記憶をなくした少年
好きなジャンルをぶっ混んだので、素敵な作品にしたいと思います。
プロローグ
「将来の夢、考えてる?」
俺の幼馴染、永遠 七理 当時11歳は下校中、唐突に質問を投げてきた。
「考えてない。」
俺、五月雨 響 同じく11歳は即答する。
「つぅまんねぇ〜奴ぅ!もう小学卒業すんのにぃ。目標や夢かかげとかないとお先真っ暗だよぅ?」
甘ったるぅい、つまらなさそうな声で言葉を返してくる。
失礼な。別にお前に心配されるほどではない。家庭科評価1で、飯もろくに作れん。裁縫は、ミシンで誤って自分の手を縫ってしまうような奴に言われたくない。
それでも、がむしゃらに取り組む彼女の姿勢には驚かされる。全く、何ムキになってんだか。おっとり屋ののんびりさんのくせに。キャラ崩壊か?
「お前の旦那、苦労するだろな。」
「なにか?」
「なんでも」
危機を感じた。なんて殺気をしてやがる。つい身構えちまったじゃねーか。
まあ・・・そういう負けず嫌いなところ、嫌いじゃないね。俺にコイツのこと言わせりゃ幼なじみで、気が合うし、何より一途な性格がとても魅力的なやつだった。
好きな人ができたら、そいつに一生懸命になるだろうよ。旦那は苦労するだろうけど、・・・こいつの旦那は世界一、幸福者だな。嫉妬しちまうぜ。まったく。
「それはそうと、お前の夢はもう決まってんのか?」
さっきの会話をはぐらかすように、俺は七理に質問する。
彼女はなぜか頬を赤らめ、なにかを覚悟したのか、真剣な眼差しでこちらの目を見る。
な・・・なんだよ?カワイイじゃねぇか。
「うん。私の夢はね・・・」
ザザッ・・・ザザザザザザッ
・・・俺の昔の記憶は、ここで途絶えた。
響少年には、これから悲しい出来事がたくさん降りかかります。
それらを乗り越える姿に、ぜひ応援の一言を贈ってやってください。