船に乗れるみたいです!
ある日のことです。
久しぶりに懸賞に当たりました。
何かな、何かなー。
ワクワク。
顔が自然とほころんでしまいます。
封筒を開けてみると、わあ!
豪華客船の旅
三泊四日ペア旅行券。
わあ、旅行券です!
すごいすごい!
でも……。
私は行けません。
王様の召使なので。
どうしよう……。
そっか!
私は有給休暇願いを書きました。
有給休暇願い
理由
懸賞で当てた船旅のチケットを売りに行って、その金で遊ぶ
早速執事様に提出です。
執事様は有給休暇願いを読んで、
「チケット?」
「はい」
「船旅の」
「はい。あげません!売った金で遊ぶんです」
執事様はふんふん頷いてから、眼鏡をクイクイしてから、 チケットを持って来いと言いました。
あわわわわ。
盗られたらどうしよう。
命令には逆らえません。
あーん。
私は部屋に行って、チケットを執事様の元に運びました。
執事様はチケットを確認してから、一言言いました。
「メリッサ。これに行ってしまえ」
わう?
!
それなら、有給休暇願いを書き直さないと。
私はお部屋に戻ってから、有給休暇願いを新しく書き直しました。
有給休暇願い
理由
テレサさんに船の旅の相談をしに行く
有給休暇願いを見ながら、
「相談……。まあ、船に乗る前に一度、外に行って、必要なものを買う必要があるだろ」
やった!
※※※
メリッサが去ったあと、執事のルンメルはため息をついた。
アリューデ王妃の偽妊娠事件は流産ということで、表向きの処理は完了し、王妃の母国から謝罪の使者が来ることも決まった。
問題はその使者である。
王妃の兄はメリッサとの面会を強く希望したのだ。
青の貴公子と呼ばれる若き王と彼に仕える仮面の召使の恋物語。この歌が大陸中で流行り、そのモデルが王とメリッサだとされている。
この歌のせいで、王宮内でも王とメリッサの関係を疑う人間が多くいる始末。
メリッサは二十歳を超えているが、肉体も精神年齢も子どもそのものである。
そんな子どもに手を出すような変態ではないが、世間はそれを信じてくれない。
面会させてもさせなくても噂は益々広がるだろう。
それなら、船に乗せてしまおう。
それがルンメルの思考だったし、王もメリッサを他国の使者に合わせるくらいならと頷いた。




