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第12話 転落 ①

「なんなんだ!この慰謝料イッセンマンエンってのはっ!しかも、車を返せだと?」


「……………………俊、チョット此処へ座りなさい。」


突然届いた、内容証明郵便。

請求金額と内容に、呆然としていると、父から呼ばれた。

父の手元にも、同じ封筒が、握りつぶされていた。


「………………………………それは?」


「同じ物の様だな。立て替えて払っておくから、キッチリと働いて返せよ?」


こめかみに、青筋を立てて、真っ黒なオーラを漂わせながら迫る父に、法外な金額だと思ったが黙って頷くしか無かった。


「……………………なんで?」


「それは、私が聞きたいことだ。由紀さんと何が有ったんだ?何も聞いてないぞ!」


「……………………半年も会えなかったんだ、捨てられて当然だろう?」


「っ、バッカモーン!お前は由紀さんが受けた仕事の発注先と同業だからプロジェクトが完了するまで会えないのは当然だろうがっ!守秘義務が有ると何度も何度も、しつこく説明受けただろうがっ!」


「ひっ?」


「全く持って情けない!」


「でも、まだ、結婚した訳じゃ…………」


「指輪を贈っておいて、お返しに車を受け取ってるんだ!婚約成立とみなされるわっ!車は返すようにと要求されておるから、すぐにここに書いてある弁護士に連絡して返しておけよ?

全く、あんな良い子を捨てて不倫に走るとは、情けない。」





※※※※※※※※※※





「なんなのよっ!この慰謝料イッセンマンエンってのはっ!それに、バッグを返せですって?」


「……………………早耶、チョット此処へ座りなさい。」


突然届いた、内容証明郵便。

請求金額と内容に、呆然としていると、母から呼ばれた。

母の手元にも、同じ封筒が、握りつぶされていた。


「………………………………それは?」


「同じ物の様ね。立て替えて払っておくから、キッチリと働いて返してね?」


こめかみに、青筋を立てて、真っ黒なオーラを漂わせながら迫る母に、法外な金額だと思っても黙って頷くしか無かった。


「……………………なんで?」


「それは、私が聞きたいことよ!砥部さんと何が有ったのよ?何も聞いてないわよ。」


「……………………半年も会えなかったんだもん、捨てられて当然でしょう?」


「……………………おバカさんね、あなた、砥部さんと同じ会社に籍を置いていて、解らないの?彼は国防関連のプロジェクトの中心人物なんだから、当然でしょう?」


「でも、まだ結婚した訳じゃ…………」


「指輪とバッグ、貰ってるでしょう?婚約成立とみなされるわよ。あのユニクロでも売ってそうなバッグ、百万円もするんですってね。バッグだけは返すようにと書いてあるから、ここに書いてある弁護士に連絡して早めに返しておいてね。

全く、あんないい人を捨てて不倫に走るなんて、情けないわ。」

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