第二十八話「感動の再会」.2
右腕から精製したレイハガナは、すでに近接突撃破杭拳を準備完了している。拳をぶつける瞬間には左足まで構成。反動の衝撃を相殺しながら鉄杭が放たれる。
アクシャハラ・フィールドで衝撃を緩和しようとするが、パイルのような物理的質量兵器はそれを突破するためのものでもある。
「ぐほぅっ!」
『お前だけは、許さない』
吹き飛び、倒れたガイドーを見下ろしながら、浮かび上がったレイハガナの中で手足を丸める。眼前全てが生体融合金属に包まれた時、視神経がレイハガナの頭部カメラと接続される。
地面に刺さっていたプレートブレードを回収し、左腕に装着する。
この地でのクワハウ遺跡には、レイハガナをパワーアップさせる発掘品はなかった。
『お前を倒すには、十分な火力がレイハガナにはある』
「くはははははっ、やってくれたな。クソガキ」
『あの日、お前に怯えて、瓦礫の下に埋もれていたクソガキはもういないぞ。ガイドー』
ジャゴン、と音を立てて近接突撃破杭拳が再装填される。さらに右肩の三連装ミサイルと、左肩のプラズマキャノンを向ける。
『ここにいるのは、害獣を屠る狩人だ』
「ハンターナイト風情が!」
発射された三発のミサイルを、ガイドーは引き抜いたガンで撃ち落とす。アクシャハラ・リアクターによるエネルギー供給を利用した半永久型プラズマハンドガン。高威力、高射程、高連射、ミサイルを撃ち落とすのに威力は十分だ。
何より、発射された後のミサイルを目視で撃ち落とす射撃技術が、最も厄介だろう。
「いつからハンターナイトになったんだ? まさかガッソーをとっ捕まえたのもお前だったりするのか?」
『あの人は強かったよ。おかげで、お前のことを聞き出すのにずいぶん苦労した』
「くはははっ、奴も焼きが回ったかと思っていたが、なるほどアクシャハラ・リアクター持ちが相手だったとは。運がないヤロウだ」
『そのリアクター持ちが、最優先で倒したい相手が目の前にいる』
「なかなか面白い話だ。だが疑問はあるな」
銃口をレイハガナに向けてきたガイドーはその鋭い縦長の瞳にボクを映す。
『アクシャハラ・リアクターのことはおいておこう。そのアーマーガンナー。明らかに連邦の技術じゃあない。帝国でもない。まして、アクシャハラ・リアクターに対応したわけではなく、それ専用のアーマーガンナーとして造られている。そんなものを、個人で持てるはずがない。――――ある種族を除いて』
ガイドーが何を言いたのかは、すぐにわかる。やつは海賊であると同時にクワハウの研究者と言ってもいい。
もちろん、それは父さんたちほど専門的ではないし、卓越しているわけじゃない。リアクターコアそのものを、データがあったとしても作れるはずはない。
「お前、クワハウ人と会ったんだな」
にやりと、ガイドーはあのふてぶてしい笑みを浮かべた。
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