襲撃
お昼ご飯を食べ終わって、お部屋でまったりタイムです。
王様は本を読んでいて、ウィルさんは短剣を磨いています。
私は海を眺めています。
すると、突然、何隻もの船が瞬間魔法で客船の目の前に出現しました。
帆には骸骨のマークが見えます。
これはきっとただ事じゃないです!
私は王様の頭をベッドに抑えつけて、窓の外から王様が見えないようにしました。
王様はただ事じゃないのを察して、ウィルさんに目配せしました。
ウィルさんは警戒しながら窓の外を見ると、
「陛下。海賊です」
私が簡単に言うと、
「魔法で船が出現したんです」
ウィルさんは驚きながら、
「かなりの手練で、すでに船に侵入してきています」
王様は小声で、
「ウィル。多勢に無勢だ。様子を見るぞ。いざとなったら、俺はメリッサだけは連れて逃げることができる。俺はお前も乗客たちも見捨てるからな」
「それで構いません。必ずや、陛下の御身を守ってみせます」
私たちは海賊の指示に従って、他の乗客たちとともに食堂に集められました。武器も没収されてしまいました。
歩いている最中、王様はずっと私のことを抱きかかえていて、今も抱きしめています。
王様の心臓の音が聞こえる。ちょっと早い。
私を掴む手には汗でびっちょりです。
傍らにはウィルさんもいます。
海賊さんたちは、乗客たちを見回しています。
そして、王様に向かって叫びました。
「いたぞ!仮面の娘だ!あいつを連れて行くぞ!」
「どういうことだ」王様が苛立ちながら小さく呟きました。
海賊たちは王様の元に来て、
「その娘を寄越せ!」
「死んでも離すか!」
王様が叫ぶと、海賊さんに顔を叩かれました!
「がぁ!」
気がつけば、私は叫んでいました。
すると、食堂に白い光が広がって、王様の顔を殴った海賊さんは吹き飛んで、天井にぶつかって、そのまま穴が空いて、海賊さんは飛んでいきました。
「許さないです!」
私はさらに叫びました。
食堂はパニックに陥り、泣き叫ぶ乗客や激怒した海賊たちの怒号が飛び交います。
王様は慌てながら、私の背中をなぜか押しています。
「ひっこめひっこめひっこめひっこめ!」
何か小さい声で言ってるです。
何を言ってるかわかりませんが、頑張って、背中とおっぱいをくっつけるです。根性です。
ウィルさんが困惑げに、
「こんな時に、何女の子の背中を触ってるんですか」
「うるさい!」
王様が鬼気迫る声で叫んでから、また私の背中に向かって、手を押し付けながら、小声で、
「ひっこんでください、ひっこんでください、ひっこんでください」
背中痛いー!
王様のためにも、おっぱいと背中をくっつけてやるです!ガンバ、ファイト!
ウィルさんが再度こちらを見て、ぎょっとして、
「違う違う違う!俺は頭がおかしくなったわけじゃない!」と叫びながら、海賊を殴りだしました。
今まで静かにしていたエチカさんが叫びました。
「女の子をいじめるなんて許さないわ」
取り出したタロットカードを空中に放り出します。
「アルカナの奇跡をお見舞いしてあげる!ホイール・オブ・フォーチュン!」
その魔法とともに、海賊たちの武器がぐにゃりと曲がってしまいました。
海賊たちはパニックになって、乗客たちを無差別に襲おうとしましたが、今度はテレサさんが、
「テレマスヴォルグア!」
その瞬間、魔法陣が出現して、おちん◯さんがやって来ました。
テレサさんが叫びました。
「海賊どもを殺しなさい!」
おちん◯さんが雄叫びを上げると、空間に覇気が放たれて、体の筋肉は膨らんで、貝殻のおパンツもヒヨコちゃんとチューリップのおっぱい隠しも吹き飛びました。
王様も叫びました。
「ウィル!お前もあの二人みたいに格好いい必殺技で戦え!」
「えぇ、俺はかっこいい系はちょっとないです」
「そうなのか」
王様はがっかりしています。
それでも、ウィルさんは素手で戦ってます。強いです。偉いです。
海賊たちは私たちに向かいながら、叫びます。
「その娘はなんとしても確保するんだぞ!」
王様は風の魔法で海賊たちを近づけさせません。
「容赦はしないぞ!」
私も何かしないと。
王様に背中を押さえつけられて、痛すぎたので、ジタバタしながら、考えます。
浮かんできたのはスラムの人々です。
私はその人たちのことを思い出しながら、海賊に向かって、つばを吐きかけました。
「あ、こら、メリッサ!つばを吐いちゃダメだろ!お行儀の悪いことしちゃダメなんだぞ」
王様がきっぱりと言いました。
エチカさんも言います。
「そうよ。メリッサちゃん。女の子のつばはご褒美の場合があるのよ!」
「メリッサのような特殊な環境で仕事をする少女に、そういうことは教えないでください!」
ウィルさんが叫びました。
海賊さんたちはおちん◯さんに薙ぎ払われてます。
王様も叫びます。
「召喚!」
登場したのは銀色の竜です。
さすが、王様すごいです。
王様は息切れしながら、私の背中から手を離して安心したようにつぶやきました。
「よし。ひっこんだ。ひっこんだぞ」
……え?
何か、私の背中から出てたのかな……。
??




