祭りの始まり
明け方。
外がとても騒がしくて私は目を覚ました。
テレサさんも起きて、窓の外を見て、手で口を覆いました。
私も仮面をつけてから、外を見ると、路上に大きな黒い塊が現れ、そこから魔物が大量に出現してます。
わあ、特大のダンジョンです。
困りました。
明け方だから、寝込みを襲われて家々から悲鳴が上がっています。
黒い羽が生えた魔物が空を飛んで、私たちに襲いかかろうとしましたが、寸でのところでレイエさんが木の棒で魔物の頭を殴りました。
「どこから出てきたですか?」
私が寝間着からワンピースとローブに着替えながら尋ねると、レイエさんは言いました。
「そんなのはあとですよ!祭りが始まったんですよ!さあ、行きましょう、メリッサ嬢」
「祭り?これが祭りというものなのですか?」
お城で王様から教えてもらった祭りとは全く違います。びっくりです。
テレサさんが「テレマスヴォルグア!」短くそう言うと、おちん◯さんがどこからか出てきて魔物たちを立派な腕で、おしりを丸出しにしながら薙ぎ払っていきます。
もう、はしたないんだから!
冒険者の人たちは魔物をかいくぐってダンジョンへと入っていきます。皆、目の色がいつもと違うです。
テレサさんが、
「これくらいの巨大なダンジョンが登場したということはそれだけ強力な魔石が手に入る可能性が高いのよ」
「そうなんですか」
レイエさんが目を輝かせながら、
「そうなんですよ!さあ、行きますよ!特大の魔石を手に入れるんです!」
「私は戦闘は無理ですよ!」
「後方から簡単な回復魔法を使って、冒険者たちを回復すればいいだけですよ!」
そう言って、レイエさんは私の襟を掴んでダンジョンへと飛びこみました。
レイエさんは高笑いをしながら、
「俺は運命を変えるんだ!さあ、メリッサ嬢どんどん回復魔法を使って、冒険者たちを回復してあげてください。じゃないと、町に魔物が溢れてきますよ」
「は、はい」
私は言われたとおりに石の洞窟という言葉がピッタリのダンジョンへ行き、回復魔法で冒険者さんたちの傷を癒やします。
でも、魔物の数がすごいし、強くて、冒険者さんたちも押され気味です。
レイエさんは私の横で苛立ちを露わに、
「クソ、もっとダンジョンの深部に行けるかと思ったのに、人間どもが束になっても糞の役にも立ってねーじゃねーか」
冒険者さんたちが薙ぎ払われて、逃げ出す人たちも増えてきました。
そこかしこから、
「もう終わりだ!」
という叫びが聞こえます。
ダンジョンの奥から大きな角を生やした灰色の鹿と人間の体がくっついたような不思議な魔物も出てきました。
この不思議さんは腕を振り払っただけで、冒険者のほとんどを吹き飛ばしました。
見えない波が私たちのところにもやって来て、レイエさんは私を抱きしめて、仲良く二人で吹っ飛びました。
この一撃で冒険者さんたちはほとんどが走って逃げ出していきます。
レイエさんは歯噛みして、
「クソ!」
テレサさんとおちん◯さんもやって来ました。
テレサさんは不思議さんを指差しながら、叫びました。
「あいつを殺して!」
おちん◯さんは躊躇することなく、不思議さんにぶつかりました。
見えない衝撃波でダンジョンも私たちも揺れます。
レイエさんは私をしっかりと掴んで、
「メリッサ嬢!奥へと行きますよ!宝探しだ」
「待ちなさい!その子はおいていきなさい!」
「行くか、馬鹿!こいつこそが切り札だぞ!」
レイエさんは私を抱えて、走り出しました。
「ハハハ。ハハハ。俺は、俺は自由になれるんだ!」
不思議さんとおちん◯さんの横を通り過ぎ、ダンジョンの奥へと進んでいきます。
明るさは徐々になくなっていき、薄暗くなってきました。
大量の魔物が現れましたが、レイエさんが、
「しょうがねーな!」
そう言って、木の棒でどんどん薙ぎ払っていきます。
レイエさんは叫びました。
「メリッサ嬢!この魔物どもになんでもいいから魔法を放ってください!」
「わかりました!」
私は王様を守るために教えてもらった簡単な攻撃魔法で魔物たちを攻撃しました。
とっても簡単な火の魔法なのに、魔物たちにはてきめんに効いて、倒れていきます。
「ハハハ!やっぱりな!メリッサ嬢行きますよ。この奥に魔石があるんですよ!」
「は、はいです」
私たちは進んでいましたが、背後からテレサさんの声が聞こえました。
「止まって二人とも!メリッサちゃんは置いていきなさい!」
「置いていくわけねーだろ!」
レイエさんが叫びます。
「テレマスヴォルグア!メリッサちゃんは奪い取って!」
ちょっと傷だらけのおちん◯さんが私たちに向かってやって来ました。
「その程度の魔人!ぶっ殺してやるよ!」
レイエさんは木の棒一本でおちん◯さんに襲いかかりました。
二人は激しくぶつかり合い、レイエさんもおちんこさんも傷だらけでボロボロで、ダンジョンが揺れます。
黒い波動が周囲に溢れました。
テレサさんが私に向かって、
「メリッサちゃん!おいで!その先は危険よ!」
私は行こうとしたのですが、レイエさんがガンギマリの目で叫びました。
「ガキ!行ってみろ!メルヴェーユの命はねーぞ!」
うぅ。
行けないです。
そして、おちん◯さんとレイエさんの戦いは終わりそうにないですが、ダンジョンに切れ目が少しずつ入っていきます。
私の足元が崩れて、私は落ちました。
溶けかけのレイエさんもすかさず飛びこんで、私を抱きしめました。
「クソクソクソクソ!」
レイエさんが叫びます。
うぅ。
私は……。




