あいつの場合は当たり前なの。」


「もう、フーセには厳しいのね。」


「あいつはすぐに調子に乗って問題起こすからそれくらいでいいの!」


お姉ちゃんとセリスさんが散々言ってきたセリフ、私もそう思う。


「そう?フーセのせいで大ごとになってる訳じゃ無いと思うんだけどな、フーセなりに頑張ってると思うわよ?」


「イヤイヤ、そんなこと…無いよ、大抵あいつが余計なことしてめんどくさくなってんだから。」


「まぁ、そういうならそうなのね。」


「そうよ」


まぁ頑張ってるとおもう。空回りしてるだけっていうか…失敗しなきゃむしろ良くやったと言ってやるんだけど…やらかすからなぁ〜


「さて、そういうなら、今回も張り切って出て言ったけど大丈夫かしらね」


「まぁ悪い意味でタダでは帰ってこないのは間違いないね。後ろから兵士とかわさーっと連れて帰ってくるんじゃ無い?」


「あら?シルちゃんの中では帰ってくるのは間違いないのね」


確かに…帰ってこないことは考えてなかった…


「あいつは殺したって死なないわよ、死ぬとしたら石につまづいて頭打って死ぬ事はありそうだけどね。」


「ふふふ、そうなの?」


「あーお腹すいた、ご飯の準備しよ?ソフィーも手伝って。」


「今日は何にする?」



数日後、予想どおりフーセは帰ってきた。

もちろんタダでは無かった。


本当、その辺なんだよ…

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