73.売られた・・・だと!?
本日2本目の投稿になります。
「終わり、それじゃあテストを回収して前に」
テスト終わりを告げるチャイムの音共に先生の声で2日間の休み明けテストが終わった。
「でさ、お前は何にするか決めたか?」
晴生がテスト後話し掛けてくる。
「何するってなんの話だよ」
「そりゃあ、クラスの文化祭の出し物について決めるっていう話だろ」
「えっ、もしかして今からか?」
「そうだぞ、ほら前を見ろ」
そう呆れながら言ってくる晴生に促されて前の黒板の方を向くと文化祭の実行委員が立って話し合いの準備をしていた。
そう俺達が通う高校は9月末に文化祭がある。うちの高校は2日間開催となっており、一日目にクラスで劇やら食品バザーなりとクラスで1つ企画して出し物を行うのだ。高校の歴史が無駄に長いため卒業生や地域の方など外部の人々もかなりやってくるため行事の中でもかなり熱が入っており盛り上がりがすごい。
とはいえ、もちろん「文化」祭であるので吹奏楽部にもステージ発表がある。これは2日目の日程の中に組み込まれており既に夏休みから練習や実行委員との打ち合わせたりしている。この2日目の日程は生徒全員と外部の客全てが体育館に集まって他の文化部や有志発表を見るため必然的に多くの人に見られる。俺達吹奏楽部の年間の活動の中でもかなりの大舞台になる。
「でさ、ちゃんとわかっているよな」
「ああ、わかってるよ。企画の主導者や中心人物にならなきゃいいんだよな」
そう、あくまでも部活の方が優先されるのでクラス企画の準備時間中に部活の練習が入ってきたりする。だからクラス企画の中心人物になってしまうと手がいっぱいいっぱいになってしまう。去年何もそのことを知らない俺たちの代でその中心人物になってしまった人は相当苦労していた。結構周りからも怒られていた。
それでも両方をなんとか乗り切った当人は「そういう大事なことは先に言ってくれ」と愚痴ってたな。
今年は夏休み中にちゃんとそのことについて説明しておいた。だから今年の1年生は大丈夫だろう。
とまぁ、なんだかんだ盛り上がるクラスメイトにその場を任せていたら出し物が決まった。どうやらお化け屋敷らしい・・・吹奏楽部である俺にとってはどうでもいいのだけど。
準備が大変そうだなとのんきに考えていると、実行委員が「あっ」と今思い出した様子で
「企画責任者を決めないと。あっだけど責任者っていっても皆でやるのはもちろんだし、全体的な進行をみるだけだから、私も手伝うからね。誰かやってくれる人はいるかな?」
その声にさっきまでの盛り上がりが嘘みたいに静かになる。まぁ、そりゃそうだろう誰がこんなめんどくさい役をやりたがるだろうか。役なしで自由気ままに自分たちの思い描くものになるようにやっていく方が楽だ。全体を統括するのはめんどくさい。
「ええっと、誰も決まらないならじゃんけんで決めてもいいかな?」
という発言に皆が黙認する。
「私とやって勝ち残った人にお願いするね。もちろん私がちゃんとサポートします」
皆が立ち上がり、「じゃんけーん、ぽい」と負けた人から座っていく、まあ、そのうちに座れるだろう。
「それじゃあ、冬海君よろしくお願いします」
とまさかの勝ち残ってしまった。だが部活の事情的にそれはまずい。俺は説明を試みようとする・・・ていうか責任者なんて面倒くさいから絶対やりたくない。
「す、すまんが吹奏楽部はそういった企画の中心に入るわけにはいかないんだ」
と声をあげる。その声に「そうなのか、部長」と刹那の方を振り向くクラスメイト。部長である刹那が一緒のクラスでよかった。とそう安堵していたら、
「別に永遠ならいいよ」
うんうん、そうだよな。吹奏楽部だからな・・・・・・・・・・・・・・・って・・はっ!?
予想と違った返事が聞こえてきた気がするので、慌てて刹那に問いかける。
「おいっ!刹那!?」
「もちろんちゃんと部活の方にも参加してもらうけどね。その時間は永遠を借りてくけどそれでいいなら」
とまさかのクラスに俺を売りやがった。俺は薄い望みをかけて愛華の方に振り向いて
「愛華、パートリーダーとしてそれでいいのか!?」
愛華は口角を薄く上げながら、
「部長がいいって言ってるんだからいいでしょ。頑張れ」
こうして部長にもパートリーダーにも許可をもらえてしまった俺はガクシと席に座りながら、
「はは、やります」
気分が落ち込む俺に無情にも拍手が投げかけられたのだった。
そして授業後、皆は部活やら家に帰宅するなどをしている中俺は責任者として文化祭の実行委員の会議に行き企画の承認や責任者の仕事内容などを教えてもらった。その仕事内容が企画全体を統括するといったアバウトすぎる内容で俺は教室に戻ってきて、渡された資料に目を通している。
部活に関しては今日は遅刻していいそうだったので先にこちらを優先することにした。
とはいえ今この場にいるのは俺だけではない。
今俺の隣で一緒に資料を読んでいる女子は、
うちのクラスの文化祭実行委員の白河 沙月。
身長は俺より15cm程小さめとかなりの小柄であり、元気で活気あふれる少女である。非常にスレンダーで走ったら色々と抵抗が少なく速く走れそうな見た目にも関わらず本人は美術部であり文化祭の展示があるのだが自分の作品は既に完成させており部活では準備を手伝うくらいなので実行委員になっても問題はないらしい。
「はぁー」と一通り目を通し終えた俺は溜息をつきながら机に突っ伏す。
そんな様子の何が面白かったのかは知らないがハハッ!と笑いながら隣で俺の背中をバンバン叩いてくる。
「何、落ち込んでるの!ふゆ君!」
「ふゆ君・・・・って」
「うーん、最初は名前で呼ぼうとしたんだけどそれだとせっちゃんが嫉妬狂いそうだったから名字で呼ぼうとしたんだけど「み」が発音しづらいから省いちゃった!」
どうやら彼女は俺のことを「ふゆ君」と呼ぶそうだ。いきなりあだ名で呼ぶとかフレンドリーすぎるだろ。
しかしこれはこれで刹那が暴れそうだが。ていうか「せっちゃん」って。しかしもとはいえば刹那が認めたのが悪いので自業自得だろう。帰ったらちゃんと先に説明して慰めておこう。
「別に呼び方は好きにすればいいよ。ええっと・・・」
「私のことは沙月って呼んでもいいよ。もちろんふゆ君が『名前呼びは刹那だけだ』っていうなら名字でもいいけど」
「わかったよ、沙月。これからよろしく。任されたからにはしっかりと最低限の職務は遂行していきたいと思う。部活だからっていう理由で逃げ出すことはしないようにするから」
とこんな感じで自己紹介を終えた。ちょくちょく俺をからかってきたがそこは全力でスルーさせていただいた。きっと突っ込んだら沙月のペースに飲み込まれるそんな気がした。
その後は連絡先の交換、今後の方針、というか明日の話し合いで何を決めるかを中心に今後の計画を立てていき、それが終わる頃には下校時刻が過ぎてしまっていた。この時期は文化祭関係で遅くまで作業している人が多くいるため下校時間がユルユルのため時間が過ぎていたことに気づかなかった。
そのためあたりはすっかりと暗くなってしまっていた。
読んでいただきありがとうございます。
今後もよろしくお願いします!
今回から文化祭編です!
人との関わりを持つこと受け入れ始めた永遠がどうしていくか。
新たに白河 沙月が出てきましたが、フラグが立つことはなく、
「ふゆ君」と「せっちゃん」は、今回もイチャイチャするのでご安心を。
以下宣伝させていただきます。
新作を短編として出しました!ジャンルはローファンタジーです、たぶん内容的には。
ファンタジーと称しておきながら、日常と戦闘の比率は7:3です。
クーデレ?感情表現が苦手なだけなのでは?な幼い少女(小学生低学年)黒華と刀哉のほのぼのとした日常を過ごしながら、戦いが入り混じる話となっています!
【短編】 戦いの時だけロリっ娘(マジの幼女)が武器に変化するのですが!?
https://ncode.syosetu.com/n1100gk/
↑URLです
ぜひ読んでみてください。反応が良ければ連載してみようかなと思っています!




