第16話 お見合い ③
「………………………………父さん?何やってるんだよっ!」
小声で、父の脇腹を肘先で小突いて、それでも駄目で………………………………
由紀さん母子と対面して、僕達は、挨拶もせずに、『固まって』いた。
そう、僕達、父子と由紀さん母子が、固まっていた。
何故か、見つめ合う、父と、母。
僕にとっての、由紀さんとの『衝撃の出会い』から覚めて、どうしたものかと思案し始めた矢先。
「あっ、あのっ!」
やっと声を上げた父の様子が、なんだか、おかしい。
「はじめまして、聡一郎の父の、純一郎です。」
挙動不審だった父が、何とか再起動したのか、真面目な声で話し始めた。
「はじめまして、由紀の母の、早紀です。」
「早紀さんは、夫様と死別との事ですが、再婚されるおつもりは御座いますか?」
「っ!ちょっ、まっ、…………父さん、何言ってる…」
「純一郎様、つい先程までは、これっぽっちも有りませんでしたが、たった今、もし良い出会いが有ればと?」
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「………………………………母さん?何やってるのよっ!」
小声で、母の脇腹を肘先で小突いて、それでも駄目で………………………………
聡一郎さん父子と対面して、私達は、挨拶もせずに、『固まって』いた。
そう、私達、母子と聡一郎さん父子が、固まっていた。
何故か、見つめ合う、母と、父。
私にとっての、聡一郎さんとの『衝撃の出会い』から覚めて、どうしたものかと思案し始めた矢先。
「あっ、あのっ!」
やっと声を上げた父様の様子が、なんだか、おかしい。
隣の母を見たら、母の様子も、なんだか、おかしい。
「はじめまして、聡一郎の父の、純一郎です。」
「はじめまして、由紀の母の、早紀です。」
挙動不審だった母が、何とか再起動したのか、真面目な声で、応えた。
「早紀さんは、夫様と死別との事ですが、再婚されるおつもりは御座いますか?」
「純一郎様、つい先程までは、これっぽっちも有りませんでしたが、たった今、もし良い出会いが有ればと?」
「っ!ちょっ、まっ、…………母さん、何言ってる…」