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パリピな同僚(予定)

「配属先に関しては隣の講義館にて説明が行われますので移動して下さい。」


事務のおっさんに追いやられて移動する。


ナビに従い、講義室Hに入る。


収容人数20人の部屋の中には前の方に2人が並んで座っていた。

仲良くお話っていうより片方がひたすら話掛けているようだ。


正面のホワイトボードに

「好きな席に座り待機」的な事が書いてあるので後ろの席に座る。


席に座ったとたん前の2人の1人が立ち上がってこちらに向かって来る。


「は~い、オレ、鈴木 啓二。ケイジって呼んでね。

おにーさんのお名前はな~に~?」


うわぁ、なんだこのコミュ力の化け物は。


「ねぇねぇ~、教えてよ~。」


呆気に取られている間に追撃が来る。

黙っていると隣の席に座られた。

目が五月蠅い。

仕方なしに答える。


「眞家瀬 実央だ」


「ミオさんね、よろ~。

ミオさんもここにいるってことはマイナス?

いえ~ぃ、おそろ~。

オレはね~、マイナス660まーん。

マジムリ~。

ミオさんは~?」


なんだっけ、こう言う奴。

パリピ勢?ウェーイ勢?

違いが分からん。


「ねぇねぇ~、教えてよ~。」


五月蠅い。


「ムッシ~、ウケる~。

あっちのおにーさんも教えてくれないの~。

これから、一緒にやって行くんだから仲良くしよ~ょ。」


「ん?一緒だと・・・」


「そうそう、一緒~。

よろしくね~。」


「同じ職場ってことか?

これから割り振りされるとかじゃないのか?」


「そうそう、同じ~。

ここに来る前~、事務のオネーサマに聞いたんよ~。

ここに来る人、みんな仲間なんだって~。」


これが同僚・・・マジか・・・


「オレね~、ここに来る前にトゲトゲお山でナンパしてたんだけど~。

おねーちゃん誰も反応してくれなくて、マジ凹む。

話し掛けようとすんと、おねーちゃんがいた場所におねーちゃんいなくなってんの。

全然違う場所にそのおねーちゃんが移動してて、チョー足早いんよ~。

んで、必死にザクザク追いかけて話し掛けていなくて、いっぱい繰り替えしたんよ~。

んでも、きれーなおねーちゃんいっぱいいてチョー目の保養だったんよ~。」


ニコニコ俺の反応関係なしに話しを進めてくる。

ってか、お前それ罰だぞ。

なんでそんな楽しそうに語る?こいつ馬鹿か?

追い掛ける際の擬音にザクザクは使わねーんだよ。


「んで、いろんなおねーちゃんに目移りしてたら首根っこ捕まれて、お山から追い出された~。

きれーなおねーちゃんいないけど、ここの事務のオネーサマ達一緒にお話してくれるし~、チョー優しいし~。

一方通行じゃねーのっていいよね~。」


刑罰が罰になってねーんじゃね。

オネーサマって、さっきの窓口にはおばさんしかいなかったような気がするが・・・

こいつあれか、女性に年齢は関係ない系の奴か。


こいつの語りを無視して、20分経過。

いい加減黙ってくれないだろうか・・・

語りの内容もドラマの話になっているし、もう意味が分からん。


ガラッ


ドアが開いて人が入って来た。


やった、助かった。

次の生け贄が来たようだ。


案の定、待ち人が席に座ると鈴木が席を立った。


「暇つぶし付き合ってくれてあんがとね~。

またね、ミオさん。」


手を振りながら去って行ってくれた。

これで静かに過ごせる。

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