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2月11日 日本は突如、謎の皆既日食によって暗闇に覆われた。その翌日、日本の常識が崩れ去る事となった。


「伊東総理、各省の大臣が揃いました。会議の方を始めてもよろしいでしょうか?」

「うむ、では始めるとするか・・・、まず状況を説明してくれ」


秘書官に話しかけられた日本国内閣総理大臣の伊藤 久文はそう発言し参加している大臣たちを見渡す。


「では初めに外務省から報告です。昨日2月11日を最後に各国との連絡が取れなくなっております。それ以前に国内の各国大使館の職員が一部を除いて行方が分かりません、それに加え各国に派遣していたはずの職員が代わりに大使館に居るという始末で本省は混乱を極めています」

「法務省でも一部永住許可などを除いた在留外国人の大半の消息が分かっておりません、ただ、帰化系日本人は全員消息を確認しております」


まず、外務省・法務省の両大臣から日本国内の外国人の失踪の旨を知らされる。とはいえ今の日本にはとある理由で在留外国人は100万を切ってしまっていたのだが。


「消えた者たちの捜索を徹底してくれ、他には何かあるか?」

「えー、国土交通省から報告させてもらいます。今朝から全国で震度4レベルの地震が頻発しており、各地の火山でも隆起を確認したり中には噴火を起こしている所も・・・、あとなぜか沖ノ鳥島で噴火活動がおこって島が巻き込まれました」

「被害の確認と現状把握を続けておいてくれ、次は・・、経済産業省の方からは何かないか?」

「JAXAから管理している衛星の反応をロストした以外で報告するとしたらGPSの利用不能により物流に影響が出ているぐらいです」


災害は起こるわ、衛星は消えるはで若干気が滅入りそうな伊東総理に環境省と復興省(庁から昇格した)が追い打ちをかけるように報告が上がる。


「総理、まだわずかではあるのですが二酸化酸素濃度と放射線量の増加が見られます。とはいえまだ人体には影響のないレベルではあるのですが・・・」

「それを受けて復興省のほうで各原発施設に至急点検を命じたのですが、異常はないとのことです」

「二酸化炭素はまだしも放射線はまずいな、原因の究明を急がせろ。あと防衛省の方から在日米軍に原子力兵器が異常を起こしていないか問い合わせてくれ」


放射線という言葉に反応したのか険しい顔しながら伊東総理が防衛省に指示を出す。国内の原発施設が原因でないとすれば他に可能性があるとすれば在日米軍の保有する原子力空母や潜水艦と思ったからだ。


「在日米軍についてなのですがこの事態について報告しようとしたところ基地がもぬけの殻となっており、連絡が取れません・・・」


防衛大臣の言葉を聞きしまったと思う伊東総理、先ほど在留外国人の失踪について報告を受けていたのを忘れていたからだ。在日米軍とて所詮は外国の軍である。在日米軍だけが例外だと考える方がおかしい、さらに報告を聞いたところ消えたのは米軍人のみで装備などはそのまま残っており防衛省は扱いに困っているようである。


「状況はよくわかった。それでなぜこのような状況になったのかわかる者はいないのか?」


伊東総理がそう質問を投げかけるが答えるものはいない、こんな事例などいままでなかったのだから皆も皆目見当も付かないようである。


「ファンタジーみたいに異世界にでも飛ばされでもしましたかしら?」

「いや、そういう場合は基本、外国人も一緒に飛ばされるのが普通ではないのか?」


厚生労働大臣の言葉にツッコミを入れる農林水産大臣だったが、自身も半ばそう考えていたのかそこで会話が終了する。


「総理、事態の究明も重要ですがまずは今後の対応を考えるべきかと」


そう発言したのは内閣官房長官である田中 光秀だった。


「対応を考えるとは言えまずは周辺地域の把握が必要だな、観測衛星を打ち上げるのにどのくらいかかる?」

「衛星の打ち上げが延期となったのが幸いでした。3日以内には準備が終わるかと」

「そうか、くれぐれも慎重に頼む、あと西郷防衛大臣、自衛隊に領域外の偵察をさせたいのだが出来るか?」

「動かせる艦艇・航空機を全投入する覚悟で行わせてもらいます」

「頼むから無理はさせないでくれたまえよ?」


そこで会議は終了し後日周辺の地理について分かった後に開かれることとなった。だが彼らはまだ知らなかった自分たちが置かれている状況が想像を絶することになっていることを・・・

トウジョウジンブツ

伊東 久文 (70)

 2040年時点での現職の総理大臣、自主党に所属。

 政策思想は「現実に則った理想の追求」であり、世間では右派と言われているが政策的には左派中道より少し左辺りである。

 多数の意見を統括する実力はあると自負しているがカリスマ性がない事は自覚しているため専門外のことはその道に精通している者を重要視した運営を行っている。

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