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痩せし犬に逢いて我が心スクリーンに投影せり
朝五時の我が涙色の金星に
三日月はぼやけなにゆえにそこまで輝くか我が星よ!
嘘で固めし言葉の渦よ!
三日月と明星!
アローの如く引き合う星月
琴線をいたづらに張りて詩境に浸かろうとすれば
興の醒め割く烏の泣き声
痩せし犬に逢いて我が心スクリーンに投影せり
飼い主の足跡にびくつき蚊帳の外
啄木の一詩一詩に声をかけ
清らかな風情見せて戴き
愚鈍な私自覚させられ
はかなき美しさと我がずるさ甘さにおそれふてぶてしくなる
正義弱き人々の集まり
正義以上の清らかな祈りを浴び感謝をしたし
しかしやはりうまく示せず
うまく思えず美しき青き川面の透明さよ。
清き美しさに心奪われる時
すれ違う人間への嫌悪感はなんだ?
我もまた美しき黎明の風景を乱すひとつか
烏ににたる境涯か
この風景は甘露か水か業火か
風景は甘露で私を含めた人間は業火か
できることなら詩情のなかに浸っていたい
現代文明の悲しさよ
それに追従する私の愚かさよ
今の私には気取りはほぼない
無警戒無防備
いや徐々に犯されている現代文明の安逸さに
気取らず夢に閉じ籠もらず毅然と
でも威張らず関わりを大切に
2004年・夏




