ソールとエピオテス 2
ソールは
ペラペラペラ〜っと一気に捲し立てる
「エピオテス様は剣術がとてもお強いと聞きまして。
僕は剣術にも努めているんですが、僕がいけないんでしょうね…鍛錬に王宮の近衛騎士達や騎士団の方々を付き合わせては、疲労困憊にさせてしまって…お陰で上達できたのですが、僕と対等に手合わせ出来る相手が、役職に就いた忙しい身の者ばかりになって…自国では誰も僕の相手をしてくれないんですよ。
退屈していたところにエピオテス様の武勇伝を聞きまして♪ これは是非とも!手合わせ願いたいと。伺った次第です。」
『あ〜〜…退屈って言っちゃった〜』
ソール付き従者の二人は心の中で冷や汗をかく…
これでは、『退屈だから暇つぶしに相手をしろ』と言ってる事になってしまう
従者の二人は主人が失言したと思ってる様だが
ソールは敢えてあからさまな言い方をしている
不快感を植え付け『早く返したい』と思わせようと
では、早く帰らせるには?
手っ取り早く願いを叶えれば良い…ソールご所望の剣術の手合わせを。
『僕が来てるのは直ぐに姉様に伝わるはずだ…』
ソールは自身の剣術の腕前に自信があった。
とにかく、エピオテスを打ち負かしたい…
アウローラに知られたら止められる…
自身に掛けた[感情を抑える魔法]が解けそうなほどに
感情が昂ぶっている事に、気付いていなかった
そんな発言を受けたエピオテスは
「そうですか…」
『武勇伝…?学園の剣術大会で優勝した時のことかな?…あんな学園行事…武勇伝だなんて、恥ずかしいな……』
「「………………………」」
どうやら、エピオテスには伝わらなかった様子である。
『……もぉちょっとストレートに煽ろう…』
「僕はエピオテス様に勝つ自信があるんですが♪ エピオテス様は如何ですか? あぁ…僕みたいな子供相手じゃ本気出せないですか? でも、今なら「子供相手だから手加減してやった」って言い訳できますよ♪」
ソールは
向かいに座るエピオテスにニコニコと笑い掛け、煽り発言をしながら脚を組んだ。
ソールの従者は自分達の主人が、主人の姉王女の婚約者である隣国の王子に喧嘩を売っている事実に
まさかこんな事になるとは…と蒼ざめている。
エピオテスの従者達も、祖国の王子が今の主人に喧嘩を売っている…と動揺を隠せないでいる。
ソールの言葉に、エピオテスの眉がピクリと動いた。
『…………随分あからさまに煽ってくるな……どうするか……』
少し思案して
「………お相手しましょう。」
と言って、エピオテスはソファから立ち上がった。
エピオテスは後頭部を掻きながら思う…
『一度手合わせすれば満足するだろう。』
『よっし!』
「ありがとうございます♪」
続いて直ぐにソールも立ち上がる。
「ソール殿…」
エピオテスはソールに顔を向ける。
「はい。なんでしょう?」
「この宮から闘技場までは一里と少しあります。準備運動を兼ねて走りましょう。」
そう言ってから侍従に指示を出す。
「ソール殿とお連れの従者方に着替えを。」
二人は侍従達と共に闘技場へと移動する。




