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ドケチな小鳥遊さん

ゴーンゴーンとお昼を告げるチャイムが鳴り響いた。

ご飯、食べようかな。


「香奈!仕事は一段落した?ご飯行こ、ご飯!」


勢いよく話しかけてきたのは私の同期、小畑楓。元気が取り柄の女の子。


「うん、そうだね。ご飯行こ!」


「じゃあさ、最近できたフレンチ行かない?」


「あ、私お弁当だから。」


外食はめったにしない。だって高いもの!


「いっつもお弁当だね香奈は。じゃ、食堂行こ。」


色んなお店が連なるビルの食堂。OLにとっては心地よい空間。

でも、やっぱり高い。


「じゃ、私買ってくるから。香奈先食べてて。」


私も飲み物を調達しよう。家で洗ってきたペットボトルを用意し、無料のウォーターサーバーへ向かった。

タダで美味しい水が飲めるなんて、なんて幸せなんだろう。


席に戻ると、もう楓はオムライスを持って帰ってきていた。


「まーた水筒も使わないでお水取りに行ってたの。」


呆れた顔をしている下を見ると、なんと、新品のペットボトルのお水!


「か、楓、そのお水買ったの?」


「え、うん、そうだけどなんで?」


「だ、だってウォーターサーバーあるじゃない!」


信じられない。すぐ近くにタダ水があるのに自販機で買うなんて!


「あぁ、今日水筒忘れちゃったし。」


そっか、一般的な24歳ってお水にお金払うものなのね..


気を取り直して、ご飯食べよう。

パカッとお弁当箱を開く。


「え、ちょっと香奈!なにそれ!」


「なにって..」


今日の献立!

白米の代わりに割引だった五穀米!その上には家で育てている豆苗!醤油をたらり。おかずは、お餅!醬油をたらり。


「え、五穀米に豆苗と、餅?やばくない?」


え、やばいのかな私。全部美味しいのに。


「お餅は、おばあちゃんが送ってくれたからいっぱいあるんだよね。お腹にたまるし。」

「だからってお弁当に..」


「一口食べる?」


「えっ、う、うん。」


にょーんと伸ばした真っ白いお餅。

小さく切り、楓の口へ運ぶ。


「どう?」


「うんまぁ!これ、アリだわ!」


これは、ドケチで優しい小鳥遊香奈(24)の何もないタダの日常の物語。


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