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側にいる為に必要な事〜黄金の王女〜  作者: Kurakura


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ソール 6



「姉様ー♪ 今ちょっと良い〜?」


「あら、ソール。いらっしゃい、どうしたの?」

姉様はダンスレッスン中で、庭園に出られる一階の小さなパーティが開けるくらい広い部屋に居た。

 丁度良いから休憩にすると言って、お茶と茶菓子を出してくれた。


「いきなり押し掛けてごめんね♪ 凄い綺麗な石を見つけたから、姉様に見せたくって♪ 」

と言いながら、侍従に持たせていた腰掛けカバンからホワイトオパールを取り出して

テーブルの上に転がらないよう、そっと置いた。


「まぁ!素敵ね!凄い綺麗♪ 」

姉様がそう言い終わった瞬間…



ドドオォオン!!!

クアアアアァァァァ!!!!!


 庭園から轟音と咆哮が鳴り響いた!


庭園側の一面がガラス扉になっている方を見ると

真っ白なドラゴンがこっちに突進してくる!



ドラゴンは僕たちが逃げる間もなくガラス扉に突っ込んできて……

そこからの記憶が無い……


 気付いた時には自室のベッドの上だった……




「ソール…」

遠くから呼ぶ声がする

聞こえる声に、目を開けようと思ったが

瞼が重くて中々開けられない……


「ソール!!」

今度は強く呼ばれたその声に

僕はなんとか目を開いた…


ベッドの側で、アウローラが僕の名前を呼んでいた。


「ソール!!!!! ソールが目を覚ました! お父様達を呼んできて!! うわあああぁぁーーーん!!!」

侍女に向かって指示しながら突然、大声で泣き出したアウローラにびっくりして飛び起きた!

「ソールの馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿ーー!!!」


 その後のアウローラはずっと大泣きで…

直ぐに駆けつけた父様に抱き上げられて、

父様にしがみ付きながらずっと泣いていた……

 母様は二歳の双子の片割れを抱いて、長兄のアバンサールが双子のもぉ一人を抱っこしている。

が、双子はアウローラに釣られて泣き出して…僕の自室は女児三人の大泣き大合唱になってしまった……


 双子は侍女たちが連れ帰り

アウローラは少し落ち着いたのか…泣き声は小さくなったが

まだ父様に、しがみ付いている。


 カミールがベッド脇に来て経緯を話してくれた。


ムスクス山岳地帯に居たドラゴンは、子育ての為に白銀渓谷に巣を作っていたと言う……

 そして僕が持ち帰ったのはホワイトオパールじゃなくて、ドラゴンの卵だった。


『あんなに巨大なのに卵はめちゃめちゃ小さいんだ……』

 僕はドラゴンの卵を勝手に持ち帰った……

ドラゴンから見たら誘拐犯だ…


 部屋に突っ込んで来たのは雌のドラゴンで、姉様の護衛が結界魔法で僕達を守ってくれて、カスリ傷ですんだが…

 それでも吹き飛ばされた衝撃が強く、僕は三日…意識が戻らなかったそうだ。

 人語を解するドラゴンは怒り心頭で…謝罪と話し合いを繰り返し…何か取引きをして

なんとか許して貰ったそうだ。


 自分のしでかした事を知りシーツを強く握り締める…

「ごめんなさい……」


 僕が全面的に悪い。

任務で赴いているのに、現地の物を勝手に持ち帰った…

無理を言ってついて行ったのに、子供だから仕方ないなんて言い訳にならない。


 母様が僕をそっと抱きしめて

「……無事で良かったわ……」

涙声でそう言った。


沢山の人に心配をかけてしまった……



 もっと知識を蓄えて賢くならなきゃ…

賢くなるまでは勝手に判断しない…


「アウローラも丸一日、目を覚さなかったんだけど…起きてからはずっとお前の側に付いてたんだよ。」

アバンサールがそう教えてくれた。


 父様に抱きかかえられたアウローラを仰ぎ見る…泣き寝入ってしまった様だ。


経過観察で五日程安静に過ごし、医師の許可が下りたら。

父様に許可をもらい

アバンサールに宝石の鉱山に連れて行って貰った…


父様に付き添ってもらい

姉様の自室を尋ねる。

「あのね…これ…今度こそ、ちゃんとプレゼントしたくて……ちゃんと許可を貰って採ってきたんだ………()()をかけて…」

僕は頭を横にブンブン振ってから


()()かけて…ごめんなさい。」


 扉を半分開けたアウローラの目をしっかり見てそう言い

掌に乗せたファイヤーオパールを差し出す。


 アウローラは大きな金眼をさらに大きく見開いて

僕と掌のオパールを交互に見てから

チラリと父様を見た……

 父様は僕の後ろに居るから僕からは見えないケド…

姉様がクスリと苦笑いをして

「とっても綺麗… ありがとう…大切にする。」

 淑女教育で磨かれた口調じゃなく

いつものアウローラらしい話し方でそう言い…抱きしめられ

父様は僕達二人の頭を大事そうに撫でてた。


『受け取って貰えた…』

今回はちゃんと少し挽回出来た事にホッとした。



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