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側にいる為に必要な事〜黄金の王女〜  作者: Kurakura


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ソールとエピオテス 4


 合図を頼んだ騎士団の班長が両者の様子を確認しながら

「よろしいですか?………」

と声をかける


ソールは、間合いを取るエピオテスをジッと見た


「始め!」


 合図の声と同時にソールは、五メートル程ある間合いなど、無いかの様に一瞬で詰める。



ガキイィン……


『流石!…反応が早い。』

 ソールは真っ直ぐ打ち込んだ

それを真正面で受けたエピオテスの表情が軋む…

 体格差からソールは下から押し上げるように打ち込む

それをエピオテスは上から押さえ付ける大勢で力を込めるのだが…ソールに押し負けそうになる…

 体勢を立て直す為か…距離を取るために受け流された…が

ソールは、受け流された剣を引き摺るようにエピオテスを追う

 距離を開けさせず、今度は至近距離から打ち込むソール


 カンッ ガンッガンッ


エピオテスはソールの打ち込みを再び真正面で受け

 上から叩く様に返し、追随されないように

その場に押し留め…後方へと距離を取った


ソールは

対戦相手が自分より大きい事に、慣れている。

 それも当然、幼い頃から剣術に勤しんで…

なまじ才能があるから、対戦相手は大人の実力者ばかりになる。

 自分より小さい体格の対戦相手なんて、双子の妹達位だ…

なので、ソールにとって体格差は不利にならない。


『上手いな…判断が早い…もぉちょっと力が入れば折れたのに…そう簡単にはいかないか…』


そう思っていたら

 今度はエピオテスの方が斬り込んできた


ソールの左斜め下から、足の踏ん張りが効かない様…掬い上げる様に打ち込まれた


ソールは剣で受けながら、その力に逆らう事なく右に飛ぶ…


『早いし…強い…タイミングを合わせるのもギリギリだ…』

今度はソールの方が距離を取る…


『……手数で攻めて、体力と集中力を削ぐにも時間が掛かりそうだ……まぁ持久力に自信はあるけどね♪』



 二人の手合わせを見ている団員達は

自分達とのレベルの違いに声も出せずにいた…

新米の騎士などは目で追う事も出来ない。



打ち合いが続き、お互いに息が上がって汗が滲み始める。

そんな長期戦の打ち合いの中、ソールは()()が気になった


『……………なんか変だ……』


 エピオテスに手加減をしている様子も余裕も見られない…

なのに、ソールにはエピオテスは全力では無いように感じる…


『体力を減らしたくは無いけど…一発強く行ってみるか…』


ソールは、続く攻防の合間

大きく距離を取ってから、即時に間合いを詰め…

エピオテスの真正面に渾身の力を込めて打ち込む


ギイイイィィィインッッ!!!


 剣が折れるかと思うほどの一撃を受け止めたエピオテスに、ソールは()()の正体を見た。


一瞬…攻撃を受け止めた一瞬……常人の目には絶対に気づけない一瞬…

 エピオテスの体に、細い細い…髪の毛一本程の細さの鎖が

煙の様に…幻の様に…エピオテスの体中に纏わりついていた。


『………魔法で体に制限をかけている…?……全力を出さないように?……いつから?……いや、常にか…………』


ソールは

もう一度、エピオテスから間合いを取った


ジワリジワリと怒りが込み上げてくる

『………つまり僕は魔法を解除するに()()()()って事か?』




◇◇◇


 互角の打ち合いが…もう十五分以上続いている



息を詰めていた騎士達もさすがに騒つき始める

「……信じられない」

「…団長クラスじゃないか…」

「こんな激しい応酬…いつまで続くんだ?」

「御二方とも…人間業じゃない…」

「だって、まだ子供だろう?王族って凄いんだな……」


 そんな団員達の呟きを耳にして、ソールの従者のムシュレは思う


『ディアマント家は皆んな体力オバケだからな…エピオテス様もソール様と、そう変わらないだろう…それにしても……』


ムシュレは対面の離れた所に立つアセロに目交わす

『エピオテス様側の従者の様子が気になるな…』


アセロは小さく頷き、把握の意思を示す

『アセロも気づいてるか…』


自分と同じ[海の民]の一族の二人…

『あの二人の緊張感は一体…?』


 普通を装っているが、なんとなく感じる緊張感…

自分達も王族の従者だからこそ気付けたのだろう

『何かを警戒している?……王族同士とは言え、ただの手合わせに()()警戒しているのだろう

御二方とも若いとは言え申し分無い実力がある……大怪我の心配はしていないだろう…

外交への影響を心配してる様には見えないが…』


そこまで思考を巡らせた所で


ギイイイイイィイン


エピオテスの剣が弾き飛ばされた。


『勝負が付いたな。』


会場の騎士達から喝采と遺憾の声が上がる。


「……ソール様?!」

ソールの異変に気付き、声を掛けるムシュレ

アセロも異変に気付きソールに声を掛ける

「ソール様!どうかなさいましたか?!」


ハァハァハァ…と両者が酸素を求めて、大きく呼吸する音がする広場…


その広場にソールを中心に威圧感が広がっていく…

肩で息をするソール…その肩が微かに震えている


右手を摩るエピオテスを睨みつけ…

ソールはギリギリと奥歯を鳴らす。黄金の瞳がギラリと光った様に見えた…


「………馬鹿にしてんのか?」

ソールはエピオテスに、そう問いかけた。




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