船旅の準備
今日は有給休暇の日です。
私は機嫌よくレイエさんと一緒に酒場ふきだまりを目指して歩いています。
雰囲気が明るい町から薄くらい町へと出ました。
今日もおじさんが壁に向かって、木の棒を振り回しながら、
「うぉい!やるのか、クォルァ!お、俺は犬っころも女子供もぶっ殺してきたんだぞ!やんのか、アァ!?」
今日もおっぱいとおパンツが見えそうなお洋服を着たお姉ちゃんがレイエさんの手を取って、
「お兄さん、遊んでかない?」
と声をかけてます。
今日は床でボコボコにされたお兄さんに、お兄さんがつばを吐きかけていました。ばっちい。
このあたりはいつもどおり、馴れ馴れしい人が多いです。
酒場ふきだまりに到着しました。
今日は知らないおじさんが、涙を流しながら、
「あの時、あんなことをしなければこんな町に逃げ隠れなくて済んだのに……」
「おじさんは何した人なんですか?」
訊いてみたところ、おじさんは、
「ああ。実は……女房の不倫相手を刺しちまって……」
「そうですか。おじさんみたいな人ばかりです」
カウンターの中でテレサさんが、
「メリッサちゃん。ここはそういう人がお仕事をもらいに来たりお酒を飲みに来る場所なのよ。だから、そのおじさんみたいな人しかいないのよ。おいで」
「はい」
私は言われるままにカウンターの中に入りました。
「テレサさん!おちん◯さん出して!」
「はいはい」
テレサさんは呼んでくれました。
私はおちん◯さんに、
「お久しぶりです。今日はわるもの退治ごっこをしましょう!」
おちん◯さんが頷きます。
「まずはイモムシ退治です」
瞬間、おちん◯さんはレイエさんを殴りました。
「あぁ!その人はレイエさんでしょ!いもむしさんじゃないの!」」
でも、何回やり直してもおちん◯さんはレイエさんをしばきました。
「もういいです!おちん◯さんの意地悪!」
私は本題に戻ってテレサさんに船旅が当たったことを伝えると、テレサさんは驚いて、
「私も同じ旅行に当たったのよ。エチカさんを誘っていくつもりよ」
「わあ、じゃあ、船の中で一緒に寝ていいですか!」
「甘えん坊さんねー。いいわよ」
「やったー」
テレサさんがレイエさんを見て、
「船に同行するのはレイエさんなの?二人一組よね」
「さあ、どうでしょう」
レイエさんがコーヒーを飲みながら言いいました。
……。
私はレイエさんを見て、
「私、レイエさんよりイモムシのほうがいいです。この間、ダンジョンを一緒に冒険したんです。もうどこかに行っちゃったですけど」
「メリッサ嬢!それは本気ですか!?」
レイエさんがいきなり椅子から立ち上がり言いました。
わぅ。びっくり。
私は頷いて、
「次はイモムシさんの上に乗って、お馬さんみたいに進むんです!」
テレサさんが驚いたように、
「メリッサちゃん。イモムシさんを乗り物にしちゃうの?」
「お馬さんみたいにきっとカッコいいです!」
「カッコ悪いわよ」
「テレサ嬢!悪くないですよ!」
レイエさんが強い口調で言ってから、
「しかし、メリッサ嬢。イモムシを乗り物にするのはいささかやりすぎではありませんか?」
「じゃあ、おしり拭いてあげます。この間、すごく苦しそうにうん◯したいって叫んでたので」
「叫んでませんよ!」
その後はメリッサさんに船旅に持って行くものリストを作ってもらって、買い出しに行きました。
私は機嫌よく歌います。
「ランラン。イモムシのうん◯〜は大きいぞ」
「大きくありませんよ!その歌やめなさい」
お城に帰宅すると、王様と王様の乳母兄妹の騎士であるウィルさんがいました。
王様が、
「メリッサ!お前の旅のペアにはウィルが同行するぞ!いいか、ウィルが旅の道中にお前の体に触ったら、帰ったら俺に報告するんだぞ!それと、人影がない場所とか物陰に行こうって言い出したらついて行くんじゃ謎!男は何するかわからないからな!」
わかったです。
私は力強く頷きました。
ウィルさんは呆れたように、
「そんなことはしませんよ。メリッサ嬢、三泊四日仲良くやりましょう」
はい、私は頷きました。
王様がウィルさんに、
「メリッサは心の中ではいと言っているぞ」
「何を言っているのかわかるんですか?」
「メリッサの言葉だけなら、わかる。フィーリングで感じ取れるし、想像で補完できる」
「捏造……」
「王に対して無礼であるぞ」
「申し訳ございません」
王様は、
「メリッサは異国の仮面教の教徒っていう設定だからな。船でもしっかりと仮面教の魔法使いとして仮面を外さずローブを着ていろ!ちゃんと仮面強にふさわしいかわいいローブも作ってやるからな!」
お面教として頑張ります!
ウィルさんが戻ってから、王様は大きな旅行鞄を持ってきました。
「いいか、メリッサ。お前はお前の荷物を入れたカバン以外にもこのカバンを持っていくんだぞ!これは命と同じくらい大事なものが入っているカバンだから、絶対誰にも渡すなよ!」
はいです!!
渡しません!
旅行当日、私は私の鞄ととても重い鞄の2つを持ちながら、船へと向かいました。




