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プロローグ
俺です、俺。
藤澤克樹です。
あぁ、よかった。
覚えていてくれて。
無事、高校受かりました。
地元の商業高校です。
部活ですか?
もちろん、硬式野球です。
とにかく、がむしゃらに、やるだけやってみます。
はい、頑張ります。
ありがとうございます。
・・・。
電話で群馬の親戚から励まされた俺。
今の俺の心のよりどころでもある。
中学時代、ホントにドへたくそだった俺が強豪校で野球をすることになるとは。
というのも、活躍したい、というわけでもなく
人間形成、人格形成のために選んだに過ぎなかった。
甲子園は建前だ。
しかし・・・。
俺より遥かに上手い人間がうじゃうじゃいる中で、
良い刺激を受けるには持ってこいの環境。
部活に勉強に精一杯打ち込めばあっという間に3年経つだろう。
地元で味わった苦しみも忘れられ、気が付けば社会人になる。
早く自立したい、でも何もしないで自立するよりかはマシさ。
未熟者なら未熟者なりに今の現状を受け入れてやろう。
いつかは俺、とにかく凄い奴になってやる!
すごい漠然としてるけどな。
だって、これからが楽しみだから!