表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
側にいる為に必要な事〜黄金の王女〜  作者: Kurakura


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/19

ソール 8

ソールのエピソードは最後になります。


 青い青い空と海…

その境界線にアウローラの乗った船が小さく見える……


ソールは

遠くの船を見つめながら昨日の事を思い出していた…


「やっと会える…やっとよ……あぁ…ドキドキする……絶対失敗しちゃダメ!…しっかり感情を抑えなきゃ!!今以上嫌われたら婚約が無しになっちゃう……完璧な婚約者じゃなきゃ……完璧じゃなきゃ…」


 最後に二人でお茶でも飲もうと

出立の前日に時間を取ってもらった…

緊張からか…喜びからか…

アウローラはブツブツ言いながら部屋の中をウロウロしている。


 しばらく会えなくなるのに…

アウローラの頭の中はエピオテスの事でいっぱいだ……


五年前からずっと……



 ソールは

小さくなった船を見送りながら

自分に[感情を抑える魔法]をかける……


どんな感情を抑え込んだのかは、よく判らない。



****************



 アウローラが留学しても僕の日常はさして変わらなかった……

六歳になった双子の妹達が厄介になってきたので、子守りをするのが楽しかったし♪


魔法の訓練も順調に終えて

「実力はアウローラより上じゃないか?」などと兄様達は言う…


「そうは思えないケド…」

謙遜じゃなく本当にそう思う。

 

側に居なくても、僕は相変わらずアウローラの背中を追いかけてる。


 ザハブ叔父様やカミールと一緒に、竜の里を訪ねたりもした。

(卵関連の騒動の謝罪を兼ねて)


 そうして、たまにアウローラに手紙を書く…


こんな事ができる様になった…

こんな事をマスターした…

 ()()()()()()()()()()できる様になったと…

僕がどれだけ成長したのかを書き連ねる。

勿論こちらの家族の近況、国の様子なども少し添えて。


返事には

さすがソールね。

ソールは凄いわね。

ソールなら出来ると思ったわ。


 かつて、手を握り…笑顔を向けて掛けられた言葉が

便箋の上に綴られている。

 手紙を読むたび…何かの感情が燻る…

その感情が大きくなるのが嫌で、また自身に[感情を抑える魔法]をかける。



 そうしてアウローラが留学して三年程…

僕は十四歳になり

最近、する事がなくなった…


王都に有る本は殆ど全部、読んでしまった。


 九歳になった双子は

随分前から手が掛からなくなったし…

何より女子なので関わりが減って来た。

 来年、十歳になって魔法の訓練が始まったら

相手をしてやれるから、楽しいだろうけど……

まぁ、来年の話しだよね。


 十九歳になったカミールは、以前交わした契約の為に

竜の里で過ごしている。


 二十一歳のアバンサールは、王太子としての公務と来年に予定している結婚の準備に忙しいし……



 自分の宮の庭園で、ガゼボに作り付けられているベンチに寝転がりながら…

退屈と戦っている。


「つまんないなぁ〜」


「最近、気力が薄れてますねぇ」

そう話しかけてきたのは、十歳の頃に僕の専属侍従になったムシュレだ。

彼は[海の民]の一族で…

 王族には最低でも一人は、結界・防御魔法が得意な[海の民]の一族の出の者が侍従に着く。


「騎士団の訓練所に行って剣術でもしますか?」

もう一人の侍従、アセロがそう提案してきた。

アセロの母親はウナヴォルタ国出身で、高い治癒魔法の特性を受け継いでいる。


 どちらも長兄のアバンサールと同年代だ。


「うーーん……剣術もなぁ〜、みんな本気出してくれないからなぁ。」


「そんな事ないですよ!みんな本気で全力でやってますよ!ソール様が強すぎるんですよ!自分が本気出してないからって、周りも皆んなそうだと思わないで下さい!」

ムシュレに怒られた…


続いてアセロが

「まぁ、ソール様が本気出しても大丈夫な相手なんて、騎士団長や副団長クラスじゃないと無理でしょ。」


「はぁ〜!つまんない!」


「そー言えば。」

アセロが思い出した様に話し出した…


「アウローラ様の婚約者のエピオテス様は大層お強いそうですね。」


「そーなの?…誰情報?」

起き上がり、ベンチに片膝を立てて座り直して尋ねる。


「アウローラ様付きの従者からの定期連絡から口伝えで、広まった話しです。

王宮の皆んながアウローラ様のファンですからねぇ。彼方の国でのご様子を心配してるんですよぉ。

昨年、学園に入学した年の剣術大会にエピオテス様が参加した際、アウローラ様が刺繍を施した腕章を贈られたと。大変美しい刺繍で仕上げたとか。流石ですねぇ。

エピオテス様は見事に優勝されたそうで、とても洗練された強さだったそうですよ。」


「ふーん…」


エピオテス・マクラーン

記憶にあるのは、姉様が夢中で眺めていた絵姿と

顔合わせで来日して来た時…

深緑の髪にペリドットの様な黄緑の瞳


 アウローラの心を掴んで離さない男…


ガゼボの向こうに目を向けると、一面の鈴蘭がリンリン鳴っている…


庭いっぱいに咲いているのを、いつか見せようと…魔法で一年中咲き誇って。


僕の記憶の中のアウローラは十三歳のまま…


リンリンリンリンリンリンリンリン……



「よし!ウナヴォルタ国に行こう♪」


「「はい?」」

侍従二人は目を丸くして素っ頓狂な声を出した。


「姉様の婚約者に手合わせを申し込もう♪」


「「?!」」



ここまでがストックで

次回からの新エピソードを書き勧めているので、間が開きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ