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側にいる為に必要な事〜黄金の王女〜  作者: Kurakura


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エピオテス 4


 あれから、母上に会いたい気持ちと、会えない理由は何だ?と、少し頭を悩ませたが……


 父上は「立太子の頃には…」と言ったんだ。

 いずれその時は来るんだから、()、悩んだところで無意味だ……

 俺は悩むのをやめた。


 それからの俺は、馬術・剣術・体術・魔術の体得、習得に励んだ。


 体を鍛えるのは楽しかったし…動いていれば無駄に悩む暇がなく。心地良い疲れで夜もグッスリ眠れた。

 剣術は騎士団の訓練に混ざって学び…

騎士団員と過ごす時間が増えたせいか、自身の口調も少し砕けた様に思う。

 

 アウローラとの交流もしっかり行い……一緒の時間も息苦しくは無くなった……

 お互いに貼り付けた笑顔で、国の未来や政治の話し…

学園に入学してからは〜などの話しで、二人の時間を卒なくこなして行く。


 そうして一年と少し経ち……

今、俺とアウローラは学園に通っている。



 入学式から半年近く経ち……アウローラの美しさは増す一方だった。


 波打つ黄金の髪は腰まで届き

金のまつ毛で縁取られた、少し垂れた丸い大きな瞳は

甘さを感じるほど濃い蜂蜜色。

体型は女性特有の丸みを帯びて…

 学園の制服も、深い赤のジャケットにレンガ色のスカートはアウローラに良く似合っている。

 俺に向ける柔らかい笑顔…

たとえ瞳に感情が隠ってなくても、俺達は仲睦まじく見えるだろう。

 今の二人の関係に不満も不安も無い。とても上手く行ってると思う……


 ただ少しだけ…ほんの少しだけ、寂しさを…

いずれ伴侶として共に長い時間を過ごす…その礎が築けているのか?

これで合ってるのか?……

 

彼女の考えが分からない……今の関係に困ってる訳じゃ無いから、踏み込んで聞くことも出来ない…そもそも何を聞くと言うんだ……

 何を……

俺の事をどう思ってるのか?……

 そんな事、聞ける訳ない……

じゃぁ俺は彼女の事をどう思ってるんだ?……

 俺たちは正しく進めているのだろうか……


俺は臆病だ…



 俺もアウローラも学園で交友関係を広げていく。

将来…公私共に自分たちを支えてくれるであろう者達と友好を深めて行く。

 相変わらずアウローラの瞳に感情が宿る事はない……誰と過ごしていても。

アウローラが特別に想う人間は()()()


その事に安堵している自分には気付かなかった……


 俺は乗馬クラブに…

アウローラは園芸クラブに入った。

魔法が得意な彼女らしい…

 園芸クラブは魔法を駆使して植物を成長させたり。品種改良などをするんだそうだ。

俺は馬の事を…彼女は植物の事を…お互いの勉学や交友関係の近況もちゃんと話す。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 学園行事の一つ、剣術大会…

自由参加で男女分け隔てなく、腕に覚えが有る者は出場できる。

 俺も勿論出場した。


慣例として、出場者には婚約者(居なければ身内)から刺繍を施した腕章を送る。


 婚約者の居ない者の告白イベントとなっているらしく

 出場する男子が女子に「作って欲しい」と頼む事で好意を示したり。

 女子が婚約者の居ない男子に「差し上げたら付けて参加してくれますか?」と打診して好意を示す。

 女子が出場する時は男子は木彫りのバングルを送る。

 両者が出場する場合は揃いのモチーフを施して盛り上がる様だ…


密かにイチャイチャイベントな訳だ…


 俺が参加を申し込んだ日の帰り


「エピオテス様の腕章、なるべく早く仕上げますね。」

アウローラはいつもの笑顔で言ってきた…


 まだ学園の中、馬車乗り場までの移動中で

周りには大勢の生徒が居る場所での会話で…

 人の目のある所で、私的な事を話すのが珍しくて驚いた。


驚いたが…

 いつもの貼り付けた笑顔だったアウローラに

俺もブレずに貼り付けた笑顔で

「ああ。楽しみにしてるよ。」


ありきたりな言葉を返した…


 貰った腕章にはアイビーと

「……これは…蝋梅(ウィンタースイート)?」


 アウローラがこの国に来て、初めて迎えた彼女の誕生日にプレゼントした香水の香りが

ウィンタースイートだった…


 アウローラは濃い金髪に、蜂蜜の様な濃い金眼で

 周りの者は「華やかな」「艶やか」「煌びやか」と評してゴージャスな美しさを讃えているが…


 俺の目には、嫋やかで….奥ゆかしく…慎ましく…

でも凛としっかり立つ…

 雪原に咲く蝋梅が、存在をしっかりと示す様に優しく…甘く香る様な…

アウローラが何処に居ても、何処にいるのかすぐ分かる…

 優しい灯火の様な柔らかい存在感…


 だから、俺のイメージするアウローラに合わせて

ウィンタースイートの香りの香水を送った。

アウローラの様な優しい香りの香水を…



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