第二十八話「感動の再会」.3
クワハウ人――この宇宙で最も古い文明を持つ種族で、現在はそのほとんどを封印。自然と調和した文化を築き、他種族との交流を断っている。
少なくとも連邦政府の設立には関与し、そのアドバイザーとして数名の存在が確認されている以外、クワハウ人が表社会で確認された事例はない。
「俺もあちこち探し回っているんだ。だが見つかるのはこの土地のようなクワハウ人の遺跡ばかり。悲しくなるぜ。俺はこんなにも恋しく思っているのにな」
『お前に想われても、何も嬉しくはないさ』
「そんな中、お前はクワハウ人に出会った。そして、その力を狩り受けた。違うか?」
『本当なら、クワハウの力は表に出てくるものじゃなかった。だけど、お前を止めるためにクワハウは動いたんだ』
ボクの復讐と、クワハウの技術を悪用させないため。二つの目的が一致した結果、コンゴーも納得した。だからこそ、こいつはここで止めないといけない。
『お前はここで止める。もう二度と、誰も傷つけさせない』
「大きく出るじゃないか。ええ? ルーキー!」
ガイドーが走り出す。走ると言っても、その加速力はアクシャハラ・リアクターによって確保されたものだ。レイハガナと同等の加速。通常のアーマーガンナーが相手であれば、それこそ一方的に捻り潰してしまえるほどの腕力。
戦闘特化種クロビアン人の実力は、ただエネルギーの詰まったパックを持っているだけの時とは違う。
左腕のブレード、右腕のパイル、二つの近接武器を恐れることもない。ガイドーはこちらの攻撃を丁寧にさばきながら、足元への攻撃を欠かさない。
『こいつ、さっきから』
【フィオガ、彼はアーマーガンナーとの戦闘を熟知しています。あなたの機体バランスから、弱点を見抜かれているようです】
『わかっている。なら、空中戦で意味を失くす!』
プラズマジェットを展開して浮遊。ミサイルで牽制しつつ、プラズマキャノンをチャージする。
遠距離空中戦なら、こちらに分がある。
『くらえっ!』
「ミサイルにキャノン、なかなかいい攻撃能力だ。そのアーマーガンナー、形こそ違うが残存データで覚えがある。クワハウのパワードスーツだな」
『その力が、お前を落とす!』
「そうは簡単にはいかねぇな!」
こちらから距離をとるガイドー。その背に、鋼の翼が出現した。
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