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メリッサちゃんは王様のかわいい召使  作者: 桜雨実世


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30/38

出発!

 私がお城に出る時、王様はどこにもいませんでした。そういう日もあります。

 見送りに来たのは執事様です。

「ウィル様がともに入れば問題ない。あの方はとてもお強いからな。どんな魔物だって百人力だぞ」


 すごい人なのですね。


 私は言われた通り、すこぶる重い鞄と私の荷物が入った鞄を持ち歩いています。


 ヒィ。重すぎる。


 合流したウィルさんが重いカバンを見て、

「持とうか?」


「駄目です!これは王様から誰にも渡すなと言われています!」

「そうか」


 私はあまりにも重すぎて、途中から、目から汗が流れてきました。


「う、うぅ」

「メリッサ。持ってやるよ。いくら王の命令とはいえ」


「だ、駄目です!」

「だが……」

「やめてください!」

「わかった」


 私たちは更に歩きます。


 鞄を引きずったら、王様の大事な鞄が傷つく。

 ヒイヒイ。


「う、うぅ」

「メリッサ。持ってやる!」


 ウィルさんが手を伸ばしました。


「わーん!触っちゃめです!」


 執事様のウィルさんは百人力という言葉が頭の中に蘇りましたが、負けられません。

「う、うぃ。う、うりょい、やりゅのかぁぁ!お、おっりはた、たくさんの蟻をいっぱい、ふんできたんだぞー!やんのか、あぁ~」


「ええぇ!」

 ウィルさんは雄叫びを上げました。


 あわわわ、殺される!


「助けて、おちん◯さん!」


 私は思わず叫んでいました。

 そんな時に後ろから聞こえたのが、

「メリッサちゃん!」

「メリッサ!」


 テレサさんとエチカさんの声でした。


 エチカさんは私の前に躍り出ると、短剣を抜いて、

「ちょっと!たとえ騎士でも貴族でも容赦しないわよ!」


 私は鞄にしがみつきました。絶対離しません!


「違う、俺は違う!俺はこの子と船に乗るように命令されただけで」


 テレサさんは私の頭を撫でながら、

「メリッサちゃん、あの人知り合い?」

「はいです。王様の乳母兄妹で、魔物を百人力で倒す強い人です」

「ちょっとすれ違いがあったんでしょうね」


 私は事情を話すと、テレサさんが、

「鞄を魔法で軽くしたり浮かせたら?」

「!それなら、重くないです。ウィル様、失礼しました」

「いや、いいんだ。ハハハ」

 ウィルさんは船に乗る前から疲れている顔をしています。


 船に乗り込む時、船のお姉さんが、

「えっと……確か」

 すかさず違うお兄さんが、

「いいんだ。その方たちは」

「は、はい」


 ウィルさんは不思議そうな顔をしました。


 そして、船は出港。

 港をあとにします。


 わー、船が動いてます。


 ウィルさんと一緒にお部屋に戻ると、お船と同じくらい王様から持たされた鞄も動いてます。

 わー、鞄すごい。


 次には、鞄からナイフの刃が飛び出してきました。


 ウィルさんが私をかばうように前に出ます。


 切り裂かれた布の下から登場したのは、王様です。


「メリッサ!俺も来たぞ!」

 とても、機嫌良さそうに笑っています。

 でも、普通の人には無表情にしか見えない程度の変化です。


 はいです!


 ウィルさんは何故か四つん這いになっていました。


 王様は、

「なんだ、椅子になりたいのか?あいにく、俺は家臣を椅子にする趣味はない。なあ、メリッサ!」


 そう言って、王様は部屋に備え付けられた椅子に座りました。


「座り心地が悪いな。メリッサ、ほら、俺の膝に乗れ!一緒に海を見るぞ」


 はいです。


 海はキラキラできれいです。

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