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側にいる為に必要な事〜黄金の王女〜  作者: Kurakura


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エピオテス 6

エピオテスのエピソードはここまでになります。

 

 俺は悩んでいた……


 先日の揉め事が夏季休暇の前日だった為、アウローラに会えないまま二日経った……

 

 学園でも会えるからと、婚約者としての茶会は月一になっていて

思い付きで茶会をするにも、前もって約束を取り付けるのが礼儀だ…

 ダンスのレッスンも終了してしまってるし……


 会う口実が思い付かない……

()()()()と言う理由だけで、押しかけるのが許される関係も築けてない……


そもそも会って何を話す?

(この前、殺気放ったよね〜)とでも言う気か?

「馬鹿か……」

広い自室に、独り言が落ちる…


 何より困惑が治らない…

確かに…()()()()()()とは思ったけど……


 アウローラの殺意を思い出すと、背筋が寒くなる…

歴史を見ても、ここ数百年…外国間で揉め事もなく…久しく戦争が起きて無い。

 内政も安定してて、百年ほど大きな暴動の記録も無い。

 内外共に人の血を見る様な争いは無いので、()()()()()()()()が飛び交う場面を知らない。

剣術の訓練で剣気は向けられても、あんな風に憎悪のこもった殺意は…

人に向けた事も、向けられた事も無い。


 騎士団で学んだ内容に、魔獣の討伐がある。

そこそこ強い魔獣に向かっていった事もあるから、強い殺気に晒された事は何度もある。

狩を学ぶので、生き物を殺す事も何度も経験した。

 初めて鹿を狩った時は、少々吐き気を覚えたが……最初の一回だけで、今はもう慣れた。

 

十六歳にしては、王族として、戦いや死と言うものに向き合っていると思うし経験値もあると思う……


 それなのに、アウローラの放った殺意は受け止める許容を超えた物だった……

護衛の腕が確かな侍従が、結界の魔法を使いそうになったと言う程だから…

桁違いなのは間違いない。


 何より困惑の一番の要因は、

いつも穏やかな笑顔のアウローラが濃い憎悪を乗せた殺意を放ったと言う事だ……

これが、鍛えられた体躯の騎士なら納得する。

 普段から感情を露わにする人物であれば、身構える事も出来ただろう……

しかし、アウローラは出会ってから八年…

 ただの一度も感情を見せた事がなかったのだ。

 淑女の見本の様な完璧な王女が、一秒にも満たない一瞬…本気の殺意を見せた……


「昨日は何故……」


何故…

何故?……なんで???

あれ?……困惑の要因は何だった?

アウローラが殺気を放ったから?

殺気を放ったのがアウローラだったから?


 アウローラは一度も感情を見せた事が無いのに、初めて殺意と言う感情を見せた(放った)

これが困惑の要因の一つなのは間違いない…


殺気を放ったのが()()()()()だった……


 殺気を放ったのが他の者だったら、困惑しなかったのか?

そもそも殺気を放つ様な場面だったか?

 確かに…あの男爵令嬢は無礼で不快だったが…殺意を抱くほどだったか?


男爵令嬢の行動があまりにも不快で…と言うなら、最初に現れた時に殺気を放ったはず……


 アウローラの殺意が衝撃的過ぎて…原因の方に頭が回らなかったが……

 アウローラが殺気を放ったのは……男爵令嬢が俺に告白した瞬間……


「…男爵令嬢が俺に告白した事が許せなかった……?」


 ガタッと音を立てて勢いよく立ちがる……


顔に熱が集まる…俺は口元を手のひらで抑えて考える……


 待て待て待て待て……

まさか…アウローラは……


……俺に好意を寄せている?


俺に告白して来た令嬢を殺したい程に?


頭を抱えて…益々顔に熱が上がる。


いや…待ってくれ!

なんだ?…俺は何だ? 今……


喜んでるのか? 


 アウローラの気持ちと同時に、自分の気持ちにも気付いてしまった……


『アウローラが俺にヤキモチを焼いた…』


人生で()と言っていい程の()()を覚えたアウローラの殺意を()()()()なんて可愛い言葉で片付けてしまう程に


浮かれた……


 頭の中に、今まで見てきたアウローラの姿が浮かぶ……まるで目の前にいるかの様に鮮明に思い浮かべられる。

 初めて会った幼少のアウローラまで…


 俺は……こんなに事細かに思い出せるほど彼女を見てたのか?…


自分の送ったウィンタースイート(香水)が香る様な気がする


「俺は……アウローラが好きなんだ……」


感情がグチャグチャだった……



 コンコン!と強いノックがされて、ドアの外から侍従が呼びかけて来た。

「エピオテス様!大変です!!!入って宜しいでしょうか!」


 俺はまだ…気持ちが整わないまま、緊急事態なのだと察し。入室を許可した……

 多分、俺の顔はまだ赤い筈だが…侍従はそれに気付かない程、慌てている。


「先程、アウローラ様の弟君が。来訪されました!」


「はあ?」



次は、もぉ一人の主人公のエピソードに入ります。


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