2-13 過ちの覚醒
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーソフィー
「シルちゃん聞こえる?」
会話の核の力でパスをつなぐ
「ソフィー、大丈夫、聞こえるよー」
「魔獣の数確認できる?」
「うーんトレントが4体あとケンローみたいなのが沢山、と鳥?今の私ぐらいの大きさのやつが、沢山」
「沢山ね…わかったわ。1人じゃ流石に厳しいな。」
「セリスさん呼ぶ?」
「そうね、その方が…」
「待って城門からいっぱい出てきた、ごっつい人たち、あっ兵士の人たちも…」
「なら大丈夫かな、フーセ後ろの人たちと足並みを揃えるわよ」
急ブレーキをかけるフーセ
「なら一個試してみるか」
「何する気?」
「にーちゃんの一閃光刃は出来ないけど…」
魔力を貯めるフーセ
「特大一閃大砲!!」
大きな塊が魔獣達の鼻先に飛んでいく
粉塵が飛び散る、がその脇から魔獣達が出てくる
「横に広がった、これでだいぶ敵が広がっただろ」
「念のために聞くけど何のために広げたの?」
「えっ?一閃より閃刃のほうが払いやすいだろう?」
「あーそう言うイメージね、まぁフーセは戦場は初だからなぁー、固まってくれてる方がいい時もあるのよ、こうなっちゃったら仕方ない、いいフーセ、とにかく囲まれない事が重要。極力一対一を心がける。」
「早速余計なことをしたなー」
「うるさい、シルはだまってみてろ!」
「えーと魔獣達はこっちから見て左が3割右に7割かな」
「ですって次はどうするの?」
「ソフィーが指示くれるんじゃないのか?」
「私はにーさんみたいに甘くないわよ。ギリギリの線引きはしてあげるから出来るとこまでやって。失敗して反省しなさい。そうしないと指示がないと動けなくなるわよ」
「わかった、失敗はしねーけどな、一対一…数の少ない方の端っこから攻める」
「了解」
「騎馬隊が追いつくわよ」
「あいさーそれじゃー行くぜ、ソフィー!」
「はーい。それじゃースピードア〜プ」
速度の核を使いフーセのスピードが上がる
「体力には気をつけて」
「うい!まず一匹!」
すれ違いにレッドウルフを真っ二つにする
魔獣達は御構い無しに王都を目指し走り続ける
「何だよ無視かよ!まて!これで2匹」
後ろから追いかけ切りつける
「完全に何か意思をもってるわね」
「右の方で騎馬隊が魔獣達との戦いに入ったよー、因みに王都から来てるごっつい人たち到着までー…えっと…5分ぐらい?」
「あいさー鳥3匹、合わせて5匹」
「あら鳥系早いわね」
「落とせば勝ちなんだろ?翼狙えば一発だろ」
まぁそうなんだけどそれをさらっと当てる辺りが凄い
でも…
「くそ、砂かけられた」
真後ろから追いかければそうなる。何だろうな、残念なんだよなー
王都からの本体も合流し乱戦ととなる、魔獣達も足を止めて戦い始める。意思をもっているように見えたけど単純に相手にされなかっただけか?
「一刀閃刃!」
横一文字を放ち一気に3匹
「おし!トレントへの道が出来た!」
トレントへ向けて一直線に進むフーセ
「はーい囲まれるわよー」
「えっ?」
辺りを見渡すが相変わらずフーセを無視して進軍は続く
「へっへ!囲まれねーじゃん!」
「あら?なんで?」
「ごっつい本隊も合流するよー」
「あいさー。ソフィー核は前と同じところかな?」
「それは分からないわ」
「ほんじゃ確かめて見ますか、ヴァインヴォルドゥ!」
「おっ詠唱破棄でもだいぶ威力あがったね」
「わかるか!シル!毎日毎日瞑想やってるおかげだぜ!」
「そこはやらされてるが正解じゃない?」
確かに日々の鍛錬でスピードも力も魔力も上がってフーセは強くなった…でも…おかしい…
反撃がこない?
初めは王都を目指すと言う意思が強いと思ったけれど
後から合流した剣士達は普通に狙われている
おかしい…
何かの能力に目覚めちゃった?とか?
フーセが戦場を広げたことで戦列は左が小さく右は大きい2つの玉のようになっていた。
フーセは左の玉のほぼ中央で…トレントを倒さんと右往左往している。
「たぶん、王国騎士団の指揮官さんが到着のようだよ、邪魔しないようにねー」
「へっ俺の活躍をみせつけてやるさ!」
トレントに単騎で挑むフーセ
がまるで完全に無視でもされているかのようにフーセに反撃どころか防ぐ様子もない。
「なぁソフィー、おかしくないか?」
「やっと気付いた?そうなのよ完全にフーセだけがまるで見えないみたい…」
「どうなってんだ!?」
「だめ!?危ない!!!!!」
シルちゃんの声が響く、念話だけでなく実際に聞こえる声…
ドスドス
フーセの前に降りてきた鳥の姿となったシルちゃんに矢が刺さる。
「やっぱりだ!あいつ魔獣に守られたぞ!あいつだあいつがこの魔獣達を操ってんだ!」
「!!!!シルーーーー!!!」
すぐさま駆け寄りシルちゃんを抱き上げる
「大丈夫か?シル!」
「大丈夫じゃないわよ見ればわかるでしょ、そんな事より…」
「フーセまずいわ、貴方魔獣達を操ってると思われてる、貴方だけ狙われてないの他の人も気付いたんだわ」
「そんな…でもシルが…」
「フーセ、まずここを離れなきゃ、とりあえず安全なところに避難してシルちゃんの傷を見ましょう」
「わかった、シル行くぞ、スピード出す痛いだろうけど我慢してくれ」
燕軌を腰に戻して右手でシルちゃんを抱えて走り出す。
「逃げたぞーー!やっぱりあいつだ!あいつを捕まえろー」
「くそ!違うって!」
懸命に走るフーセ、速度の核を使ってはいるがシルちゃんを抱えているので流石に馬と同じぐらいの速度しかでない
「戦場に紛れ込んで操るとは考えたな、しかし自分だけ狙われないんじゃかなり浮いてたぜお前。俺は疾風のヒルロッテ。お前を捕まえる男の名だ!」
フーセより少し早いスピードで走ってくる騎士。風の術を重ねがかけしてるようだ。
「違うって、俺は操ってなんか…」
「じゃぁなんで魔獣を抱えて逃げている?そうかそっちの魔獣が本体か!」
ヒルロッテが急速にスピードを上げフーセの横についたかと思うと切りつけてくる
「ギャーーー!!!!」
抱えていたシルちゃんがきりつけられる
「シル!!!この、クッソぉ〜」
速度を緩める
「だめ!いまやり返したら言い訳できなくなる」
シルちゃんの声を聞いて私を握る左手に力が入る
「ソフィーもっとスピードでねーのか?伝説の剣なんだろ?なんで魔法より遅いんだよ!」
「やってる!全力よ!」
「クソ、少しでも軽く…燕軌、ごめん!」
鞘の剣、燕軌を外し、飛燕だけを残して、地面に落とす
「やっぱりその魔獣何かあるな?他の魔獣は放って置いてもそいつだけは離さねえ…さぁ俺の真のスピードを見せてやろう!」
ヒルロッテが走りながら詠唱を始める
「これでもダメか…どうにかなんないのか!ソフィー」
「だめ速度の核には魔力をありったけ込めてるけど…」
「クソ俺の魔力も込めてみる」
急にフーセのスピードが落ちる
「ダメ!魔力が相殺されちゃう!」
「???…そうか…そういう事か…」
そうフーセが呟くと
「どうしたスピードが落ちたぞ?」
抱えていたシルちゃんに剣が突き刺さる
「ぁああああ!!!!」
「!!!!!!シルーーーーーーー!!!!!」
「お前は捕らえろと言われているが魔獣は別だ!これで操ることはできまい」
「てっめぇーーーーーーー!!!!」
「フーセダメ!!!シルちゃんも言ったでしょやり返したら…」
「うっるせぇえええええ」
その瞬間ヒルロッテが膝まづく
なんだどういうことだ!?体が…重い!?
「ヒルロッテ部隊長!!」
馬に乗った兵士が追いついてくる
「ぐっ」
口を噛み締めるフーセ、そしてまた走り出す
(フーセ!!!!えっ!なんで!?声が出せない)
どうしたわけか声も出せない魔力も込めれなくなる
「おえ!あいつを追え!!!!」
速度は先ほどより少し早くなっているが馬に乗った兵士達から逃げ切れない
ドス!ドスドス
足元に矢が飛んでくる
「生きていればそれでいい!当てろ!」
更に矢が飛んでくる…
(フーセ!!矢が…だめ避けれない!)
しかしフーセに届く少し前で矢がスピードを落とし地面に落ちていく
(!?どういうこと!?)
「クソ、クソクソ、シル!森だ!もうちょい頑張ってくれ、クソクソクソ…」
シルちゃんは力なくグッタリしている
フーセが私を握る力が更に強くなる
「森に逃げるぞ!」
森に入る直前、
「ガザンジョウセツ!!!!」
一気に振り返り、ガジュにも負けない石壁を作り出す
「なっ!クソ目眩しされた!左右より迂回」
森をやみくもに走るフーセ
「クソっクソ…っ!!あそこなら!」
大きなウロを見つけ駆け込む
そしてシルちゃんを下ろす
「シル!?大丈夫か?しる?なぁ?なぁったら」
シルちゃんは動かない
「いや、まてよ、嘘だろ?シル!なぁ!またかよ!」
息をしている様子がない
(フーセ!!!だめ!なんで、声が…)
「なぁなぁ!嘘だろやめてくれよシル、頼むから」
鳥の姿のままのシルちゃんを揺さぶるも力なく…
「またかよ…また…俺のせいで…」
がっくりと力なく崩れるフーセ
「おっちゃんも…好きな女の子も…俺は…」
その時
「探せ!遠くには行っていないはずだ!」
私を鞘に収めて両手でシルちゃんを抱える
手から離れても相変わらず私は何もできない
ゆっくりと歩き出すフーセ
「俺の…俺が…」
「いたぞ!あそこだ!!」
兵士たちに見つかる、が…
「うるさい」
「グァ、なんだ体が…重い…」
兵士達はその場に倒れこむ
またゆっくり歩き出すフーセ
しばらく行くと川に出る
ひらけた場所に出ると矢が飛んでくるが先ほどと同じように矢は力なく早速し足元にパタパタと落ちる
「帰ろう…シル…」
矢が飛んできた逆方向にまたゆっくり歩き出す
「なぁ、シル…いたずら書きのしかえし、こんな姿じゃできねえじゃねえかよ…鳥の…姿のまま…しん…しん…ウァアアァ」
フーセの顔がぐちゃぐちゃになる。こんな時声もかけてあげられない、一緒に泣いてあげられない…
しばらく歩くと森が切れる
「にいちゃん…」
(!よかった!セリスちゃん!)
「フーセ!」
セリスか駆け寄ってくるが…
様子がおかしいのに気づいたのか足を止める
「…だ…俺の……みんな…しん…」
「フーセ、何があったんだ?」
フーセは苦痛な顔をしてシルちゃんを下ろす
「シルが…た、俺が…した…おっちゃんも…」
「何を言ってる?」
「まてと言っている、小鴉がまだ剣のままだ…それにワッパのもう一本の剣、あれは飛燕!」
(まって、すぐ元に…なんで!?なんで変身もできないの?)
「にいちゃん!俺を殺してくれ!もうだめだ…ダメだダメだダメでダメでダメだダメダメダメダメ…」
「殺せ?落ち着くんだフーセ、そんな事できるわけないだろ、俺がなんとかしてやるから」
「俺が弱いから…みんな死んじゃう…」
「声が届いてないのか?」
「そっか弱いと殺せない、弱い?俺強いよ…」
フーセがセリスに、剣を向ける
「速い!」
「ゥワァーーーーー!!!!」
フーセの剣撃が止まらない
私と飛燕の二本を使い縦横無尽に剣を振るう
(だめ!フーセーー!)
「くっそ、どうしたら…ソフィーさん!どうなってるんですか!?」
(セリスちゃん声が出せないの、フーセを止めて!)
「にいちゃん、俺を殺してくれないの?にいちゃん…助けてよ…助けてよファル姉……シル!…シルーシルーーーー!」
剣撃がさらに加速する
「セリス距離を取れ湖月だ!」
「フーセ!堪えろよ、湖月!」
「遅いよ、にいちゃん…」
(またさっきの力)
「な!」
腕に打撃をくらいセリスちゃんが剣を落とす
「セリス!小鴉お前何のつもりだ!」
(わかんないわよ!)
「ケンローは、黙ってて」
フーセがすかさず剣狼を拾い地面に突き刺す
「こうすると変身できなくなるんだよね?」
(なんで…理の核の力?)
「にいちゃんも…もういいや…」
セリスの肩に剣のつかで衝撃を与えて意識を奪う、セリスはそのまま崩れ落ちる
「ケンロー?シルは俺が殺しちゃったよ…でもね…絶対にお前には渡さない」
そういうと兄さんの柄をを踏み込み更に地面にめり込ませる。
「馬…か…」
再びシルちゃんを抱えると軽く飛び跳ねるように馬にまたがり走り出す。
「シル、帰りたいけど…みんなにする言い訳が思いつかないや…あそこに行こう…」
雨が降ってくる
冷たく
強く
フーセに貼り付ける雨…
フーセの顔からは感情が読み取れないが…
シルちゃんを抱きしめる腕はずっと震えていた。
フーセ視点で書き始めたのですが感情が入りすぎて意味不明になってしまい、書き直し。フーセソフィー、シルの三視点でも書いたのですがやっぱり読みにくくなり、ソフィー視点連投になりました。二章の山場なんでまた書き直すかも知れません。




