表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

風船 わすれもの

作者: 今見紅妙

「風船」


青い風船が

風につられて登ってゆく

私の手から離れて


その時私は

原っぱに居た

となりに

私より背の高い日向葵が咲いて

蝉がうるさかった

麦藁帽子をかぶった私は

空を見上げた


かざした手の間の

青い風船は

もう小さくなって

空の中


どこへでも飛びたかった

その頃

雲の上が楽しそうだった

空と一緒の 四才の夏


「わすれもの」

自分が自分でなくなる時

子供たちのはしゃぐ声が聞こえます

霞がかった 春のまどろみのように


君が見えます

消え入りそうな黄昏の野原に

過去へと向かう 感情とともに


何かを置き忘れてきたのです

幼い頃親しかった

おそらくは たわいのない何かを


蕭蕭と降る雨の音のように

誰も訪れることのない

ひっそりとした墓のように


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ